鳥取県境港市は、「ゲゲゲの鬼太郎」などで知られる漫画家・水木しげる氏が生まれ育った町。1993年(平成5年)に誕生した「水木しげるロード」は、境港駅から水木しげる記念館まで約800m続く、まさに「妖怪の道」である。
道の両側には、鬼太郎や目玉おやじなど、177体もの妖怪ブロンズ像が点在する。周りは古い店舗も多く、今も昭和レトロな雰囲気が漂う。
水木しげるロード、実は日没後がおすすめだ。なぜかというと、暗くなってからのほうが、まさに「妖怪の世界」へと一変する。しかも人がいないと、さらにその不気味さが増す。
まず、夕暮れ時の境港駅前。街頭のランプをよく見ると、目玉おやじである。点灯してからのほうがインパクトある。
そして、水木しげるロードの入口近くにある鬼太郎の像。周りの木々も妖しい色合いでライトアップされている。
閑散とした通りの中を1人で進んでいくのは、けっこう勇気がいる。たまに人とすれ違うと「本当に人間なのか?」と思えてくるほど。
水木しげるロードのメインストリートである商店街がある場所。夜に営業しているお店は、非常に少ない。
点在する妖怪ブロンズ像は、それぞれライトアップ。時計の針もよく見ると、妖怪仕様であることに日中はまったく気がつかなかった。
道路に、妖怪たちの影絵の照明が投影されているライトアップがいくつも見られる。実は約70種あるという。影絵は時節柄で柄が変わるものも。
しかも、消えたり点いたりする影絵、不気味に揺れる影絵、急に不気味な音が聞こえてくる場所も。もはやここは「リアルお化け屋敷」である。
ただ単にライトアップされているだけではない。それぞれのライトアップに「妖しさ」が工夫されている。
それだけに、日中はずっと止まっていたようにも見えた妖怪ブロンズ像が、いまにも動き出しそうな気配すら感じられる。
水木しげる氏は「夜は妖怪たちの時間」と話したエピソードがある。まさにそれを体験できる場所こそ、夜の水木しげるロードだろう。
水木しげるロードでの夜間の照明演出は、日没から22時まで。
日中よりも妖怪たちが生き生きとする夜。さらに摩訶不思議な世界に、迷い込んでみてはいかが?
【境港観光ガイド】 水木しげるロードの遊び方
https://www.sakaiminato.net/about/how-to-play-mizukishigeru-road-2/
(Written by A. Shikama)