「土用しじみ」とはどんなシジミ?いつ食べるものなの?
「シジミ」は通年美味しい食材ですが、実は冬に食べるものと夏に食べるもので呼び名が変わることもあります。
特に夏に食べるものは「土用しじみ」と呼ばれます。
しかし、「土用しじみ」はどのような「シジミ」なのでしょうか?
今回は「土用しじみ」について詳しく解説します。
「土用しじみ」とは
ここでは「土用しじみ」がどのような食材か解説します。
「夏土用」に食される土用しじみ
「土用の丑の日」に食すものといえば「うなぎ」ですよね。
夏の「土用」は暑さでバテがちなため、日本では古くから滋養強壮のある食材を食べることで元気を養ってきたという風習があります。
その代表的なものとされてきたのが「うなぎ」だったわけです。
しかし、他にも「夏土用」に食される食材がいくつかあります。
その中の1つが「土用しじみ」となります。
「シジミ」は良質なタンパク質やグリコーゲン、タウリンやビタミンが豊富に含まれており夏の食材として重宝されてきました。
そういった背景から「土用しじみ」が定着したわけです。
「土用」とはなんのこと?
そもそも「土用の丑の日」でも目にする「土用」とは何か。
「土用」とは年に4回訪れる「立春・立夏・立秋・立冬」の直前の約18日間のことを意味します。
その期間はそれぞれ「春土用」「夏土用」「秋土用」「冬土用」と呼ばれ、夏に迎える「夏土用」が広く知られています。
もともと「土用」は「土旺用事」という言葉で、その意味は「土が旺(さかんに)なり用事(働き)をする」という意味を持つそうです。
つまり、土が最も働く時期ということになります。
そうした背景から生まれたのが「土用」という言葉なのです。
「土用の丑の日」にシジミを食べる理由
ここからは「土用の丑の日」に「シジミ」を食べる理由を解説します。
シジミの旬は夏
「シジミ」を「土用の丑の日」に食べるのは、旬だからです。
現に「シジミ」は夏に旬を迎える食材で、特に夏の「シジミ」は「土用しじみ」と呼ばれて食卓でも重宝されています。
逆に冬のものは「寒しじみ」と呼ばれます。
どちらも栄養価に優れていますが、夏の「シジミ」の方がより栄養価が高まるのだとか。
そのため、夏バテ防止のため「土用しじみ」を食す習慣が浸透したわけです。
今では定番の「土用鰻」の前からあった
今では「土用の丑の日」といえば「土用鰻」が定番です。
しかし「土用しじみ」はその前からあった習慣とされます。
「土用の丑の日にシジミを食す」風習は最近になって話題となったものの、夏に「シジミ」を食す習わしは以前からありました。
特に「土用しじみは腹薬」「土用の前のしじみは美味い」と言われ、「土用」に「うなぎ」を食べ始めた江戸時代より前から食べられていたようです。
他にもある「土用の丑の日」に食べるもの
他にも「土用の丑の日」に食べるものはいくつかあります。
ここからはそんな「土用の丑の日」に適した食材を解説します。
「う」の付く食べ物
「土用の丑の日」に「うなぎ」を食べる風習は江戸時代に広まったとされています。
しかし、もともと日本には「丑の日」に「う」の付くものを食す習慣がありました。
例えば「うどん」や「ウリ」などがそれに該当します。
このように「土用しじみ」以外にも古くから食されていた食材があったわけです。
土用餅
「土用餅」は「夏土用」に関係している風習のことで、「土用」の入りの日に餅を食べる習慣を意味します。
「土用餅」の風習が始まったのは江戸時代とされ、当時は小豆を使用した小豆餅が食べられていました。
古くから小豆の赤色には厄除けの力があると信じられ、暑さの厳しいこの時期に小豆を使った餅を食べることで無病息災を願ったそうです。
その文化が庶民を中心に広がったとされています。
土用卵
「土用卵」は「夏土用」に生産された卵のことです。
卵は「完全栄養食」と称されるほど、豊富な栄養成分が含まれています。
中でも「夏土用」の時期に産み落とされた卵は特に栄養が高く、夏バテなど栄養面で不調を抱えやすい時期のありがたい食材とされてきました。
夏は何かと疲労が溜まり、体調不良になりやすい時期です。
そんな時期を栄養面で支えてくれるのが「土用卵」なのです。
まとめ
「土用の丑の日」といえば「うなぎ」のイメージがあります。
しかし、他にも夏の暑さに負けないように食べられてきたものがいくつかあります。
その代表的なものが「土用しじみ」です。
「シジミ」は栄養豊富で滋養強壮にも効果的とされるので、今年の夏は「土用しじみ」で乗り越えてみてはいかがでしょうか?
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