スマート家具市場成長、アウトドアでも活躍する多機能家具も人気集める
ホームオートメーションとIoT技術に対する消費者の関心が高まるなか、スマート家具分野が成長している。SkyQuestの2024年2月発表によると、世界のスマート家具市場規模は2023年に31億1000万米ドルと推測された。今後は4.6%のCAGRで成長し、2030年までには42億6000万米ドルに成長する見込みだという。
特に昨今は、複数の機能を備えることで省スペースになる家具が人気だ。その代表例ともいえる「スピーカーにもなるスマートテーブル」は、2010年代後半にはすでにIoT家具ベンチャーKAMARQが販売していた。同じコンセプトの製品は近年にも開発・販売されているが、新たにアウトドアでの使用も想定した多機能ポータブルサイドテーブル「ANKA SPACES」が登場したので紹介したい。
ナチュラル素材・モダンなデザイン+テクノロジー
独創的なデザインと職人技で比類のない機能性とスタイルを実現し、屋内外を問わず生活空間に革命を起こすという「ANKA SPACES」。クラウドファンディングサイトIndieGoGoで実施したプロジェクトでは200人超の支援者からおよそ530万円の応援資金を得た。現在、公式ホームページでも約2万5000円から購入可能だ。
天板および側面の色が異なる2モデルから選択可能。ファイバーボードとオーク材の天板部分は直径30センチ・厚さ8センチ。製品重量は3キログラムで、ステンレススチール製の脚は取り外し・折りたたみ可能のため持ち運びにも便利だ。脚の高さは25センチ・32センチ・42センチから選べる。耐荷重は10キログラム。
一見普通のおしゃれなテーブルであるANKA SPACESの特長は、その多機能性にある。Bluetoothスピーカーが内蔵されていて、テーブル自体がスピーカーになるのだ。本体側面にある4つのボタンで再生や一時停止、曲の切り替えやボリューム調整の操作ができるほか、スマートフォンでも操作可能。
底面にはRGBセンサーライトが取り付けられているので照明にもなる。近づくとやさしい光がともって周囲を照らす。離れると光は消え、電力の無駄遣いを防ぐ。スマホ画面の操作で証明の色を変更可能で、シーンに合わせて雰囲気を演出する。
内蔵バッテリーは20000mAh、1度の充電で80%の電力消費の場合18時間は連続使用可能。開発企業がアウトドアでの活用を訴求するとおり、確かに1泊程度ならキャンプでもテーブル兼スピーカーとして活躍しそうだ。
スマート家具として、ちょっと面白いガジェットとして一家に一台あると便利かもしれない。どの部屋に置いてもなじむシンプルなデザインで、アウトドアライフに彩りを添えてくれるだろう。
製造拠点はアジアに設置、生産に直結した研究開発を目指す
ANKA SPACESを開発したのは、独立系デザイナースタジオから2018年に誕生した米スタートアップANKA-MG社である。
米国デラウェア州の本社ではエレクトロニクス製品の研究開発およびデザインにフォーカスしながら、製品開発にはサプライチェーンとの強いつながりが不可欠ということで製造拠点はアジアに設置。中間に介在する販売チャネルをなくすことで、高品質かつコスト的にも優れた製品を開発・販売することができるという。
こうした企業努力ですべての人や家庭にテクノロジーを届けることをミッションとして、科学技術の恩恵によって人々の生活をより便利・快適にすることを目指している。また、環境に配慮した開発や科学、テクノロジーで自然を守り、持続可能な未来を探っていくとしている。
じつは、今回のスマートテーブルは当初Kickstarterでクラファンプロジェクトを展開していた。ところが、1000万円以上の資金が集まった終了直前に「悪意のある人々からの攻撃」により中止となったとのこと。その後立ち上げたIndieGoGoプロジェクトでようやく成功し、現在はすでに発送が始まっている。
(文・根岸志乃)
ウェブサイト: https://techable.jp/
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