手元にお金が残る人と残らない人の唯一で決定的な違いとは

手元にお金が残る人と残らない人の唯一で決定的な違いとは

いつか家賃やローンの支払いに苦労する日が来るかもしれない。病気やケガで収入が絶たれるかもしれない。

お金の悩みは多かれ少なかれ誰もが持っている。お金をたくさん稼ぎ続けていられれば、将来への不安の一部はなくなるはず。でも、誰しもが一生稼ぎ続けられるわけではない。だからこそ、稼いだお金を増やしたり、貯めたり、減らないようにしたりと、限りあるお金との付き合い方を考えなければならない。

『トゥー・ビー・リッチ 経済的な不安がなくなる賢いお金の増やし方』(ラミット・セティ著、岩本正明訳、ダイヤモンド社刊)は、お金に悩まずに生きるために、家計管理や貯蓄、投資など、個人とお金のあらゆる接点について正しい考え方を教えてくれる。

■手元にお金が残る人は「切り詰めない」

お金について、まず知っておくべきは支出だろう。

貯蓄をしようとすると、当然考えは「出費を切り詰める」という方向にいく。あらゆる出費に予算をつけて、その中でやりくりしようとする。

しかし、本書によるとこれはあまりいい方法ではないらしい。というよりも、実行できる人があまりにも少ないのだ。本当にやるべきことは逆。「切り詰める」のではなく「意識して使う」ことである。

意識してお金を使うというのは、あらゆる支出を切り詰めるということではない。そんなやり方では二日と持たない。シンプルに、惜しみなくお金を使いたいものを自分で選び、好きではないものには容赦なく支出を切り詰めるということだ。(P115より)

手元のお金を漫然と、めりはりなく使っていると、結果として好きでもないことに必要以上に支出してしまう。これでは絶対に手元にお金が残らない。自分にとってお金を使う価値のあるものとないものを見極めて、価値のあるところにお金を使う。友達を遊ぶのが好きならそのための出費は惜しまないでいいし、登山が好きなら好きなウエアや靴に存分にお金を使えばいい。その代わり自分にとってどうでもいいものには極力お金を使わない。これが、きわめて重要だが誰も教えてくれない、お金との向き合い方の本質なのだ。

お金との向き合い方を頭に入れたら、あとはできる限り労力を使わずにお金が増えていく仕組みを構築することだ。つまり、信頼できる銀行で口座を開設し、毎日のお金の管理(各種支払い、貯蓄、返済)を自動化すること。

投資については、もちろん知識は大切だが、より大事なのは「とにかく始めること」。専門家になるまで勉強しているうちに、人は年老いてしまう。まだ資産が少ない若いうちに初めて、失敗しておくことが後々の糧にもなる。

お金に振り回されず、お金に困ることなく、好きなことを好きなだけ追及できるのがいい人生だとしたら、それはほとんどの人にとって可能である。本書はそのために、何を知るべきか、何をすべきか、始めたことをどう改善していくべきかについて教えてくれるはずだ。

(新刊JP編集部)

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