がんの定期検診のすすめ。「子宮頸部内視鏡」を用いた検査とは?
「子宮頸部内視鏡」を用いた検査を受けられるクリニックである、インナービュー内視鏡レディースクリニック新横浜。同院では、婦人科・消化器内科・乳腺外科を網羅的に受診できるため、女性の多様なニーズに対応できるという。同院の院長の田淵晃大氏に、「子宮頸部内視鏡」に掛ける思いや、がんの定期検診の重要性、今後の展望について話を聞いた。
不快感が少なく、高画質な検査で、即時に結果がわかる「子宮頸部内視鏡」
私が院長を務めるインナービュー内視鏡レディースクリニック新横浜では、「子宮頸部内視鏡」という技術を採用した子宮頸がん検診が受けられます。従来の子宮頸がん検診では、内診台に乗って脚を開き、子宮内をブラシで擦って細胞を顕微鏡で見るのが一般的です。後日結果がわかり、異常があれば再度精密検査のために通院し、30センチほど離れたところから拡大鏡で20倍程度の倍率で病状を調べます。一方、「子宮頸部内視鏡」を用いた検査では、脚を開かずにベッドに横になったまま、10㎜程度の太さの内視鏡を挿入して検査を行います。100倍の拡大画像によってその場で異常の有無を診断でき、患者さんは横を向いたまま説明を受けられるのです。さらに、異常が発見された場合は、同時に機械を入れ替えることなくその場で精密検査を受けられます。そのため、「子宮頸部内視鏡」を用いた検査は、検査自体の不快感が少なく、検査の精度も高いため、初期段階で病変を発見できるのです。それだけでなく、即時に検査結果がわかるため、患者さんの通院の手間も減り、治療に早く取り掛かることができるというメリットがあります。
女性の通院を、便利に・快適に
子宮頸がんは、罹患する女性のうち30代後半から40代の方が最も多く、見つかった時には病状がかなり進行している場合が多いです。ゆっくりと進行していくがんのため、体調の変化に気づきにくく、定期検診を受けていないと早期発見が難しいのです。残念ながら現在、日本における子宮頸がん検診の20代の受診率は25%、30代でも50%程度にとどまっています。定期検診を受けない理由としては、予約の仕方がわからない、なぜ受けるべきかわからない、どこで受けたらいいのかわからない、お金も時間もかかるといった点が挙げられます。
また、女性のお腹の痛みは、消化器系か婦人科系に問題がある場合が多いのですが、消化器系の病院に行って問題がなければ、婦人科系の病院を再度受診しなければなりません。たとえ総合病院に通院した場合でも、担当科を変えるには受付をし直さなくてはならず、治療を受けるまでに非常に時間がかかります。
そのような問題解消のために、当院では婦人科・消化器内科・乳腺外科を合わせて受診できるようにしました。また、クリニックの受付やデスクには、婦人科にまつわる知識や定期検診の案内が書かれたパンフレットを設置。仮に、消化器系で受診された方でも、婦人科にまつわる悩みを抱えている方も多いはず。悩みを気軽に打ち明けていただき、トータル的にサポートできるような体制を整えています。
また、ベテラン揃いのスタッフは、それぞれ専門が分かれていますが、交流しながら日々網羅的に知識を身に付けています。婦人科については女性医師を中心に男性医師も診察しますので、どのような方でも安心してお越しいただけます。
定期検診を必ず受ける、それが自分と家族を守ることにつながる
がんの発見が遅れ、お子さんを残して亡くなる患者さんを何人も見てきました。そのようなケースを減らしたいという一心で、日々治療・検診に取り組んでいます。そして、時間的にも、経済的にも、精神的にも、なるべく気軽に検査を受けられる体制を整えていきたいと思います。市区町村が定期検診の対象にしている子宮頸がん、胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、前立腺がんは、いずれも症状が出にくく、自覚症状がないうちにゆっくりと進行していく病気です。
症状が出た時には手遅れの場合が多いからこそ、定期検診の対象になっているのです。脳腫瘍のように珍しいがんや、白血病のように急速に進む病気は健診の対象になっていません。定期検診になっているのは、早めに見つけられて、完治できるからですそのため、市区町村の検診は最低限受けていただきたいと思います。本当は、もう少し若い頃から検査したほうがいいのですが、せめて、定期検診の該当年齢になったら受けてほしいですね。早く見つかればその分、病状が軽いうちに治療できるのですから。がんがあったとしても早く見つけて、治せるうちに見つけて、将来の自分の時間、家族と過ごすはずだった時間を失わないように、そのために検診をうけてほしいです。
「子宮頸部内視鏡」を用いた検査によって、小さな病変のうちに子宮頸がんが治せる時代が来ることに期待しています。この治療法が広く知られ、症例数が増えていけば、いずれ保険適用されるようになるでしょう。この検査法が知られ、治療法が開発され、それが一般のみなさんに還元されればと思います。10cm程度のカメラを体内に入れるのは難しい技術ではないですし、動かし方と血管の見方だけわかれば、産婦人科医でも問題なく導入できます。産婦人科医の情熱に、消化管用の内視鏡のテクノロジーが加われば、想像以上の技術革新が起こると考えています。当院で対応できるスタッフを増やしていくことから始め、一人でも多くの患者さんのがんを早期発見できるよう取り組んでいきたいです。
インナービュー内視鏡レディースクリニック新横浜 院長 田淵晃大
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