50代からの中古リノベは「小さく広くシンプルに」。中古マンション約61平米を2LKDから1LDKへ インスタグラマーmiyuさん

50代からの住み替えは「小さく広くシンプルに住まう」リノベ

転勤生活が一段落した50代、子どもが独立して夫婦二人暮らしが始まるとき、どんな住まいを選びますか?Instagram「小さく住まう」(フォロワー4.4万人・2024年6月19日時点)を運営するmiyuさん夫妻(50代)は、築29年・約61平米の2LDKの中古マンションを購入、自分たちにフィットする1LDKにフルリノベーションして、二人暮らしを始めました。その「小さい住まいで広々と、シンプルで素敵に暮らす」ライフスタイルに憧れるフォロワーさんが多くいます。

戸建て派から「中古マンションを買ってフルリノベーション」を決意

夫が転勤族で日本全国を転々とし、単身赴任の時期もあったmiyuさん夫妻は、夫の定年が近づいて夫の実家がある広島県に戻ったタイミングで、持ち家で落ち着こうと考えました。

「以前は壁を隔てて隣に人が住む集合住宅より一戸建て志向でしたが、転勤でいろいろな住まいを経験して、ワンフロアで暮らせるマンションは掃除も管理もラクなのかな、と思うようになりました。また、広い一戸建てに住んでいる実家の両親が、高齢になり階段の上り下りが大変で2階はほとんど使わずモノを置いているだけで、広い庭も家も管理しきれないのを見て、考えが変わりました。将来を考えると、草むしりをする必要がない、窓を開けっぱなしで外出しても比較的安心なマンション住まいがいいのではないかと」(コメントは全てmiyuさん)

また、広島県は山が多く、求めやすい価格の一戸建ては山に囲まれた郊外になり、交通や生活の利便性が高い平地に住むなら、一戸建てよりマンションが現実的だそう。

「リフォームやリノベーションは壁紙を張り替えたり、水回りを交換するくらいのイメージでした。でも、数年前に中古マンションを買った同僚が、キッチンをアイランドキッチンにして回遊動線にしたり、天井からハンモックを吊るしたり、建具を変えたり大規模なリノベーションをしたと聞いて、そこまで自由にできると知って驚きました。それからリノベーションが得意な建築会社のホームページや冊子を見て、個性的な事例を隅から隅まで見てはまりましたね」

ナチュラルカラーで統一した明るいリビングと寝室(画像提供/miyuさん)

ナチュラルカラーで統一した明るいリビングと寝室(画像提供/miyuさん)

そして、自分たちの暮らしに合わせてフルリノベーションすることを前提に、中古マンションを探すことにしました。毎日不動産のWebサイトを見ていて、今のマンションは休日の朝に見つけて、すぐに電話をかけて内覧して1時間後には購入を決めました。立地が良く、築29年でも構造がしっかりしていました。

「新築マンションに比べて費用を抑えられる中古マンションにした分、リノベーションにお金をかけることができました。新築マンションと同じ価格でも、中古マンションをスケルトン状態にすれば、間取りも内装も自由にできる内容が多く、9割近くやりたいことができました」

「使う部屋だけつくろう」と2LDKを1LDKに間取りを変更

Miyuさん宅の間取りを見ると、水回りの位置は変えないだけで、ほぼフルリノベーションです。開放廊下側の洋室をなくした分、玄関を広くして収納スペースを設けました。

左は購入時の2LDKの間取り、右はリノベーション後の間取り(間取図面提供/MAEDAHOUSING)

左は購入時の2LDKの間取り、右はリノベーション後の間取り(間取図面提供/MAEDAHOUSING)

「一般的なマンションは、玄関からリビングまで室内廊下を設けて、その両側に洋室がある間取りが多いですが、開放廊下に面した洋室は人が通るのが気になったり、北側で陽が入りにくかったりで、こちら側には洋室はいらないから収納にしようと。リビング・ダイニング・キッチンと寝室、自分たちが使いこなせる部屋だけつくろう、物置き場になってしまう部屋はいらないと思いました。

また暗くなりがちな玄関は明るくしたいのと、2人ででかけるときに靴を履くのが順番待ちになるのが嫌だったので、土間のように間口を広げて、ちょうどできた凹みの部分にベンチをつくりました。高齢になった親を見ていると玄関にベンチがあると靴やブーツなどを履くのが楽ですし、荷物が届いたときに一時的に置いておくのも便利です」

日中は光がたっぷり入る明るい玄関と玄関収納。右にベンチ(画像提供/miyuさん)

日中は光がたっぷり入る明るい玄関と玄関収納。右にベンチ(画像提供/miyuさん)

中部屋のビフォー・アフター。和室を洋室に変更(画像提供/miyuさん)

中部屋のビフォー・アフター。和室を洋室に変更(画像提供/miyuさん)

ダイニングのビフォー・アフター。天井が高く感じるよう照明をダウンライトに(画像提供/miyuさん)

ダイニングのビフォー・アフター。天井が高く感じるよう照明をダウンライトに(画像提供/miyuさん)

住戸を細かく区切っていた壁を取り払った(画像提供/左はMAEDAHOUSING、右はmiyuさん)

住戸を細かく区切っていた壁を取り払った(画像提供/左はMAEDAHOUSING、右はmiyuさん)

また、床の段差をなくし、暖かく冷暖房の効きが良くなる二重サッシを採用したことで、グンと暮らしやすくなりました。

キッチンを独立型から対面式に、家事動線もラクに

キッチンは、暗く閉塞感があった独立型の壁付けキッチンからリビング・ダイニングを見渡せる対面式に。コミュニケーションが取りやすく、キッチンに立ちながらテレビも見られます。また、背の高い収納はやめて、背面収納やシンクの上の吊戸棚をなくしたのも工夫の一つ。地震が多い地域に住んだ経験から、上から物が落ちてこないようにという対策です。また高齢になると身長が縮むこともあるかもしれないと考えて、椅子に上がって物を出し入れしないで済むようにしました。

独立型の壁付けキッチンをオープンな対面式に。ただし手元は見えないように立ち上がり(ちょっとした壁)も設けた(画像提供/左はMAEDAHOUSING、右はmiyuさん)

独立型の壁付けキッチンをオープンな対面式に。ただし手元は見えないように立ち上がり(ちょっとした壁)も設けた(画像提供/左はMAEDAHOUSING、右はmiyuさん)

「キッチンのすぐ横にダイニングテーブルを置いたら、配膳や後片付けがすごくラクになりました。キッチンと洗面所の扉を開けておくと、料理しながら洗濯機を回すこともできますし、買い物から帰ってすぐに冷蔵庫に食品をしまったり、インターホンが鳴っても玄関に出やすいのですごく楽ですね」

ダイニングテーブルからキッチン、さらに洗面室、浴室へ横移動でつながる。白い格子窓(写真右上)が可愛い(画像提供/miyuさん)

ダイニングテーブルからキッチン、さらに洗面室、浴室へ横移動でつながる。白い格子窓(写真右上)が可愛い(画像提供/miyuさん)

寝室をガラス張りにして明るく開放的に

Miyuさんのお住まいで特徴的なのが、ガラス張りの寝室。中の部屋を明るくするにはどうしたらいいか考えていたとき、ネットで見た海外の部屋が気に入り、ぜひ採り入れたいと希望しました。コーナーが両開きになるガラス戸を開ければ、リビング・ダイニングとひと続きになり、空間が広がります。来客があってもきれいにしておけば見えても困らない、むしろ「見せる部屋」になっています。

クリアガラスに囲まれ、戸を閉めても開放感がある寝室(画像提供/miyuさん)

クリアガラスに囲まれ、戸を閉めても開放感がある寝室(画像提供/miyuさん)

リビング・ダイニングと一体になり広々(画像提供/miyuさん)

リビング・ダイニングと一体になり広々(画像提供/miyuさん)

寝室の隣に設けた、玄関ホールに抜けるウォークスルークローゼットはモノをつめこみすぎず、風通しの良い収納空間が気持ちいいです。嫁入り道具の婚礼家具は悩んだ末、時代に合わせて処分しました。

夫婦の衣類をまとめて収納するウォークスルークローゼット(画像提供/miyuさん)

夫婦の衣類をまとめて収納するウォークスルークローゼット(画像提供/miyuさん)

小さくても広く悠々と暮らすコツは取捨選択の見極め

シンプルですっきりしたmiyuさんのお住まい。コンパクトな1LDKでも広く感じるのは、モノがあふれていないから。

リビング・ダイニングには、家具はソファとダイニングテーブルだけで、つくり付けのスタディカウンターと収納棚がひとつだけ。テレビは壁付けにして、アンテナ線やコンセントはテレビの裏に集約、お掃除ロボットや電源ケーブルも表に出さないよう収納の中に入れるようにすることでスッキリ見えます。

「書類が多くて整理が大変だという声を聞きますが、取扱説明書はアプリにまとめて、書籍はKindle、新聞はネットで読むので、絶対必要なモノだけを書類ケースにまとめています。CDやDVDもサブスクで観たり聴いたりできるし、必要になれば買えばいいか、という感じです。冷蔵庫の中の食品も、買いすぎて無駄にしたり無理に食べるより、今は近くにお店もあるし、価値観が変わって新鮮なものをその都度買う方がいいと思うようになりました」

リビング・ダイニングで使うものを収納(画像提供/miyuさん)

リビング・ダイニングで使うものを収納(画像提供/miyuさん)

洗面室は、洗面台と洗濯機の位置を変えて、吊り下げ式の洗濯物干しを設置。洗面台はオーソドックスなものを選び、家電は使わない機能がたくさんあるより、日常で使う最小限の機能があれば十分だそうです。

キッチン(写真右側)から直接出入りできる洗面室兼ランドリールーム(画像提供/miyuさん)

キッチン(写真右側)から直接出入りできる洗面室兼ランドリールーム(画像提供/miyuさん)

キッチンの引き出し。モノの置き場所が決まっているので探し物に時間を費やさない(画像提供/miyuさん)

キッチンの引き出し。モノの置き場所が決まっているので探し物に時間を費やさない(画像提供/miyuさん)

すっきりとした、無駄のない室内。

「よく我が家はスッキリしていると言っていただけますが、転勤で引越しが多く、必要なものと使わないものが明確になっていましたので、徐々にモノを減らしていました。さらに、このマンションに引越すときに不要なものを思いきって処分しました。片付けも特別頑張っているわけではなく、モノを出しっぱなしにしたりするのが落ち着かないから、出したら元に戻すのが習慣になっています。不要なモノがないと、ゆとりのスペースが生まれて、探し物をすることもなく、時間にもゆとりができます」

暮らしにゆとりができて、おいしいものを食べたり、身体を動かしたり、本を読んだり、充実した毎日を過ごしているそうです。

「中古マンション+リノベーション」で自分たちのライフスタイルに合った間取りや設備を手に入れたmiyuさん。子どもが巣立った先の生活を考え始め、本当に必要なモノが分かる50代、60代。捨てるべきはモノではなく、「これがあって普通」という思い込みかもしれません。

目的はモノを捨てたり減らすことではなく、心地良い快適な暮らしを求めた結果、モノを取捨選択するという手段があり、「小さくシンプルに住まう」にたどり着いたmiyuさん。終始笑顔を浮かべて話してくれた中で「気持ちに余裕が生まれて、穏やかな気持ちで生活できています」という言葉が印象的でした。

●取材協力
小さく住まう/miyu さん
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