2024年8月4日、北の鉄腕が新たな金字塔を打ち立てた。ホークス対ファイターズ(みずほペイペイドーム)、1点リードの8回に2番手で登板。先頭の代打牧原大選手に右前打を許し、続く周東選手は送りバントで1死二塁。ピンチを背負ったが、代打中村晃選手を中飛に打ち取ったところで降板。3番手池田投手が今宮選手を打ち取り、宮西投手が許した走者は残塁となり、プロ野球史上初となる通算400ホールド(今季7ホールド目)が確定した。
ホールドは2005年からセ、パ両リーグで導入。中継ぎ投手が同点もしくはセーブが付く条件を満たす状況で登板して1死以上を奪い、リードを保つか同点のまま降板した場合に記録される。宮西投手は2008年の入団から14年連続で50試合以上に登板し、18年7月に山口鉄也(巨人)さんを上回るプロ野球新記録の通算274ホールドをマーク。20年8月に350ホールドに到達していた。
宮西投手と言えば、ファイターズファンから「偉人」と呼ばれるほどの存在。ピンチの場面で登板し、無失点で抑えた際にはSNSで「銅像を建てろ」というコメントで溢れる。400ホールド達成後には宮西投手自身もインスタグラムで新庄監督に「銅像の件よろしくお願いします」と書き込みをしており、本人や選手たちの間にも伝わっていることがわかった。
2023年から本拠地を自前球場であるエスコンフィールドHOKKAIDO(以下、エスコン)に移したファイターズ。その周辺もFビレッジとして球場を中心にした街づくりに注力しており、銅像を建てられる土地はたくさんある。今回は本当に銅像を建てるならどこが良いのか、ファイターズを愛する筆者が本気で考えてみた。
屋外には設置したくない…ファンに見てもらえる場所…ならばやっぱり球場内だ!
コカ・コーラゲート前の広場。ここに銅像が建てばかなり映えそう
まず考えたのは「屋外での設置」だ。先述した通り、スタジアムだけではなく、エスコン周辺にも十分なスペースがあり、各ゲートの前の広場はかなり適した場所だと思う。しかし、我らが偉人を雨や雪にさらして良いのだろうか? 除雪もしているが、冬にはかなりの量の積雪があり、銅像の傷みも早まってしまいそうだ。ということで、場所はスタジアム内ということにしよう。
冬のFビレッジ内の様子。
そして次に大切なのは「いかに多くのファンの方に気軽に見てもらえるか」。なので特別なチケットが無いと入れないシーズンシートのエリアやラウンジ、スタジアムツアーでしか行けないような場所もやめた方が良い。
候補1:本命か!?「ヒストリーエリア」
本命として考えたいのは、1階1塁側にある「ヒストリーエリア」。ファイターズの前身である日本ハムファイターズが誕生した1974年以降のハイライトが壁面に描かれており、球団の歴史が感じられるエリア。エリアコンセプトにも合っているし、スペースも広いので記念撮影に人が集まっても大丈夫そうだ。
コカ・コーラゲートから入場し、右手のエスカレーターを降りた場所にあるヒストリーエリア。球場に入って序盤に出会う場所なので、ここに銅像が建てば多くの人に見てもらえるだろう。
候補2:テレビにも映る「FIGHTERS LIVE FIELD・GAORAブース」
次に推したいのが「FIGHTERS LIVE FIELD・GAORAブース」。ヒストリーエリアから進んでいくと現れる、実況席のブースだ。エスコンでは実況席はライトのファウルゾーンのスタンド部分にあり、勝利すると中継の最後はファンと一緒に喜びを分かち合う様子も放送される。「いかに多くのファンの方に気軽に見てもらえるか」を考えると、球場になかなか足を運べないファンの方にも中継を通して見てもらえる場所が最適ではないか。
周囲には十分なスペースがあり、それほど大きくない銅像なら中継にも支障が無さそう。しかし記念撮影のために多くのファンが集まってしまうと中継の邪魔になってしまいそうだ…。
候補3:めっちゃ広い「F NEOBANK GATEを入ったところの空間」
最後は三塁側「F NEOBANK GATE(エフネオバンクゲート)」を入ったところ、フラッグシップストアなどがある周辺の広い空間だ。良い写真が無かったので行ったことがない方には広さが伝わらないだろうが、こちらはファンフェスの際にマスコットキャラクターがイベントをしたり、ファイターズガールがダンスを披露したりと、動線以外にも多目的な用途で使われている。
広い空間なので人が集まっても邪魔にならないし、帰り際にサッと写真を撮って帰る、や待ち合わせ場所としても使ってもらえそうだ。
この3か所はかなり現実的ではないかと考える。宮西投手が引退してから……なんて言わずに球団にはすぐにでも銅像を作ってほしいと思う。小さい銅像を400個球場内に設置するというのも面白そうだ!
(Written by 大井川鉄朗)