【神奈川県小田原市】小田原城近くの史跡整備予定地で公共空間活用の実証実験。ピクニックセットなど貸出も
コトラボと小田原市都市政策課は、10月1日(火)~11月10日(日)の期間、小田原城近くの史跡整備予定地にて、公共空間活用の実証実験「ステキなみちくさ」を実施。期間中、普段使われていない公共空間が“みんなの広場”になる。
実証実験「ステキなみちくさ」
「ステキなみちくさ」は、小田原城周辺三の丸エリアの史跡を含む公共空間を市民が日常的に過ごせる空間にできないか?、という目的からスタート。実証実験の実施は、今回で3回目となる。
1回目は、2023年12月16日(土)~20日(水)の期間、お堀の近くにある2つのポケットパークを活用し、1つはキッチンカーで飲食が楽しめる空間、もう1つは子ども達が遊べるプレイパークを創出。子育て世代を中心に多くの人がみちくさする光景を作ることができたそう。
2回目は、今年3月24日(日)~4月7日(日)の期間、弁財天通り沿いの史跡整備予定地の芝生にて桜の時期に多く訪れる花見客に対して、ゆったりとくつろげる空間を用意。当時この場所が蓮池であったことにちなんで作成した蓮の葉・花マットの貸出も行った。
また、キッチンカー事業者に対して出店料を徴収し、将来的に街づくり資金として活用することが可能かどうかの収益化の実験も実施した。
空間を楽しめるアイテムを貸し出す棚を設置
3回目となる今回は、前段階として、市民と一緒に公共空間の活用について考えるまちづくりワークショップ「おだわら・街・妄想ワークショップ」を実施。高校生や子育て世代、シニア世代など様々な市民が参加し、話し合いで終わるのではなく、実証実験として形にすることをゴールとして、公共空間の活用について妄想するようにアイデアを出し合った。
その結果、子どもたちだけでなく、多くの世代がくつろぎ、楽しめるようなアイテムを貸し出せる棚を設置することに。棚は、地元の一級建築士事務所・nias(ナイアス)に依頼した。
この棚は、「棚に集まる」をコンセプトに、ただ物を収納するのではなく、イスやテーブル、日よけなどの機能も兼ね備えている。棚には、「Play」「Training」「Relax」という3つのテーマを用意し、ピクニックセットやビーチボール、ヨガマットや椅子など、この場所にくれば誰もが楽しめるようなアイテムを多数収納する予定だ。
今回の実証実験へ向けて、前の1か月間を事前準備期間として設定。妄想ワークショップ参加者を中心に石拾いなどの環境整備や、アイテム棚の塗装などを行い、ワークショップから継続した関係性をつくり、実証実験に向けて共に準備を行った。
コトラボは、今回の実験を通して、居心地の良いまちなか、行きたいと思うまちなかを模索し、街へと実装していくことで、より魅力的な街へと変えていき、新しい賑わいを生み出していければ、と考えている。また、小田原市都市政策課と共に、この結果を踏まえ、街の魅力づくりにつなげていくことを計画しているようだ。
まちづくりや地域活性化に取り組むコトラボ
コトラボは、まちづくりや地域活性化事業を展開している会社。2005年から横浜市寿地区の空き部屋を活用し、街全体を一つの宿と見立てた「yokohama hostel village」を運営している。
また、シェアカフェ&シェアハウスとして空き家活用とその担い手支援を目的とした「bluff-terrace」も推進中。松山市三津浜地区では、空き家バンクの運営を通して、新たな地域の賑わいづくりや地域で地域のまちづくり資金を捻出するコミュニティアセットプロジェクトなどを実施。
埼玉県熊谷市では、中心市街地を流れる星川周辺の活性化を行うために、地元若手メンバーとまちづくりを行っていけるコミュニティづくりから始まり、星川夜市の立ち上げ支援や実証実験を前提としたワークショップ熊谷・まち・妄想ワークショップなどを実施している。
同社は、2008年に横浜文化賞文化・芸術奨励賞、2017年に第10回まつやま景観賞、2019年に自治体学会賞(田村明まちづくり賞)を受賞した。
普段使われていない公共空間を、市民のアイデアで“みんなの広場”に変えていく取り組みに注目したい。
■実証実験 ステキなみちくさ
期間:10月1日(火)~11月10日(日)
時間:10:00~17:00
場所:弁財天通り沿い史跡整備予定地(城内1-24)※将来的に史跡として整備する予定の土地
コトラボURL:https://koto-lab.com
(Higuchi)
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