【宮城県旧豊里町(登米市)】暮らしと北上川を身近に感じながら
日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、宮城県旧豊里町(登米市)を写真とともに紹介する。
Vol.309/宮城県旧豊里町(登米市)
旧米山町の次に訪れたのは、旧豊里町だ。まずは陸前豊里駅へ。「陸前」という接頭語がつくことに対して、「あっ!」とも思った。もしかすると、気仙沼や陸前高田が近づいているのではないか……。陸前国は宮城県と岩手県南部を占めた国の地名だが、気仙沼や陸前高田などでは、より身近に感じる言葉だ。
実際に、道路の標識でも「南三陸」や「気仙沼」という地名が出てくるようになった。今日は行かないけれど、ここから太平洋も、だいぶ近そうだ。
陸前豊里駅からは、北上川河川歴史公園にある、鴇波洗堰(ときなみあらいぜき)という、北上川と旧北上川の分流の堰を訪れた。北上川と旧北上川のゆったりした流れは素晴らしくて、かつて水運でまちが発展したことを忍ばせる。
また、カブで走っている道中、右腕の肘あたりにクマバチがパチンと当たって、大きな衝撃だったので、「およぉ!」と声が出た。マリオカートで前方から緑甲羅を当てられたときの感覚に近いかもしれない。
北上川河川歴史公園は北上川のスケールの大きさを直接感じることができ、鴇波洗堰は流れている音が気持ち良かった。それに、この近くで船釣りをしている人たちがいて、ちょうど大きな魚を釣り上げていた。スマホで記念写真撮っていて、なんだかよかったなあと。いろんな目的でその土地へ訪れている人がいる。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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