68%の女性が7割以上の家事を担当、負担に感じているのは男女ともに料理。家事に関する調査を解説!
共働き家庭が増えているなか、家事分担の理想は「5:5」だろう。今回は、家事に関する調査結果を2つ紹介したい 。「家事分担がなかなか上手くできない」「料理の負担が大きい」などの家事の実態について、詳しく見ていくことにしよう。
【今週の住活トピック】
「共働き夫婦の家事シェアに関するアンケート2024」結果を発表/一条工務店
「料理にまつわる家事に関する意識調査」を実施/LIXIL
男女ともに「料理」は負担に感じる
まず、一条工務店が発表した「共働き夫婦の家事シェアに関するアンケート2024」(調査対象:共働きの既婚男女673人)の結果を見ていこう。
共働き夫婦の家事分担の理想は「5:5」という回答が、男性42.6%、女性33.2%でともに最多となった。ただし、男性は配偶者により多くを、女性は自身がより多くを分担することを理想とする傾向が見られた。では、実態はどうかというと、約68%の女性が「7割以上」の家事を担当していると回答した。やはり、女性側に家事負担がかかっているのが実態だ。
出典:一条工務店「共働き夫婦の家事シェアに関するアンケート2024」
では、どんな家事に負担を感じているのだろうか?
最も負担を感じる家事は、女性では「料理」がダントツの44.7%だ。次いで「食器洗い」(11.1%)となる。一方男性は「特にない」が最多だ。家事をあまり担当していないから、特にないのかもしれない。とはいえ、「料理」と「食器洗い」は、男性も負担に感じている家事のようだ。
出典:一条工務店「共働き夫婦の家事シェアに関するアンケート2024」
一方で、「できれば配偶者と一緒に行いたいと思う家事は何か」を聞いたところ、男女ともに「料理」が最多となった。負担が大きいと感じるだけに二人で分担してやりたいのか、単独でやるより二人のほうが楽しいということなのかはわからないが、男女ともに料理は一緒にやりたいと思っているのだ。
出典:一条工務店「共働き夫婦の家事シェアに関するアンケート2024」
「料理」という家事は、つくるだけじゃない
次に、LIXILの「料理にまつわる家事に関する意識調査」(調査対象:LIXIL公式HPのキッチンページ閲覧者男女840人)から、料理について深掘りしてみよう。
料理は、キッチンに立って野菜を刻んだり、鍋でゆでたり、味付けをしたりといった工程を想像しがちだ。しかし、実際には、献立を考えて、不足する食材があれば買い物をして、調理をしたあと盛り付けて食卓に出し、残った食材を保存することまで、かなり長~い工程となる。
LIXILが「献立を考えることに悩むか」と聞いたところ、75.4%が献立を考えることに悩んでいる(「毎回悩む」41.5%+「時々悩む」33.9%)ことが分かった。「今日何が食べたい?」と聞いて「なんでもいいよ」と答えられるとムッとするという話はよく聞くが、それだけ毎日毎日献立を考えるのは大変なことなのだ。
では、どうやって献立を考えているかというと「食材を見て考える」が50.6%と過半数だ。食べたいものをつくるというよりは、食材を無駄にしたくないという思いが強いからだろう。
出典/LIXIL「料理にまつわる家事に関する意識調査」
一条工務店の調査では、「料理」に次いで「食器洗い」が負担を感じる家事に挙がっていた。LIXILの調査で、洗い物について聞いた結果を見ると、81.0%が洗い物を面倒に感じる(「毎回感じる」54.4%+「時々感じる」26.6%)と回答した。洗い物が面倒と感じる人が、かなり多いことが分かる。
出典/LIXIL「料理にまつわる家事に関する意識調査」
では、洗い物をいつやっているのか、そのタイミングを聞いた結果を見よう。
出典/LIXIL「料理にまつわる家事に関する意識調査」
「調理器具は使い終わるたびに洗って再度使う」(42.3%)という“作業切り替わり時派”が多い一方で、「食事がすべて終わってから、調理器具や食器をまとめて洗う」(37.8%)や「調理がすべて終わってから、食べる前に調理器具を洗う」(28.2%)という“終了時にまとめて派”も多いことが分かる。
LIXILのキッチンアンバサダーであるタサン志麻さんによると「油で汚れる前にこまめに洗うことや、茹で汁で油汚れを浮かせることが後々の手間を省くコツ」だという。“タイパ”を重視する人にとっては、料理や洗い物にできるだけ時間をかけないように、いろいろと工夫したいところだ。
「家事分担のルール」がカギになるか?
さて、一条工務店の調査で「家事分担のルールを決めているか」聞いた結果を見ると、「決めていない」が72.2%となっていた。ただし、「ルールを決めている」人に「ルールが守られているか」を聞いたところ、「2人とも守っている」が、男性82.3%、女性84.6%でともに8割以上がルールを守っていると回答した。家事分担のルールを決めている家庭は多くないが、決めたルールは守られることが多いようなのだ。
そこで、負担に感じる料理や洗い物について、家事分担のルールを決めることを提案したい。
料理のなかでも「献立は一緒に考える」とか、こまめに洗うタイプなら都度洗いを任せたり、まとめて洗うタイプなら一緒に洗ったりとか、ルールはいろいろあるだろう。主に料理をする人のやり方を共有して、工程を細分化して、手助けできる部分を一緒にやるという形なら、上手に分担できるかもしれない。一緒にやりたい家事が「料理」なのだから、まずは料理で試してみてほしい。
ただし、一般的に女性より体の大きい男性が一緒にキッチンに入るとなると、そのスペースが確保できない、かえって動きにくいといった懸念点もある。キッチンの広さや動線にも配慮して、適宜ルールを見直すことも必要だろう。
一口に「料理」といっても、実はかなり細かい「名もなき」工程がある。どこに負担を感じるかは、人それぞれだ。家事についてきちんと話し合うことが、不満解消の糸口だろう。
●関連サイト
一条工務店「共働き夫婦の家事シェアに関する意識調査2024」
LIXIL「料理にまつわる家事に関する意識調査」
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