「九死に一生を得る」とはどんな意味?その類義語は?
危険な場面で使用する言葉、それが「九死に一生を得る」です。
しかし、この言葉はどのような状況を意味するのでしょうか。
この記事では「九死に一生を得る」がどのような言葉なのか、類義語を含めて解説・紹介します。
「九死に一生を得る」とは
ここでは「九死に一生を得る」の意味を解説します。
「九死に一生を得る」の意味
「九死に一生を得る」はほとんど命が助かりそうもないところをかろうじて助かることを意味する言葉です。
現代では追い込まれた状況から一転して救われる意味でも使用されます。
ピンチを何とかギリギリのところで切り抜けたような場面を「九死に一生を得た」と表現することもあります。
「九死に一生を得る」の用い方・例文
「九死に一生を得る」は奇跡的に助かったような場面で使用します。
・例文1:マンションが火事になったものの、部屋が非常口の隣だったこともあってすぐに逃げることができた。九死に一生を得るとはこのことだ。
・例文2:飛行機で心肺停止の状況に陥ったが、医者と看護師が同乗していたことで九死に一生を得た。
・例文3:仕事で取り返しのつかないミスをしたと思ったが、同僚にサポートしてもらって九死に一生を得ることができた。
このように「九死に一生を得る」は追い込まれた状況から奇跡的に助かった場面で使用します。
本来は命が助かることを意味しますが、現代ではピンチを切り抜けた際にも使用する言葉としても使用されています。
「九死に一生を得る」の成り立ち
ここからは「九死に一生を得る」の成り立ちを解説します。
「九死」とはどんな状況?
「九死」は、全体を10回とした際に9回は死んでしまうような、ほとんど命が助かりそうもない危ない状態を意味する言葉です。
10回中9回死んでしまうというのは確率に換算すると90%となります。
つまり「九死」はほとんど助かる見込みのない状況を意味する言葉なのです。
「一生」とはなにをあらわす?
「一生」は、全体を10回とした際に1回は生き残れるような、奇跡的に命が助かるような幸いな状態を意味する言葉です。
10回中1回生き延びるというのは確率に換算すると10%となります。
つまり「一生」それくらい奇跡的な状況を意味する言葉なのです。
なお、ここでの「一生」は人生という意味ではなく一命という意味があるので注意しましょう。
「九死に一生を得る」の類義語
ここからは「九死に一生を得る」の類義語を紹介します。
死中に活を求める
「死中に活を求める」は、死を待つより他にないような絶望的な状態の中にあっても生きるべき道を探し求めることを意味する言葉です。
その点が「九死に一生を得る」と通ずるのではないでしょうか。
ただ、この言葉は難局を打開するためにあえて危険な状況の中に飛び込んで行くことの意味でも使用されます。
その由来は古代中国の書物「後漢書-公孫述伝」にあります。
時代を遡ること1世紀、後漢王朝が成立したばかりの中国。
蜀という国で独自の勢力を築いていた公孫述は、後漢王朝の軍隊に攻め込まれるという危機的な状況に追い込まれてしまいます。
その際、公孫述が部下の延岑にどうすべきか尋ねたところ「男児、当に死中に生を求むべし」という答えが返ってきたとのことです。
この言葉は「男なら、死を待つような状況でも生き残る方法を探すべきである」ということを意味します。
そこで公孫述は財宝をはたいて決死隊を募り、見事奇襲に成功したのでした。
転じて、ただ死を待つしかない場面でも生きる道を探し求めることの意味で「死中に活を求める」という言葉を使用するようになったとされています。
刀下の鳥林藪に交わる
「刀下の鳥林藪に交わる」は、九死に一生を得て蘇生の思いをする例えです。
「蘇生」とは生き返ることや息を吹き返すことを意味します。
つまりはピンチを乗り越えて蘇ることを意味する言葉です。
その点が「九死に一生を得る」と似ているのではないでしょうか。
なお、言葉自体は切り殺されようとした鳥が逃れて林や藪の中で遊ぶことを意味しています。
転じて、ピンチを切り抜けて盛り返すような意味で使用されるようになったとされています。
まとめ
「九死に一生を得る」はほとんど助かる見込みがないような状況にありながら助かることを意味する言葉です。
現代ではピンチを切り抜けた状況で使用されます。
現代でも頻繁に耳にする言葉なので、ぜひ正しい意味を覚えておきましょう。
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