<ライブレポート>ズッケロ、ミラノでの壮大なコンサートで布袋寅泰と共演

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<ライブレポート>ズッケロ、ミラノでの壮大なコンサートで布袋寅泰と共演

 布袋寅泰が7月4日に開催されたズッケロの【Overdose D’Amore World Tour 2024】のミラノ公演に特別ゲストとして出演、ライブレポートが到着した。

 ズッケロの作品の中に、”忘れられた夏の夜”について歌ったナンバーがあるが、この日は観客にとって忘れられない夏の夜になったのではないだろうか。会場であるミラノのサン・シーロスタジアムは45,000人の観客で埋め尽くされ、彼のイタリアツアーのクライマックスを飾った。なお、ズッケロは引き続きヨーロッパ各国(イギリス、スイス、フランス、モナコ、ドイツ、オランダ、オーストリア、スロバキア)や南アメリカ(ウルグアイ、チリ、アルゼンチン、ベネズエラ、グアテマラ、メキシコ、ペルー、コロンビア)での公演を予定している。

 彼の長いキャリアによって、世代を超えて愛されていることを証明するかのように客席は多様なファンで埋め尽くされていた。40~50代のファンが多くを占めるも、若い人たちの姿も数多く見受けられる。タイトルが示す通り(Overdose D’Amore=愛に溺れる)、同タイトルのヒット曲が35周年を迎えることを祝した本ツアー。最新アルバム『D.O.C.』リード曲の「Spirito nel Buio」を皮切りに、それぞれのキャリアを彩った全てのヒット曲が披露され3時間におよぶショーが開催された。

 バンドメンバーの豪華さも彼のライブの魅力の一つだ。ポロ・ジョーンズ(ベーシスト兼音楽監督)、カット・ダイソン(リードギター、バックボーカル)、ピーター・ヴェテッセ(ハモンド、ピアノ、シンセ)、マリオ・シリーロ(リズムギター)、アドリアーノ・モリナリ(ドラムス)、ニコラ・ペルーチ(キーボード)、モニカ・エムゼー・カーター(ドラムス、パーカッション)、ジェームズ・トンプソン(ホーン、バックボーカル)、ラザロ・アマウリ・オビエド・ディラウト(ホーン)、カルロス・ミノソ(ホーン)、そして活気に満ちたバックヴォーカルのオマ・ジャリは、たびたびソロも務めた。

 ショーの中では、彼の親しみやすいキャラクターや共感力を感じる瞬間も。成功したアーティストであるにも関わらず、自分を見失わず常にファンとの絆を維持している彼の姿には、人間的な深ささえ感じさせられる。コンサート中盤で、アコースティックギターとともに客席の前列に座るときは特にだ。トスカーナのクラブでたった一人の観客のために「Una Notte Che Vola Via」を10回演奏した夜のこと…。彼は、「大事なのは観客がいること」とし、観客の人数は関係ないとファンに伝えた。また、ショーでは新曲「Amor Che Muovi il Sole」も初披露。アップテンポなリズムとアダム・グランドゥシエルのレコードから届いたようなキーボードメロディが特徴的なナンバーが披露された。

 そして最初のゲストとしてジャック・サヴォレッティが「Senza una Donna」をズッケロとデュエット。続いて、布袋寅泰が登場した。髪の毛をまっすぐに立たせた独特のヘアスタイルと、輝くばかりのオレンジのスーツによって、観客の目を引く布袋。ステージの端から端まで走り回り、素晴らしいパフォーマンスを魅せた。特に「Iruben Me」でのソロは観客の目を独り占めに。ギターソロが鳴り響き、ズッケロのクラシックに更なる感情を湧き立たせた。布袋はこれまでにもアルバム『Black Cat』へ参加したり、ヴェローナアリーナやロイヤルアルバートホールでのコンサートにも出演したりするなど、ズッケロとの絆は強い。そんな2人の相性の良さが感じさせられるパフォーマンスが繰り広げられた。

 また、コンサート後半の「Miserere」では、2007年に亡くなったルチアーノ・パヴァロッティの声が流れ、彼の映像がスクリーンに投影。曲の終わりには、偉大なイタリア人テノール歌手に大きな拍手がささげられた。コンサートのセットリストはズッケロの作品のロマンティックさと、エネルギッシュさの両方が感じられる組み立てに。特に本編最後の2曲では会場の熱は最高潮に達し、取材エリアの机が前後に揺れ動くほどであった。ズッケロの豊かなディスコグラフィーの中でも最も輝かしい「Donne」が演奏されなかったことは残念だった。このような記念コンサートにぴったりの曲で、それが演奏されれば完璧なショーになっていただろう。

◎公演情報
【Overdose D’Amore World Tour 2024】
2024年7月4日(木)
ミラノ サン・シーロスタジアム
セットリスト:
01.Spirito nel Buio
02.Soul Mama
03.Il Mare Impetuoso al Tramonto Sali sulla Luna e Dietro una Tendina di Stelle…
04.La Canzone Che Se Ne Va
05.Ci Si Arrende
06.E Delicato
07.Partigiano Reggiano
08.Vedo Nero
09.Amor Che Muovi il Sole
10.Il Volo
11.Facile
12.Senza una Donna (with Jack Savoretti)
13.Con le Mani
14.Solo una Sana e Consapevole Libidine Salva il Giovane dallo Stress e dall’Azione Cattolica (with Hotei)
15.Baila (with Hotei)
16.Iruben Me (with Hotei)
17.Dune Mosse
18.Dindondio
19.Un Soffio Caldo
20.Oltre le Rive
21.Miserere
22.Solo band: Nutbush City Limits Jumping Jack Flash Honky Tonk Train Blues
23.Overdose d’Amore (with gospel choir)
24.The Letter (with gospel choir)
25.Cosi Celeste (with gospel choir)
26.Diamante (with gospel choir)
27.Madre Dolcissima (with gospel choir)
28.Per Colpa di Chi
29.Diavolo in Me
En.Hey Man Blu Chocabeck

Photo:Luigi Rizzo(1~3枚目)、Michiko(4~6枚目)

※3曲目の「Sali」のi、6曲目の「E」、25曲目「cosi」のiは正しくはアクセント符号付き

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