仙台秋保温泉でスイーツ旅。美味しいと話題のお店を紹介&観光も
日本三御湯(皇室の御料温泉)の一つであり、「仙台の奥座敷」としても愛されてきた秋保温泉。この歴史ある温泉地に感度の高いお店が次々とオープンし、さらに、秋保温泉各旅館の料理長グループ「森のダイニング」による「森の温泉スイーツイベント」が開催されるなど、スイーツ界隈も盛り上がっているらしい……と聞いて、お菓子を愛するスイーツライターchicoがさっそく向かいました。
東京駅を出発
温泉とスイーツの癒やしを求めて秋保へ出発
まずはJR仙台駅へ。JR東京駅から東北新幹線で1時間半ほど。秋保温泉への旅は、「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」を利用するのがおすすめ。新幹線と宿のセットがお得に予約できますよ。
秋保温泉へは、仙台駅からバスを利用すると便利。西口バスターミナル8番乗り場から宮城交通「秋保温泉方面行き」に乗車します。
どんどん緑豊かになる車窓を眺めながら50分ほど。のぞき橋バス停につきました。バス停近くの覗橋(のぞき橋)から下の磊々峡(らいらいきょう)をのぞくと、自然にできたというハート岩が♡。
秋保温泉スイーツ巡り 1/an cafe TAIKICHI
仙台で人気の鯛焼き屋のあんスイーツカフェ
のぞき橋バス停から覗橋を渡ってすぐの「an cafe TAIKICHI」へ。
仙台市内で3店舗を展開する人気鯛焼き店「鯛きち」がプロデュースするあんスイーツがいただけるカフェです。
鯛の形をした最中が愛らしい「自家製クリームあんみつ」を。自慢のあんは、北海道十勝にある契約農家が育てた小豆「きたろまん」を100%使用。宮城県塩竈市で海水をかまどでじっくり炊いてつくられた「塩竈の藻塩」が、あんの旨みを引き出しています。
最中の皮には宮城県産のもち米「みやこがねもち」を、ソフトクリームには蔵王高原のミルクを使用。地元の味を知ってもらいたいと、材料はできるだけ宮城県産を選んでいるそう。
最中にあんやソフトクリームをのせてかじると、「サクサクサクッ」といい音! 驚くほど軽やかに砕け、香ばしさや、もち米の風味が小豆の旨みを際立たせます。乳感あふれるソフトクリームとあんの調和は言わずもがな。プルプルの寒天、もっちりした白玉、粒立つ赤えんどう豆と食感もにぎやかです。
「あんチーズケーキ」もハズせません。北海道産生乳のクリームチーズを使ったベイクドチーズケーキに、やさしい甘さの自家製あんをサンド。ソースはイチゴ、ブルーベリー、スモモ……と季節ごとに変わるそう。
まろやかな口溶けの中、あんのほっこり素朴な風味と甘味に、チーズケーキのやわらかな酸味が重なり、こくまろな味わいに。イチゴソースの甘酸っぱさがいいアクセントになっています。
秋保温泉スイーツ巡り 2/MIDI
コーヒーとスイーツと溢れる緑に身を委ねる
an cafe TAIKICHIからのんびりと温泉地を歩いて15分ほど。小道を進んだ緑の中に、気になっていたカフェは佇んでいました。
「MIDI」は仙台の街をコーヒーで豊かに彩ってきたカフェ「SENDAI COFFEE STAND」(現在は閉店)の佐藤良さんが手がけるカフェ。
建物をぐるりと囲むように横たわる石は、「秋保石なんですよ」と佐藤さん。かつて石切場としても栄えた秋保に今も残る秋保石。石はお店のエントランスにも使われ、温もりを醸し出しています。
大きな扉を開け放すと風が心地よく、縁側でくつろいでいるような、ほっとした、のどかな気分に。
この日は7種ほどのスイーツがラインナップ。タルトやシュークリームなどにも惹かれつつ、新作の「コーヒーロール」を選びました。エスプレッソキャラメルソースをとろりとかけていただきます。
エスプレッソ入りの生地はしっとりふんわり、シフォンのようにきめ細やか。やさしいコーヒーの香りを漂わせ、クリームと一緒に溶けてしまう。そこにふわふわフォームのカフェラテをひと口いけば、コーヒーのアロマに包まれたような多幸感に満たされます。
伝承千年の宿 佐勘
悠久の歴史へと誘う温泉宿へ
コーヒーの余韻に満たされつつ5分ほど歩くと、本日のお宿「伝承千年の宿 佐勘」に到着。
この地で千年を超える歴史を歩んできたこちらのお宿。当主は代々湯守を務め、江戸時代初めには伊達政宗公ゆかりの湯として栄えたといいます。
館内にさりげなく飾られている調度品も歴史を感じるものばかり。また、「主屋・ギャラリー」には、貴重な資料や伊達家ゆかりの品々が展示されています。
伝承千年の宿 佐勘の温泉
ほっと一息ついたら、いざ温泉へ
こちらの温泉は、歴史があるだけでなく種類も豊富。時間により男女入れ替わる「大浴場」が2つと、「名取の御湯」「河原の湯」の全4つ。ほかに貸切風呂もあります。
1階の大浴場は2023年にリニューアルしたばかり! 内湯のほかに、超微細な気泡が出ているシルク風呂、深さ1メートルの深湯なども。また、最新のシャワーヘッドが完備されているのもうれしいところ。
ドライサウナやスチームサウナで汗を流したら、露天の水風呂に直行! 最高にととのいます。
続いて、露天風呂「河原の湯」へ。通路からすでに気分が高まります。
川沿いにある源泉かけ流しの河原の湯は、豊かな自然に溶け込んだ気分! 気づけばお肌もつるつるです。
伝承千年の宿 佐勘の夕食・食後のスイーツ
目移り必至のビュッフェで地元の恵みを満喫
湯上がり後は、お楽しみの夕食へ!
ハーフビュッフェ形式の夕食は、メインの肉・魚料理をそれぞれ選べて、あとはビュッフェから好きなだけいただけます。ドリンクも飲み放題。アルコールだけでなく、モクテルや自家製レモンスカッシュなどノンアルも充実しています。
しそ巻き(仙台味噌を青しそで包んだ揚げ物)、秋保風芋煮汁、牛もつ煮込み仙台味噌仕立て、亘理町産の大しじみ汁、三陸の郷土料理いちご煮(ウニと鮑の出汁煮)etc……郷土料理や地元食材を使った料理がずらり。さらに海鮮丼に揚げたての天ぷら、お蕎麦と目移りが止まりません!
メインは「牛たん塩焼き」と「海老の汐焼き」にしました。牛たんは肉厚でいてやわらかく、肉汁じゅわり。噛むたびに口いっぱいに旨みが溢れ出します。
ビュッフェデザートも充実していますが、どうしても気になっていた「季節のブランマンジェ」を追加注文。こちら、仙台にある老舗洋菓子店「石井屋」さんとのコラボで、こちらのお宿の夕食でしか食べられないレアなスイーツ(季節替わり)なのです。
ひと匙口に運ぶと幻のようにスッと溶けてアロエがつるん。アーモンドのやさしい香りに、ふわっと広がる柚子の香りが爽やかで、満腹でもペロリといけます。
食後は再び温泉を楽しみ、お部屋でのんびり。明日に備えて早めに寝ます。
伝承千年の宿 佐勘の朝食
贅沢ビュッフェで至福の朝ごはん
翌朝も朝風呂からの朝食ビュッフェ!
夜とは全く違うラインナップで、常磐沖で水揚げされるメヒカリの唐揚げ、仙台味噌のお味噌汁、環境保全米「秋保米」にずんだ餅、さらには佐勘特製スパイシーカレーや鯛だしラーメン(すっきりしつつ旨みが濃厚!)におでん、ロティサリーチキンまで! これを食べすぎずにいられる人などきっといません。
お腹も心もすっかり満たされ、宿を出発!
仙台万華鏡美術館
万華鏡の概念が覆る、遊べるアート体験
お宿の目の前の秋保温泉湯元バス停から乗車して4分ほど。松場バス停で降りると、すぐ目の前にありました、「仙台万華鏡美術館」。
万華鏡は子どもが遊ぶ懐かしのおもちゃ……なんて思っていませんか?
機械仕掛けの大型作品、作品の中に入れる作品、CGみたいに緻密で美しい映像……世界中で進化を遂げているさまざまな万華鏡を、見て触って体験できます。
このおじいさんも万華鏡! しかも世界大会最優秀作品なのです。
後ろの穴から頭の中をのぞきながら口元のボールを回すとキラキラと映像が動く仕掛けになっています。万華鏡作家自身がモチーフだそうで、さすが作家さん、頭の中がこんなにロマンチック!
貴重なアンティーク作品なども展示されていて、万華鏡の歴史や仕組みも知ることができます。物理とアートの融合がこれほど幻想的な世界をつくり出すのですね。
※編集部注:館内は基本撮影禁止(一部撮影可能な作品もあり)。許可をいただいて撮影しています
万華鏡の「手作り体験」もできます。世界にひとつのオリジナル万華鏡を旅の記念やお土産にするのもおすすめ。万華鏡の世界、興味深すぎてハマってしまいそうです。
秋保温泉スイーツ巡り 3/アキウ舎
秋保の恵みを味わう古民家カフェ
仙台万華鏡美術館から景色を楽しみながら歩いて10分ほど、立派な古民家にたどり着きます。
築160年以上の古民家カフェ「アキウ舎」は、農村の歴史や文化、秋保本来の魅力が感じられる体験型レストランです。
店内にある洋室には、武士が使っていた見事な仙台箪笥が。
ガラス戸が開放的な和室や、古いものと新しいものが美しく調和する洋室も素敵ですが、今回は秋保の自然の中に身を置けるお庭で過ごすことにします。
いただいたのは、秋保の恵みを集めたスイーツ。新作のフィナンシェ(期間限定メニュー)は、秋保町にある「大滝自然農園」の小松菜と、はちみつ農家「森と蜂と」のはちみつ「初夏の森」をそれぞれ使った2種の盛り合わせ。小松菜のフィナンシェは抹茶にも似た萌える香りがやさしく広がります。
鮮やかな青いドリンクは、オリジナルハーブティー「アキウブルー」。ブルーは豆科の植物「バタフライピー」由来で、レモンを入れると紫に変化していくのも幻想的です。
インパクト抜群の「秋保採石ショコラ」は、ところどころに空気が入るゴツゴツ感も色合いも、確かに秋保石みたい。その正体はホワイトチョコベースのクランチです。木槌で割れば採石気分も高まるというもの。
かじるとやさしい甘さの中に、玄米の香ばしさやフルーツの酸味、程よい塩気が調和して……コーヒーやお茶のお供にしたら、つまむ手が止まらなくなってしまうやつです。
ゆっくりおやつタイムを過ごしたらそろそろ帰路へ。アキウ舎から徒歩3分ほどの瑞鳳前バス停からバスに乗り、45分ほどで仙台駅に到着。東北新幹線に乗って東京駅に帰ってきました。
おしゃれな新店や歴史ある温泉、地元の食材、自然の豊かさ、秋保の魅力を五感で味わうことができました。今、この地に惹かれる人が増えているのも納得。私もまた行きたいな。
東京駅に到着
掲載情報は2024年8月6日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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