【ライヴレポ】韓国SSWアン・イェウン、日本愛満載の初来日公演「今この瞬間も夢を見ている感じです」
韓国のシンガー・ソングライター、AHN YEEUN(
アン・イェウンは有名オーディション番組で準優勝を果たし2016年にデビュー。日本の民謡にも似た声域を持った歌声を武器に、韓国の音楽シーンでは非常に稀な、ジャンルレスな世界観が人気の存在だ。記念すべき初来日は椎名林檎「罪と罰」「丸ノ内サディスティック」の迫力満点なカヴァーからスタート。衝撃的なスタートだったが、外国のアーティストが日本曲を歌う時に感じる違和感は皆無で、相当歌いこなしているなという印象を受けた。それもそのはず、その後のMCでは15年ぐらい椎名林檎をロールモデルとして掲げていると告白し超納得。来日ライヴは長年の夢だったそうで「今この瞬間も夢を見ている感じです」と溢れる想いを日本語で話す姿が素敵だった。
「この曲のおかげで韓国で私の名前を知ってもらった」と代表曲「ホンヨン(홍연/The Red Knot)」「サンサファ(상사화)」に続き、時代劇を想像しながら楽曲制作をするのが好きな彼女が、同じテイストの日本曲として選んで歌ったのは、Every Little Thing「サクラビト」と美空ひばり「車屋さん」。初来日だから代表曲を中心に披露するのかな、という予想はいい意味で崩れ、絶妙な選曲眼のカヴァー曲を完璧に自分らしく歌いこなしていく。
「私は子供の時から日本の文化とか漫画とか音楽が全部好きだったから、歌いたい曲がたくさんありました。」と短いMCのなかでも愛を伝え、韓国ドラマ/Web漫画のOSTからオバケ曲まで魑魅魍魎な世界感で会場を圧倒。カヴァー曲では「ドラマで見て好きになったおしゃれな曲」で「今も大好きです(声大きめ)!」な3曲をチョイス。「米津玄師のLemonは歌っている人が多いから」と「ほら吹き猫野郎」、自身と考え方が一緒でたくさん力をもらったという星野源の「地獄でなぜ悪い」、そして米津玄師/菅田将暉の「灰色と青」を披露した。
後半では昔から好きな日本のミュージシャン2曲をカヴァー。倉橋ヨエコ「沈める街」、たま「電車かもしれない」を原曲と変わらぬ湿度を保ちながら変幻自在な歌声で魅了した。ラストは海がテーマの5曲を披露。ワンピースOST「ビンクスの酒」や童謡調の「문어의 꿈(ムンノエ クム)」と明るい曲を挟み、締めは島の神様を歌った摩訶不思議な「문(ムン/Door)」で”これぞアン・イェウン”を証明して終演した。
「今この瞬間も夢を見ている感じです」「歌いたい(日本の)曲がたくさんありました。」の言葉どおり、アン・イェウンというアーティストを形成してきた日本の音楽愛に強い親近感を覚え、彼女に体するイメージがガラっと変わったライヴになった。この日披露した全21曲中、日本のカヴァー曲は実に9曲。会場の壁にはこの日披露したオリジナル曲の歌詞を自身と日本語の先生で日本語訳したページにリンクできるQRコードポスターも貼られており、言語の垣根を越える施策に初来日公演への強い意気込みを感じた。今回のライヴをきっかけに自身の楽曲への想いはもちろん、日本の音楽愛についてSNSや動画でどんどん発信して欲しい、そして次回はまた違った色を見せて欲しいと願った初来日公演だった。
公演情報
AHN YEEUN FIRST CON[花]
2024年10月11日(金)PLUSWINHALL 大阪
2024年10月13日(日)SUPERNOVA KAWASAKI
アーティスト情報
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