映画『威風堂々~奨学金って言い方やめてもらっていいですか?~』池田朱那&吉田凜音インタビュー 「奨学金という言葉しか知らない方や親御さんたちに観てほしいです」
なるせゆうせい監督・脚本による社会派映画シリーズ第三弾『威風堂々~奨学金って言い方やめてもらっていいですか?~』が現在公開中です。
本作は奨学金がテーマであり、いわゆる奨学金問題に直面した若者たちの姿を、リアルなエピソードを交えて描いた作品です。
主人公の唯野空役の池田朱那さん、大学で知り合った同期・九頭竜レイ役の吉田凜音さんにお話を聞きました。
■公式サイト:https://www.ifudodo.com/ [リンク]
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●奨学金をめぐる生々しいエピソードに驚かされましたが、おふたりは物語の最初の印象はいかがでしたか?
池田:奨学金という文字のイメージから、半分ほど返せばいいのかなくらいに勝手に思っていたのですが、実質は借金という制度の現実を知りました。わたしも自分が演じる唯野空の感情と同じだから、その気持ちは大事に演じようと思いました。なのでこれから奨学金を利用しようと思っている方、その親御さんたちに伝えられるものは大きいかなと思いました。
吉田:わたしも言葉だけ知っている状態でした。わたしが演じる九頭竜レイは池田さん演じる唯野空にパパ活を紹介するのですが、そういったやり方で返済している人がまったくいないわけではない世界だということも、とてもリアルに感じました。それをコメディー要素を含めて描いていく作品なのですが、奨学金という言葉しか知らない方にまず観てほしいと思いました。
●唯野空と九頭竜レイ、演じられた役柄については、どのように受け止めましたか?
池田:空は…ちょっとポンコツです。なので行き当たりばったりで、社会に対する恐怖心がありながらも、分からないからどんどん突き進んでしまうんです。わたし自身は等身大の女の子で演じようと思っていて、そのほうが共感してもらいやすいですよね。彼女の目線で奨学金の本質などを観てもらいたかったので、気負うことなく演じようとしました。
吉田:レイは、今どきの子って感じです。2023年、2024年くらいの大学生であり、同じ年でも先輩っぽい感じで気が強く、男勝りな性格の女の子でもあります。自分がしていることは正しいと思っているので、自分が仲良くなった子にも「やったほうがいいよ」と勧めちゃうような。芯が通っていて、自分の生き方が正しいと思っているキャラクターです。
●実体験としては経験がないと思いますが、どのような準備をして撮影に臨まれたのでしょうか?
池田:演じる上での準備の段階でわたしと空とではあまり共通点がなかったので、人の実体験を調べてみたり、その方の感情を参考にして、わたしが空として出してみたりしました。なので演じている時はメッセージがみなさんに伝わるように、とは思っていなかったのですが、結果的にどこにでもいそうな女の子になっていたので、よかったかなとは思います。
吉田:パパ活について今回の作品で初めてよく調べたのですが、レイは奨学金を借りている上でパパ活で返せるからいいだろうというバイブスで生きている女の子だから、そのことだけをインプットして演じようと思いました。レイが日々どういう気持ちでいたのかは難しいと思ったので、パパ活があれば何でも出来るという気持ちを大切に挑んでいました。
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●映画を観ようと思っているみなさんにメッセージをお願いいたします。
池田:若い人はこれを観て奨学金の制度を知ってほしいことはもちろんですが、これから奨学金のことを検討するであろう親御さん、それこそ今奨学金を返済してるであろう20代、30代、40代の方には、この映画を観てうっぷんを晴らしてもらいたいです。「分かる!」と共感出来ることがあると思います。
吉田:どの世代が観てもいろいろな視点で共感出来ると思いますし、また「そうだったのか!」と思うことがどこかで絶対ある映画だと思います。なかなかこういう映画はないと思うので、こういう世の中だからこそ起こっていることがあると、新しいことを知るという意味でも観てほしいです。重たくなく面白く収まっている映画だと思うので、ぜひ観てください。
■ストーリー
特にやりたいことも夢もなかった高校3年の唯野空(池田朱那)は、将来の保険として大学進学の道を選んだ。と同時に借金を背負った。大学生の二人に一人が使ってると言われる【奨学金】という美しいネーミングセンスの借金を…。
大学進学後、実家に居心地の悪さを感じつつあった空は彼氏の蛭間拓人(簡秀吉)の提案で同棲生活を始める。
奨学金の返済に加え、生活費は嵩む一方…普通にバイトをして稼いでも、奨学金を返し終わるのはアラフォー。
現実から逃れたかった空は、大学で知り合った異色な同期・九頭竜レイ(吉田凜音)と水江聡太(田淵累生)の影響を受け、”とあるアルバイト“を始めることに。
果たして彼女が突き進んだ先には何が待ち受けているのか…。
もがきながら今を必死で生きていく大学生のリアルを描いた、ダーク青春カタストロフィー。
公開中
(執筆者: ときたたかし)
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