「十五夜」は満月ではないかも!?お月見の代名詞なのに満月ではないことがありえる理由とは!!

「十五夜」は「お月見」を楽しむ伝統的な行事の1つです。
しかし、必ずしも「十五夜」は満月になるとは限りません。

この記事では「十五夜」がどのような行事なのかはもちろん、満月にならない可能性がある点について解説します。

「十五夜」とは

まずは「十五夜」とはどのような行事なのか解説します。

「十五夜」はいつあるもの?

「十五夜」は秋の真ん中を意味する中秋に「お月見」をするイベントです。

中秋は旧暦の8月15日にあたる日とされ、新暦では日付が前後するのが特徴です。
旧暦と新暦では1年の長さの解釈が異なるので、自ずと「十五夜」も毎年ズレます。

ちなみに、現代の「十五夜」は9月下旬~10月上旬の間にやってきます。

この時期は空が澄んでいて美しい月を拝める日、月も綺麗に見えます。
そのことから、昔は「十五夜」に月を見て秋を感じていたとか。

ただし、行事として扱われるようになったのは平安時代になってからとされます。

もともと「十五夜」の原型である「お月見」は中国から伝わったもので、平安時代に貴族の間で流行したのを転機に庶民にも広まったとされています。

その「お月見」が庶民の間に広まったのは江戸時代に入ってからです。
その後「お月見」の意味合いが「秋の収穫への感謝」へと変わり、庶民に親しまれる行事として広まったとされています。

2030年までの「十五夜」

旧暦の「十五夜」は「中秋の名月」という意味であれば毎年8月15日にやってきますが、新暦の「十五夜」に限っていえば毎年変化します。

以下は「十五夜」の日付を2030年までまとめたものです。

・2023年:9月29日
・2024年:9月17日
・2025年:10月06日
・2026年:9月25日
・2027年:9月15日
・2028年:10月03日
・2029年:9月22日
・2030年:9月12日

以上が直近の「十五夜」の到来日となります。

ただし、月の満ち欠けは一定ではないので「十五夜」と満月のタイミングに関しては必ずしも一致するとは限りません。
その点は注意が必要となるでしょう。

「十五夜」は満月とは限らない!?

ここからは「十五夜」は満月とは限らない点を解説します。

旧暦における年明けとなる日・一ヶ月の出し方

旧暦は月の満ち欠けを基準として1ヶ月の長さを決めていました。

月の満ち欠けの周期は平均しておおよそ29.5日とされています。
そのため、当時の月の長さは29日~30日の間で変化していました。

逆に現在の月の長さは30日~31日であり、同じ12ヶ月でも旧暦と新暦とでは1ヶ月の長さそのものが変わることがわかります。

仮に12カ月を1年とすると旧暦は約354日となり、実際の1年より11日ほど短くなってしまうわけです。

そのため、昔は約3年に一度「閏月」を作り1年13ヶ月となる年を設けていました。

つまり人工的に暦と季節の調整をすることで、年明けとなる日も3年に一度調整していたというわけです。

月齢の変化と一ヶ月には差異がある

「十五夜」は「旧暦の15日目の夜=新月から数えて15日目の夜」を意味します。

ただし、新月から満月になる周期は14日~16日の間で変化するのが特徴です。

それゆえ、必ずしも「十五夜=満月」となるとは限りません。
なぜなら、そもそも月齢の変化と1ヶ月には差異があるためです。

旧暦では1か月の月齢を29日~30日と解釈していた一方、月の満ち欠けの周期は約29.5日だったため徐々にズレが生じていました。

現代の新暦も1ヶ月の月齢が30日~31日なので、月の満ち欠けの周期とは微妙にズレています。

「十五夜」の定番のお供え

ここからは「十五夜」の定番のお供え物を紹介します。

月見団子

「十五夜」にはお供え物をして「お月見」するのが定番です。
そのお供え物の1つとされているのが「月見団子」となります。

「月見団子」は「十五夜」において月の満ち欠けを模しており、豊作祈願や収穫祝いだけでなく物事の結実や健康の成就、幸福の実現なども意味します。

そのため、古くから「十五夜」には「月見団子」を供えるのが通例です。

ちなみに「月見団子」は15という数字にちなんで一寸五分(約4.5cm)の大きさで作ると縁起が良いとされてきました。
形は丸くするのが一般的ですが、真ん丸だと死者の枕元に供える「枕団子」に通じることからやや潰すのが良いとされているとか。

このように「月見団子」は「十五夜」の定番のお供えといえるでしょう。

ススキ

「十五夜」には食べ物以外にもお供えするものがあります。
その代表的なお供え物の1つとされているのが「すすき」です。

古くから「すすき」は神様の依り代とされ、稲穂が実る前の「十五夜」に稲穂に見立ててお供えをするのが一般的だったとされています。

他にも「すすき」は鋭い切り口が魔除けになるともされており、「お月見」の後に軒先に吊るすという家庭も見られます。

秋の七草としても知られる「すすき」は白い尾花が稲穂に似ていることから豊穣の願いも込められており、縁起が良いものでもあるようです。

里芋

「十五夜」はもともと里芋をはじめとする農作物の収穫を祝う日でした。

そのため、収穫された里芋そのものをお供えする場合もあります。
実際に「十五夜」には里芋を好んで食べる地域もあります。

地域によってはサツマイモをお供えすることもあるそうです。

まとめ

「十五夜」は満月を眺めて過ごす「お月見」が定番となります。
しかし、必ずしも「十五夜」が満月になるとは限りません。

「十五夜」そのものも旧暦と新暦で日付が変わるため、現代では「十五夜=満月」ではないといえるでしょう。

ただし、秋の夜は空気が澄んでいて月が綺麗に見えることに変わりはないので、ぜひ「お月見」を楽しんでみてはいかがでしょうか?

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