【ライヴレポート】2024年も乃木坂の夏はやっぱ神宮だな──乃木坂46〈真夏の全国ツアー2024〉@東京・明治神宮野球場

【ライヴレポート】2024年も乃木坂の夏はやっぱ神宮だな──乃木坂46〈真夏の全国ツアー2024〉@東京・明治神宮野球場

2024年9月2日〜4日の3日間にかけて、乃木坂46〈真夏の全国ツアー2024〉のツアーファイナル公演が東京・明治神宮野球場にて行われた。オトトイでは、その千秋楽となるDAY3の模様をレポートする。

7月20日に京セラドーム大阪にて開催された、大阪公演を皮切りに、愛知・バンテリンドームナゴヤ公演、そして今回の東京・明治神宮野球場の7公演で計26.5万人を動員した〈真夏の全国ツアー2024〉。明治神宮野球場という場所はこれまで数々の伝説をつくってきた、いわば乃木坂46にとっての聖地。開演前には、そんな聖地でのライヴを心待ちにしている多くのファンが集まっていた。ステージには、お城を模したセットが組まれ、大きなインパクトを与えていた。

定刻を迎えると、「ドン!賀喜遥香です!柴田柚菜です!」という4期生コンビによる「乃木坂工事中」のOP風挨拶から影ナレが入る。さらに「神宮!盛り上がっていけんのかー!」と叫び、開幕を告げる“OVERTURE”とともに、ライヴがスタート。

【ライヴレポート】2024年も乃木坂の夏はやっぱ神宮だな──乃木坂46〈真夏の全国ツアー2024〉@東京・明治神宮野球場
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プリンセスのような衣装に身を包んだメンバーがスクリーンに映し出されると、会場は一気にヒートアップ。セットリストの1曲目は、先日リリースされたばかりの最新シングル“チートデイ”。曲がはじまるや否や、メンバーはトロッコおよびフロートでのアリーナを周回。センターを務める井上和が「今日は私たちと一緒に幸せな思い出を作っていきましょう!」と叫ぶと、大歓声が響いた。

メンバーはさらに、“太陽ノック”、“裸足でSummer”、“君に叱られた”、“ジコチューで行こう!”と乃木坂の鉄板夏曲を乱れ打ち。少し涼しくなったような9月の空気を一気に灼熱へと変貌させた。

MCでは、恒例の挨拶から、キャプテン梅澤美波が「今宵は私たちのお城へようこそ!私たちがプリンセスとなってみなさまを楽しませます!」と宣言すると、期別曲のブロックへシームレスに突入。まずは5期生が“17分間”を披露。フレッシュな輝きを放つとそれに続くように、4期生はグループきってのキラー・チューン“I see…”をパフォーマンス。地鳴りのような歓声が神宮球場を揺らす。このブロックの最後は、3期生による“三番目の風”。曲間には、9月4日に加入記念日を迎える3期生メンバー全員でひとりひとり言葉を紡ぎ、乃木坂46として過ごした8年間への想いを伝えた。

【ライヴレポート】2024年も乃木坂の夏はやっぱ神宮だな──乃木坂46〈真夏の全国ツアー2024〉@東京・明治神宮野球場
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続くMCでは、3期、4期、5期の期別での3姉妹という設定で「真の乃木坂プリンセスはどの期なのか?」というテーマでの寸劇を披露。そこからの“Threefold choice”では、プリンセスバトルという趣向で、「真の乃木坂プリンセス」の座を争っていく。中間には、各期の代表(井上、遠藤、梅澤)でのアピール対決が行われ、異様な盛り上がりを見せた。バトルの結末は、梅澤のアピールによって、大きな歓声を集めた3期生が優勝。先輩としての威厳を見せつける結果となった。ライヴはその後もメンバーはフロートでアリーナを周回しながら“Am I Loving?”を披露。会場に集まったファンに向けて大きな愛を伝えた。

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矢久保美緒による、遠藤さくらへの愛が全開のMCのコーナーのあとは、ユニットブロックへ。まず最初は久保史緒里、林瑠奈、奥田いろはの3人による“設定温度”。歌唱力に定評にあるメンバーの圧巻の歌声が明治神宮野球場に響いた。続いて披露されたのは、伊藤理々杏、中村麗乃、吉田綾乃クリスティー、柴田柚菜、筒井あやめによるアンダー楽曲“あの日僕は咄嗟に嘘をついた”。5人はセンターステージで、エモーショナルなパフォーマンスを見せた。

【ライヴレポート】2024年も乃木坂の夏はやっぱ神宮だな──乃木坂46〈真夏の全国ツアー2024〉@東京・明治神宮野球場
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ユニットブロック3曲目は、与田,賀喜,五百城,小川の4人が卒業した西野七瀬のソロ曲“ごめんね ずっと…”を熱唱。会場中が、西野のサイリウムカラーである緑色で彩られ、ファンの愛を感じさせた。このブロックのラストは、井上和、中西アルノのふたりが美しいピアノ・アレンジで歌う“絶望の一秒前”。普段は5期生全員で歌う楽曲である。「乃木坂46の5期生」という大きなうねりのなかで、プレッシャーの中をもがき続けたふたり。このタイミングで、このふたりだけでこの曲を歌うのには大きな意味があるように思えた。ふたりにしかわからないであろう、これまでの苦労やいろんな想いがこの曲にこめられているような気がして、見ていて涙が止まらなかった。

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4期生の弓木奈於が摩訶不思議なワードセンスを繰り出して進行するMCゾーンを挟み、続いては映像コーナーでメンバーが彼女感を演出すると、今度は浴衣に着替えたメンバーが登場。“あらかじめ語られるロマンス”、“ロマンティックいか焼き”、“君が扇いでくれた”をメドレーでパフォーマンスすると、観客はメロメロになっていた。

【ライヴレポート】2024年も乃木坂の夏はやっぱ神宮だな──乃木坂46〈真夏の全国ツアー2024〉@東京・明治神宮野球場

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メンバーはさらに、“自惚れビーチ”を奥田いろはセンターで全員でパフォーマンス。大きなシンガロングで客席と一体感を生み出していく。そこから「神宮ラストー!全員行くぞー!」と、卒業した白石麻衣、山下美月の想いを引き継ぐような煽りで、一ノ瀬が絶叫し、“ガールズルール”をパフォーマンス。さらに池田瑛紗と小川彩の5期生コンビがWセンターを務める“ひと夏の長さより…”へと繋ぎ、忘れられない夏の思い出を作り上げた。

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ライヴはここから後半戦。続いてのブロックで披露されたのは、36thシングル「チートデイ」のアンダー楽曲“落とし物”。黒を基調とした衣装に身を包んだアンダーメンバーの迫真のパフォーマンスが楽曲の世界観を際立たせた。そこからダンスセクションをはさんで、“Wilderness world”へ。煌びやかな光の演出に負けない、彼女たち自身の輝きがそこにあった。このブロックの最後は“ActuallY…”。イントロから大きな歓声が沸く。ライヴでは何度も披露されてきたこの“ActuallY…”だが、この〈真夏の全国ツアー2024〉ではこれまでとは違うオーラを放っていた。それはきっと、センターに立つ中西の堂々たる姿からくるものだ。あらゆるプレッシャーを跳ね除け、さらなる進化を遂げたいまの中西に、怖いものなどないのだと思った。

【ライヴレポート】2024年も乃木坂の夏はやっぱ神宮だな──乃木坂46〈真夏の全国ツアー2024〉@東京・明治神宮野球場
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ライヴはここからクライマックス。メンバーはカラフルに点灯するお城や、プロジェクションマッピングの演出をバックに、“おひとりさま天国”を披露。乃木坂城の上空に大きな花火が咲いた。ライヴはさらに、“好きというのはロックだぜ!”、“真夏のFrees&Easy”という真夏の全国ツアー定番の夏曲2曲を爽やかにパフォーマンス。メンバー全員で夏を駆け抜けた。

ここで、メインステージにオーケストラが登場。そしてその生演奏をバックに“シンクロニシティ”を披露。美しい旋律のなかに、メンバーのエモーショナルな歌声が響き、センターを務めた梅澤美波の涙がそっと頬を伝った。さらに“僕が手を叩く方へ”では、会場全体から大きな大きなクラップが鳴る。乃木坂46というグループはメンバーだけではなく、ファンとともにライヴを作り上げているのだと感じさせた。

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ここで、この〈真夏の全国ツアー2024〉の座長を務めた井上和がひとり立ち、言葉を紡ぐ。去年と同じポジションで回るツアーが怖くて、去年よりも成長した姿を見せないといけないなとプレッシャーを感じていたと話す井上。しかし彼女は、メンバーと話すなかで、その不安もなくなったという。井上はさらに「みんなと一緒ならどんなところにだって、いけると思います」「みなさんと過ごした夏、最高に楽しかったし、最高にキラキラしてました」と語った。そして本編最後に披露されたのは“誰かの肩”。誰かに頼ることの大切さを歌った歌をオーケストラの演奏が優しく包み込み、曲の最後には大きな大きな愛の花火が打ち上げられた。

大きな大きな「乃木坂46コール」に導かれるようにここからアンコールがスタートするからに思われたのだが、センターステージに現れたのは、池田瑛紗と小川彩のみ。ふたりの「ここから乃木坂メンバーが気持ち良く登場できるように」という想いで、アンコールのレクチャーが行われた。まずは「乃木坂!」「46!」のオーソドックスなコールから、「自分が言われたいこと」というテーマで、池田リクエストの「大好きだー!」、小川リクエストの「背伸びた?」のコールへと発展。続いて、アンコールのため「もうちょっと!」「やってほしい」と遊んでたところで、3期生の先輩岩本から「これはちょっと恥ずかしいから普通にやってくれる?」とクレームが。ここで再び、「乃木坂!」「46!」のコールへと戻ると、“僕だけの光”でメンバーが登場し、やっとのことでアンコールが始まった。

【ライヴレポート】2024年も乃木坂の夏はやっぱ神宮だな──乃木坂46〈真夏の全国ツアー2024〉@東京・明治神宮野球場
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アンコールはさらに“スカイダイビング”、“ロマンスのスタート”へと展開。キラキラ輝くフロートに乗り込み、メンバーはキュートに笑顔を届けていく。続いて、賀喜遥香、遠藤さくらがWセンターを務める“Monopoly”を披露すると、会場は再び大爆発。曲の終わりには「かきさく」コンビが抱き合い、観客は大いに沸いた。ラストナンバーは乃木坂46にとって大切な楽曲“乃木坂の詩”。会場全体に紫のペンライトが輝き、「乃木坂の夏はやっぱ神宮だな」という想いを感じさせた。

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鳴り止まない「乃木坂46コール」に応えるように、メンバーが再びステージへ。Wアンコールは、1曲目に披露した“チートデイ”。まだまだ楽しいライヴを終わらせたくないかのごとく、元気いっぱいにステージを走りまわる姿が印象に残った。曲間、井上は「ごめんなさーい!」というセリフを「ありがとうございますー!」へと変え、号泣しながらもファンへ感謝を伝えた。

こうして〈真夏の全国ツアー2024〉は大きな愛に包まれながら幕を閉じた。今年は6期生のオーディションも行われ、新しい世代の足音も聞こえ始めている乃木坂46。しかしこれから様々な出会いと別れを繰り返し、どんなことがあったとしても、この乃木坂46というグループと、この聖地・明治神宮野球場で行うライヴの素晴らしさが揺らぐことはない。そう断言できるライヴだった。

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取材&文:西田健
写真:鈴木健太(KENTA Inc.)

フォトギャラリー

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乃木坂46 真夏の全国ツアー2024 神宮公演 DAY3セットリスト

0.OVERTURE
1.チートデイ
2.太陽ノック
3.裸足でSummer
4.君に叱られた
5.ジコチューで行こう!
6.17分間
7.I see…
8.三番目の風
9.Threefold choice
10.Am I Loving?
11.設定温度
12.あの日 僕は咄嗟に嘘をついた
13.ごめんね ずっと・・・
14.絶望の一秒前
15.あらかじめ語られるロマンス
16.ロマンティックいか焼き
17.君が扇いでくれた
18.自惚れビーチ
19.ガールズルール
20.ひと夏の長さより・・・
21.落とし物
22.Wilderness world
23.Actually…
24.おひとりさま天国
25.好きというのはロックだぜ!
26.夏のFree&Easy
27.シンクロニシティ
28.僕が手を叩く方へ
29.誰かの肩

EN1.僕だけの光
EN2.スカイダイビング
EN3.ロマンスのスタート
EN4.Monopoly
EN5.乃木坂の詩

W-EN.チートデイ

-セットリストプレイリスト-
https://nogizaka46.lnk.to/summer_tour2024

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