中小企業が大企業出身者を採用すると失敗するワケ
大企業や大手企業と比べると、人材不足に悩まされやすいのが中小企業であり、それだけに能力の高い人材、欲しい技能を持っている人材には何としても入社してもらいたいはず。
だから、大手企業で長い経験を持つ人材が中途採用に応募してくると「ぜひ入社を」となりやすい。技術や経験は申し分ないのだから当然だろう。しかし、中小企業が大企業の出身者を採用して失敗するケースも少なくない。
■中小企業が大企業出身者を採用して失敗するワケ
『採るべき人 採ってはいけない人 第2版 採用に悩む小さな会社のための応募者を見抜く技術』(奥山典昭著、秀和システム刊)では、多くの中小企業が大企業出身者とのミスマッチを経験しているとして、その原因について解説している。
その失敗は必然です。
「持ち物」だけに目を奪われ、「使い手」の能力に向き合わなかったからです。(P33より)
持ち物とは、技術や経験知のこと。つまりその人が持っている「情報」である。この情報をたくさん持っている人材は、企業から見るといかにも有能に見える。
しかし、本書では「仕事ができるかどうか」を決めるのは、経験知や技術といった情報を生産性の確保に向けてうまく使っていく仕事力」だとしている。応募者が経験知という武器を持っているだけでは、仕事の生産性は判断できないのだ。
大企業出身者は経歴だけを見ると華やかで、中小企業からすると「どうしても入ってほしい」となりがちだが、こうした経歴や経験に気を取られると、それらの持ち主の本当の能力を見抜くエネルギーが削がれてしまう。これが「人を見る目」を曇らせる大きな要因なのだ。
どんな経験知も技術も、それ自体では生産性につながらない。経験知や技術を生かすも殺すも、その人がそれらの武器をどう使うかで価値が決まるのである。
◇
本書でいう「仕事力」とはその人の奥底に根付いているものと深い関係があり「仕事人格」や「人間力」と言い換えられるもの。この力が高いほど、技術なり経験なりの、仕事を通して自分に集まってきた情報を有用に使うことができるという。
それでは、「情報を生産性につなげられる仕事力」とはどのように決まり、それは現場の採用担当者はいかに見抜きうるのか。本書ではさまざまな視点から「個性」としての仕事力に迫る。
人材採用に関係する人はもちろん、人材としての自分の価値を高めたい人、もっと自分の能力を伸ばしたい人にとっても学びの多い一冊だ。
(新刊JP編集部)
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