『暮らしの手帖』前編集長・松浦弥太郎がすすめる、第二の人生が楽しくなる47のヒント

『暮らしの手帖』前編集長・松浦弥太郎がすすめる、第二の人生が楽しくなる47のヒント

 人生80歳まで生きるとして、50歳を迎えたならあと30年。100歳まで長生きしたら、あと50年。この先、自分がどんなふうに過ごすかを考えると、ちょっとした不安や孤独、焦りなどを感じる人もいるのではないでしょうか。けれど、50歳を新たな自分を始める転換地点だと捉えれば、人生はこれまでとは違う輝きに満ちたものになるかもしれません。

 エッセイストで『暮しの手帖』前編集長として知られる松浦弥太郎さんは、50歳という現実を受け入れ、これから何をどうがんばっていくかを考えたとき、「少し力を抜いてみよう」という気持ちになったそうです。

 そこでまず自分のコンセプトとして決めたのが、「おもしろく、楽しく、好きなように」というものでした。理想は10歳のころの自分のように打算も計算もなく、目の前にあるおもしろいことに夢中になって、とにかく無邪気に今日を楽しむこと。もちろん、まだまだしっかり働く必要はありますが、「その働き方にもあたらしい働き方があると思うのです」(同書より)と松浦さん。書籍『50歳からはこんなふうに』は、そんな松浦さん流の「あたらしいがんばり方」のヒントが記された一冊です。

 たとえば、50歳を「二度目の誕生日」と考え、自分の「セカンド・バースデー」を祝ってみるのはどうでしょう。一度きりの人生において、49歳までが「前編」で、50歳から死ぬまでが「後編」。「今までの延長で1年ずつ歳を重ねるのではなく、もう一度あたらしく生まれたと考えてみるだけで、『こんなことをはじめてみようかな』と発想が広がって、心と頭が解放されていく気がします」(同書より)というワクワク感は、ぜひとも味わってみたいものです。

 そしてそんな思いはこれまでの固定観念を捨てて、自分の可動域をさらに広げてくれること間違いなし。具体的には、行動の量や移動の距離を増やしてみる、暮らしのリズム(習慣)をデザインする、住環境にこだわってみる、週1日はブランクデーを作る、服や持ち物は高級感よりも清潔感を大切にするなど。同書では松浦さん自身が大切にしているマインドや試してみてよかった方法が紹介されていて、ぜひとも参考にしたくなります。

 アメリカのダートマス大学でおこなわれた調査によると、世界132カ国において年齢と幸せの関係はU字型カーブを描き、48.3歳が幸福度の最も低くなる年齢の平均値だという結果になったそうです。そのため50歳は人生のどん底にいるような気分を味わう人も多いかもしれません。しかし言い換えれば、この先は幸福に満ちた豊かな日々を取り戻すことが可能だとも言えそうです。

 自分の物語の主人公は自分以外にいません。まずは人生後半を歩み始める自分への贈り物として、松浦さんのように新たなコンセプトを考えるところから始めてみるのはいかがでしょうか。

[文・鷺ノ宮やよい]

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