「柳に雪折れなし」とはどんな意味?「柳に風」との違いは?

「柳に雪折れなし」とは、思考や行動に柔軟性を持たせ、しなやかであることの大切さを語るときなどに用いられます。
この言葉は、植物の柳の特徴から来ました。
似た言葉に「柳に風」がありますが、2つは異なる意味合いで用いられます。

そこでここでは、「柳に雪折れなし」という言葉について、その意味や由来、類義語について解説します。

「柳に雪折れなし」とは

 

まずは「柳に雪折れなし」について見ていきましょう。

「柳に雪折れなし」の意味

「柳に雪折れなし」とは、柔らかいものは堅いものよりも持ちこたえることがあるという意味合いの言葉です。

しなやかな柳の枝は、雪が積もってもその重みをうまく逃がすことができるために折れることもありません。
対して、堅い木はしなやかさがないため、雪の重みで枝が折れてしまうこともあります。

これが転じて、柔軟なもののほうが剛直なものよりも耐える力が強いことを表現する言葉となりました。
一見弱々しく見えるものでも、しなやかさがあれば持ちこたえることの例えとしても使用されます。

「柳に風」との違い

「柳に風」とは、逆らわなければ災いも受けないことを例えた言葉です。
相手が強い調子であっても、柳の枝が風になびくように、さらりとかわすことで巧みにやり過ごしたりあしらうことの例えとして使用されます。

「柳に雪折れなし」は、うまく耐えることをあらわすのに対し、「柳に風」はうまくかわすことやあしらうことを指します。

柳の「幹」は折れることもある・・・

柳はしなやかで折れにくい植物とされています。
しかし、それはあくまでも枝の話です。
柳の枝は柔らかいが、幹は枝に比べれば堅いので台風や嵐の中で折れることもあります。

例えにされているのは柳の枝であって、柳の木そのものではないということです。

「柳」はこんな植物

 

「柳に雪折れなし」や「柳に風」において例えに使用されている、柳とはどのような植物なのか見ていきましょう。

実は種類が豊富な「ヤナギ」

柳は、ヤナギ科ヤナギ属に分類される植物です。
主に北半球に分布しており、その数は約350種前後ある植物だとされています。
日本で柳と言えば、一般的にシダレヤナギを指します。

ちなみにヤナギ科ヤナギ属などの植物は漢字で「柳」と表記されるのが一般的ですが、「楊」と表記されることもあります。

この2つの漢字表記の違いは、枝の特性によって使い分けることができるからとされています。
枝が下に垂れるヤナギの仲間はは「柳」と表記され、枝が上に伸びるヤナギは「楊」と表記されることがあります。

柳を川岸で見る理由

柳は、水分の多い土壌を好みます。
そのため、土手などに植樹する際に選ばれやすいことから川岸などで見かけることが多いのです。

ちなみに、土手などに生えていた柳が嵐などで流されて、下流域に流れ着くことで、新しい芽が下流域の河川敷などで芽生え成長するということもあります。

「柳に雪折れなし」の類義語

 

最後に「柳に雪折れなし」の類義語を見ていきましょう。
類義語としては、「柔よく剛を制す」「歯亡び舌存す」などがあげられます。

柔よく剛を制す

「柔よく剛を制す」とは、柔軟であれば剛強なものも押さえられるという例えです。
古代中国の老子の思想を基調に書かれたとされる「三略」の中の一節から生まれた言葉とされます。

歯亡び舌存す

「歯亡び舌存す」とは、剛強なものは滅びやすく柔軟なものは残ることの例えです。
歯は強くて堅いが、やがて抜け落ちてしまいます。
しかし、柔らかい舌はずっと変わりなく残ります。

この口内の様子から生まれた表現だとされています。

まとめ

「柳に雪折れなし」はm柔軟な方が剛強であるよりも耐えられるという意味です。
柳の枝はしなやかなので、雪が積もっても折れにくいです。
しかし、まっすぐ硬い枝というのは、雪が積もりすぎるとその重さに耐えきれなくなり折れてしまうこともあります、

そこから、しなやかな方が持ちこたえることが可能という意味で用いるようになりました。

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