ビジネス用語「歩留まり」という製造現場や食糧生産の場で聞くこの言葉の意味は?なぜ「歩」なの?

「歩留まり」は製造現場や食糧生産で耳にする言葉です。
これらは使用する場所によってそれぞれ指すものが変わる言葉です。
それでは「歩留まり」はどのような状態を指すのでしょうか?

ここではそれら「歩留まり」という言葉について解説します。
併せて、関連する「歩合」などの言葉についても説明します。

製造現場における「歩留まり」

まずは製造現場で耳にする「歩留まり」について見てみましょう。

製造現場で使用される「歩留まり」の意味

製造現場における「歩留まり」は使用原料に対する製品の出来高の比率を指します。
これらは実際に製品となった量を全く損失がないとした時の理論量で割ったものを表すのが特徴です。

製造現場ではどうしても出荷できない不良品が発生します。
不良品が発生すると検品や取り除き作業に余計なコストが生じます。
もちろん、原料も余計に消費しなくてはならなくなるわけです。
特に半導体などでは製品価格などに大きな影響を与えます。
それら不良品が多く発生することを「歩留まりが低い」などと表現するわけです。

これら「歩留まり」が低い状態は製品の価格が悪影響を受けます。
逆に「歩留まり」が高い状態ほど原料の品質も製造のラインも優秀と言えます。

「歩留まり」の算出方法

以下は「歩留まり」の大まかな計算方法となります。

・歩留まり=良品数/生産数×100
・歩留まり=(生産数-不良品数)/生産数×100

食糧生産における「歩留まり」

次に食糧生産における「歩留まり」について見ていきましょう。

食糧生産の場で使用される「歩留まり」の意味

食糧生産における「歩留まり」は食品の原形物に対する食用可能な部分の比率を指します。
主に米・麦・野菜・果物・肉・魚について用いることが多いです。

例えば、米などでは玄米に対する白米などを言ったりします。
これらは果物などを例にするとわかりやすいかもしれません。

仮にオレンジがあったとします。
これらは原形のままでは皮や種など食べられない部分があります。
しかし、その一方で果肉など食べられる部分もあるはずです。
その比率を表すのが「歩留まり」となるわけです。

その他、食糧においては収穫された段階から食べられる状態のものと食べられないものの状態に分けられます。
それらの仕分けなどでも「歩留まり」を耳にすることはあります。

歩留まりの「歩」とは

そもそも「歩留まり」の「歩」とは何を指すのでしょうか?
ここからはそれら「歩」についても見ていきましょう。

「歩」の意味

「歩留まり」などの「歩」とは割合や利率のことです。
前述の通り「歩留まり」はある生産物に対して良品がどれくらい含まれているのか、その割合を指しています。
これらは食糧でも同じことが言えます。

それらの割合や利率のことを「歩」と表現するわけです。

「歩」を同じような意味合いで用いる言葉「歩合」

「歩」と同じようなニュアンスの「歩合」という言葉もあります。
これは割合を小数で表したものとされています。

例えば、五の百に対する比の値を「五分(ぶ)」と表現します。
これらは特定の数字に対して、他の数字がどれくらいなのかを表したものと言えるでしょう。

また、取引などにかかる手数料や報酬のことなども意味します。
ことビジネスにおいては「給料制」と併せて「歩合制」などの言葉がよく使用されます。

意味が異なる「歩が悪い」と「分が悪い」

「歩が悪い」と「分が悪い」は表すものが異なります。
「歩が悪い」と言えば、前述の通り歩合や利率が悪いことを指します。
「分が悪い」と言えば、優劣の具合が悪いことを指すわけです。
これらは状況に応じて表すものが異なるため、使い分けに注意が必要です。

まとめ

「歩留まり」は製造現場や食糧生産で耳にする言葉です。
これらをとても噛み砕いて言えば、割合や利率のことを言います。
特に生産したものに対する良品の数や生産したものに対する過食部分などを表すこともあります。

状況によって指すものが若干異なるため、その点は注意が必要となる言葉です。

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