コウモリの生態とは?被害状況や効果的な予防・駆除方法について解説
冬眠から目覚めたコウモリは春から活発に活動する
コウモリの多くは11~3月頃まで冬眠をし、寒さが厳しく食料が不足する冬を生き抜きます。冬眠中のコウモリは体温を周囲の気温に合わせ、極限までエネルギー消費を抑えます。この驚異的な体温調節機能を「トーパー」といい、まるで省エネモードに入ったように脂肪を燃焼を抑え、厳しい冬を乗り越えます。
コウモリの越冬生態については北海道大学より詳しい研究結果が発表されています。
コウモリの越冬生態 : 冬のエネルギー配分に関わる多様な行動特性と気候変動の影響について
(北海道大学所属の研究者や大学院生が著した学術論文、学会発表資料、教育資料より)
そして冬眠から目覚めたコウモリは、春から活発に活動を始めます。そのため、コウモリ駆除を検討するなら春のこの時期が最適となっています。
春が最適な理由
繁殖期前: コウモリは5月から7月頃に出産するため、繁殖期前に駆除することで、個体数増加を抑えられます。
活発な時期: 春は活発に活動するため、コウモリを見つけやすく、駆除効果も高くなります。
コウモリの被害件数は急増中 2023年は前年比20~30%増
コウモリによる被害が2023年秋は前年より20~30%増えていることが報告されています。
異常気象ともいえる夏の暑さの長引きに加え、天敵であるカラスの減少、この2つの相乗効果によるものと考えられています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000075365.html
(PRTimesニュースリリースより)
コウモリがもたらす被害について|騒音、悪臭、健康被害など
コウモリが住宅に侵入すると、以下のようにさまざまな被害に遭う可能性があります。
騒音被害
コウモリ被害で顕著なのが「騒音」による被害です。羽音が騒音の原因であり、コウモリが住みついた家では、日が暮れるとバサバサと羽音を立てて帰ってきます。
部屋の中だけでなく壁の隙間にも入り込むため、外壁と内壁の間で音を立て睡眠に悪影響を及ぼします。
悪臭被害
コウモリの糞はドブのような強烈な臭いを放つほか、コウモリ自体にも獣臭があります。コウモリが放つ悪臭は日々蓄積されていくため、家の中や外からドブ臭や獣臭がするときは、コウモリが住み着いている可能性が高いです。
健康被害
コウモリの糞による被害の中で、最も恐ろしいのは病原菌やウイルスの媒介です。コウモリの糞には多数の微生物が付着しており、乾燥した糞が空気中に飛散して人間が吸入すると、感染症を引き起こす可能性があります。
以下に、コウモリの糞が媒介する感染症の例を挙げます。
ヒストプラスマ症
発熱や頭痛、悪寒、疲労感や乾いた咳などの症状を引き起こす感染症。稀に、高熱や呼吸困難になることもあります。
ニパウイルス感染症
発熱や頭痛、めまい、嘔吐などの症状を引き起こす感染症。致死率が32%と非常に危険です。
エボラウイルス病
2~21日の潜伏期間の後、全身の倦怠感や発熱、頭痛、筋肉痛、のどの痛みなどの症状を引き起こす感染症。致死率は概ね50%程度といわれています。
コウモリの種類と特徴|日本には約30種類が生息
日本には34種類のコウモリが存在しますが、家屋に住みつくのは「アブラコウモリ」という種がほとんどです。別名「イエコウモリ」とも呼ばれ、灰色がかった茶色の毛色をしています。
アブラコウモリは、建物の隙間を主なねぐらとしています。夜行性で、夕方から夜にかけてエサ探しのために空を飛び回ります。
日本では11月の中ごろから冬眠に入り、3月下旬に冬眠から覚めて活動を開始します。ただし、冬眠期間中でも暖かい日に活動することがあるほか、都市部では冬眠しないコウモリも現れています。
コウモリの予防・駆除方法について
コウモリは快適な場所を見つけると、長期間にわたって定住する傾向があります。しかし、コウモリの捕獲は鳥獣保護法により禁止されています。そのため、ご家庭でできるコウモリ対策としては「追い払い」や「侵入防止」などに限られています。
ここでは、家にコウモリを近づけないための対策についてご紹介します。
コウモリの侵入を防ぐ方法
コウモリは非常に小さく、3cm程度のすき間からでも家に入り込みます。コウモリが侵入する可能性の高い場所は、換気口や屋根瓦のすき間、壁のひび割れなどです。
換気口は空気の流れを確保するために必要ですが、コウモリが入らないように細かい目のネットを取り付けましょう。壁のひび割れは、シーリング材でふさぐことでコウモリの侵入を防げます。
屋根瓦のすき間は自分で修理することが難しいため、専門の業者にお願いしましょう。また、扉や窓をしっかりと閉めることも、コウモリの侵入を防ぐために重要です。
エサとなる蚊の繁殖を抑える
コウモリは蚊をエサにしているため、蚊の繁殖を抑えることがコウモリ被害の削減に直結します。具体的な対策としては、水場を減らすことです。
蚊は水のある場所から増えるため、できる限り水溜まりを作らないように対策を講じましょう。
ナフタリンを含む忌避剤を使用する
コウモリはナフタリンの臭いを嫌います。ナフタリン成分を含む錠剤タイプの忌避剤を使用すると、コウモリが寄り付きません。
しかし、ナフタリンは人にも害を及ぼす成分なので、使用方法や量、場所には注意が必要です。使用する際は取扱説明書をしっかり読み、手袋をして設置しましょう。
害獣駆除専門業者に任せる
コウモリは、屋根や壁のすき間に巣を作ることがあります。高い場所や壁の中に入ると、自分で駆除することは危険です。
専門の駆除業者に依頼すれば、コウモリの侵入を防ぐ対策を講じてくれます。私たち「駆除ザウルス」は、コウモリの駆除から再発を防ぐ消毒まで、一貫したサービスを提供しております。コウモリにお悩みの場合は、専門業者にご相談されることをおすすめいたします。
最新の気になる時事問題を独自の視点で徹底解説するWEBメディア「JIJICO」。各分野の専門家が、時事問題について解説したり、暮らしに役立つお役立ち情報を発信していきます。
ウェブサイト: https://mbp-japan.com/jijico/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。