「所変われば品変わる」とはどんな意味?

土地ごとに風習や習慣、産品が変わることを「所変われば品変わる」と表現します。

しかし、この言葉はどのような状況を意味するのでしょうか?
この記事では「所変われば品変わる」がどのような言葉なのか解説します。

「所変われば品変わる」とは

ここでは「所変われば品変わる」の意味を解説します。

「所変われば品変わる」の意味

「所変われば品変わる」は、土地が変わればいつもは当たり前と思っていることも違ってくることを例えたことわざです。

土地によって風習や習慣、産品などは異なります。
同じものでも土地が変わると名前や用途が変わることも意味します。

要はその土地に根付く歴史や文化による相違点を表現した言葉というわけです。

「所変われば品変わる」の実例:この食べ物をなんと呼ぶ?

「所変われば品変わる」はその土地ごとの品物に対して使用します。

例えば、内部にあんこが詰まったお菓子は地域によって「大判焼き」と呼ばれることもあれば「今川焼き」と呼ばれることもあります。

どちらも指しているものは「あんこが詰まったお菓子」ですが、地域が変わることで呼称も変わってくるということです。

そのような状態を「所変われば品変わる」と表現します。

同じ「あんこが詰まったお菓子」でも、北海道では「おやき」と呼ばれたり沖縄では「あんこ饅頭」と呼ばれたりします。

このように性質は同じものであっても地域が変わるごとに名前が変わることを「所変われば品変わる」と表現するわけです。

ただし、このことわざ自体は名前の相違点だけでなく風習・習慣・産品が変わることも意味するので注意しましょう。

「所変われば品変わる」の類義語

ここからは「所変われば品変わる」の類義語を紹介します。

難波の芦は伊勢の浜荻

「難波の芦は伊勢の浜荻」は、葦という植物の呼び方についての違いを表現したことわざとなります。

現に大阪(難波)で呼ばれる「葦(アシ)」は三重(伊勢)だと「浜荻(ハマオギ)」という呼称で呼ばれているのが特徴です。

転じて、土地が変われば名前が変わることを意味します。

その点が「所変われば品変わる」と似ているのではないでしょうか。

郷に入りては郷に従う

「郷に入りては郷に従う」は、その土地に住むにはその土地ならではの風習や習慣に従うことが必要であるということを表現したことわざです。

例えば、田舎に移住した際に都会の常識を持ち込むと現地の人が困惑します。

場合によってはよそ者として嫌われてしまうこともあるかもしれません。
だからこそ、その土地に古くから伝わるしきたりを守らねばなりません。

転じて、その土地にはその土地の決まりがあるということを意味します。

その点が「所変われば品変わる」に通ずるのではないでしょうか。

「所変われば品変わる」も対義語

ここからは「所変われば品変わる」の対義語を紹介します。

伊予に吹く風は讃岐にも吹く

「伊予に吹く風は讃岐にも吹く」は、ある土地の風習や習慣は他の土地にも移るものだということを表現したことわざです。

転じて、上の者の行いは下の者も真似るようになることを意味します。

他にも、どこの土地でも人情は変わらないという意味でも使用されます。

その点が「所変われば品変わる」と相反する意味といえるでしょう。

何処の烏も黒い

「何処の烏も黒い」は、どのような土地に行っても、そう真新しいことはないということを表現したことわざとなります。

転じて、人間の本性は同じであることも意味します。

その点が「所変われば品変わる」と真逆の意味といえるでしょう。

まとめ

「所変われば品変わる」は土地が変われば、その地に残る風習や習慣などが変わるということを意味することわざです。
地域ごとの産品が変わることも「所変われば品変わる」と表現します。

例えば、あんこが詰まったお菓子は地域ごとに呼称が変わります。
同じものを意味するのに「大判焼き」や「今川焼き」と呼び名が変わってくるわけです。

北海道や沖縄など、地域によっては独自の呼び方で浸透・定着している場合もあります。

そういった「同じものでも土地が変われば名前などが変わること」を「所変われば品変わる」と表現するわけです。

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