警察庁の公表によれば、令和5年末における古物商の許可件数は52万9,024件になったという。令和3年:44万874件、令和4年:48万3,276件と、ここ数年の古物商の許可件数を並べてみると、毎年約10%ずつ古物商が増加していることがわかる。世界中でSDGsがテーマになっているが、ここ日本でも「中古品のやりとり」が活性化していると言えるだろう。
「リセールバリューに関する意識調査」調査結果
・「リセールバリュー」という言葉を知らない人は69%
・「リセールバリューを意識して購入したことがある人は26%
・リセールバリューを意識して購入を検討したもので最も多かったのは「自動車」
・リユース品を購入したことがある人は58%
・46%が今後もリユース品を購入したいと考えている
言葉としての浸透はこれから…「リセールバリュー」という言葉の知名度は31%
Q.あなたはセールスバリュー(所有品を売却する際の市場価値)という言葉を知っていましたか?
今回の調査では、「リセールバリュー」という言葉を知らない人が69%だった。リセールバリューとは「リセール=再販売」と「バリュー=価値」から成る言葉。手放すときに「捨てる」ではなく「売る」ことが多い、車や不動産界隈で主に使われている。「購入時に売却時の価値を意識する」という考え方自体は以前からあったが「リセールバリュー」という言葉としては、まだ広く浸透しているとは言えないようだ。
リセールバリューを意識して購入を検討したものTOP3は「車」「パソコン」「スマホやタブレット」
Q.あなたは買い物をするときにリセールバリュー(所有品を売却する際の市場価値)を意識して購入したことがありますか?
Q.あなたがとくにリセールバリューを意識して検討したことがあるものを教えてください。
「リセールバリューを意識して購入したことがある人」は26%。意識して購入を検討したもので最も多かったのはやはり「自動車」(28%)だった。2位には「パソコン」、3位には「スマホやタブレット」がランクインしているが、確かにどちらもリユース品(中古品)の流通が多いイメージだ。
リユース品の購入歴「ある」が58%で過半数超え
Q.あなたはリユース品(中古品)を購入したことがありますか?
リユース品を購入したことが「ある」と答えた人は、58%と過半数を超えた。その背景には、古物商の増加だけでなく、フリマアプリの浸透もあるだろう。フリマアプリの登場により、リユース品を「買う」だけでなく、「売る」こともずいぶんと容易になった。実際に中古市場は年々拡大しており、2011年には1.2兆円だった市場規模が、2022年には2.9兆円に。2030年には4兆円規模に拡大すると予測されている。
男女で異なる?リユース品に感じる魅力
Q.あなたがリユース品(中古品)の売却・購入に抵抗がなくなったのはなぜだと思いますか?
リユース品の売買に肯定的な人たちは、どんなところに魅力を感じているのだろう。1位になったのは「欲しいものが安く入手できるから」。しかしこの回答には、男性51.4%、女性30.4%と男女で大きな差があった。リユース品の購入には、価格以外にもコンディションや希少性など様々な要素が決め手となる。男女共に価格は重視するが、男性の方がよりその傾向が強いと言えるのかもしれない。
リユース品をまた購入したいという人は46%
Q.あなたは今後もリユース品(中古品)を購入してみたいですか?
では、実際にリユース品の購入をした人の反応はどうか。リユース品の購入をしたことがある人のうち、今後も購入をしたいと考えている人は46%にとどまった。とくに女性は「とてもそう思う」が8.3%で「そう思わない」が22%と、リユース品の購入に何らかの不満を感じた人が多かったようだ。
今後、さまざまな商品を購入する際、「この商品のリセールバリューはどうだろうか?」と、頭の片隅で考えてみると、商品の見方、選び方が変わるかもしれない。