玉川学園、生徒たちが自然の中で生き抜く「防災サバイバルスキル」を学ぶ

玉川学園、生徒たちが自然の中で生き抜く「防災サバイバルスキル」を学ぶ

玉川学園(東京都町田市)は7月23日~24日、中学1年生(7年生)の男女24人の生徒を対象に、緑豊かな学園のキャンパス内で1泊2日のサマーキャンプを開催。サマーキャンプは同学園の全⼈教育の12の教育信条における労作教育の実践として毎年⾏われています。生徒たちは自然体験活動を通して「防災労作」を実践的に学びました。

今回は防災サバイバル(生き抜く力)の養成を掲げ、アウトドアライフアドバイザーの寒川一(さんがわ・はじめ)さんを講師に招聘。「自然の中で生き抜くためのキャンプスキル」をテーマとして、生徒たちは災害時などに必要な知識やスキルを学び、2日間でたくましく成長しました。

玉川学園では小学6年生~中学2年生(6~8年生)の希望者に向け、毎年夏休みにサマースクールを開講。語学やスポーツ、実験・工作、短歌、玉川アドベンチャープログラム(TAP)といった多岐にわたる講座の中でもキャンプは人気のプログラムとなっています。

今年のサマーキャンプは、玉川学園の木の輪を広げる「Tamagawa Mokurin Project(タマガワ モクリン プロジェクト)」と、同プロジェクトと協定を結ぶ三菱地所ホーム株式会社の木造木質化推進プラットフォーム「KIDZUKI(キヅキ)」が連携する形で実施しました。

生徒たちに向け、寒川さんは講話で「キャンプなどのアウトドア体験には、人が生き抜くためのヒントがつまっている」と伝え、特に自然の中では創意工夫しながら臨機応変に対処することが重要だと訴えました。

講話の中で「いざという時に人に必要なものは?」との問いが出ると、生徒からは「水」「食料」「家」「洋服」「衛生用品」「スマートフォン」「火」「時計」「メンタル」など、思い思いの回答がありました。ここで寒川さんがとりわけ強調したのは「衣食住」の大切さです。

人はこの世に誕生した時、すぐに身体をガーゼなどの柔らかい布に包まれ、次に母乳やミルクを与えられます。この二つがそろった上で、はじめて快適なベッドに寝かせられます。被毛で体温を調節する動物とは違い、人は衣服をまとうことで体温を保ちます。その上で食事を摂り、住まいを確保するのです。こうしたことを説明した上で、寒川さんは、災害時に「衣食住、この順番に命を守れ!」との強烈なメッセージを生徒たちへ届けました。

その上で、人が生きるために絶対欠かせない「水」にフォーカス。フィールドワークでは、キャンプのための火起こしではなく、「防災時に、飲料水を自ら確保する」ための活動を実施。キャンパス内に整備された井戸から水をくみ上げ、ペーパーフィルターでろ過して浄水し、さらに火を起こして煮沸することで安全な飲み水を作る体験などをしました。

苦労して安全な飲料水を手にした生徒たちは、「大変だったけど楽しかった」「自然の水で作ったみそ汁はインスタントでもおいしい」と口々に話し、寒川さんは「今後も大きな災害が起こりうる中で、これから長く生きる子どもたちはもちろん、全人類にとってこうした経験は必要ではないか。動画やネットからでも情報は得られるが、その感覚や感触みたいなものは、体験した人にしか分からない。自分たちでやり遂げたという経験が少しずつ自信となり、それが“生きる力”につながっていく」と語りました。

貴重な十代の夏休みに、玉川学園の生徒たちは防災への意識をより高め、自分たちが森で採取した燃料で火を起こし自然の水から安全な飲料水を得るという経験を通じ、サバイバルスキル=「生きる力」を育むことができました。

【世界初の実証実験などを通して環境保全に貢献できる人材を育成「Tamagawa Mokurin Project」】
https://www.tamagawa.jp/sdgs/article/detail_010.html

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