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今、ビジネスの場で「心理的安全性」という考え方が注目されている。
心理的安全性が高いチームは、メンバーが安心して働くことができるため、コミュニケーションが活性化し、メンバー同士の信頼関係が深まり、チームの収益性も高まるとされている。また、ハラスメントや不祥事、離職率が下がるなどの効果があるともされる。
では、どうすれば心理的安全性の高い職場・チームをつくることができるのか、は会社に限らず、あらゆる組織の共通の課題である。というのも、心理的安全性が確保されていない組織は日本にはまだまだ多いからである。
■Googleの研究であきらかになった「パフォーマンスが高いチームの特徴」
『わたしからはじまる心理的安全性』(塩見康史、なかむらアサミ著、翔泳社刊)では、リーダーやメンバーといった立場を問わず、誰でも実践できる心理的安全性を作るための方法を紹介する。
心理的安全性は、Googleのプリジェクト・アリストテレスというチームの研究によって世界的に有名になった。日本においても多くの企業が心理的安全性を高めるために、さまざまな取り組みを行っている。
心理的安全性が高いチームとは、メンバーがお互いに何でも率直に言い合え、安心して前向きに挑戦できるチームのこと。
「私がここで意見を言うと、でしゃばっていると思われるのでは」
「さしてこの分野に詳しくない自分が、偉そうに口をはさんでいいのだろうか」
「上司が自信満々に出してきた企画が、どうにもイケてない。でもダメ出ししにくい」
このように、その場のメンバーや立場によっては、言いたいことを口に出しにくい場面は、ビジネスの場では少なくない。心理的安全性の高いチームでは、このような職場の対人関係でのリスクに対する恐れを感じずに、のびのびと行動できることができる。
そのような職場・チームをつくるには、マネージャーだけが頑張るのではなく、一人ひとりができることからはじめ、チームづくりに参加すること。そして、一気に変えようとするのではなく、小さなことをコツコツと積み上げるというスタンスが重要になる。小さな変化をたくさん積み上げ、継続することで、チームが良い方向に変わっていくのだ。
一人ひとりができることとは、まずはコミュニケーションの基本を押さえること。たとえば、あいさつをしっかりするのも大切。あいさつは自分と相手の存在を認める行為だ。「お互いを認め合っています。これから意味のある時間を過ごしましょう」というメッセージが含まれていると考えると、あいさつは単純な行動だが、とても大切な行動だとわかる。
また、入社してしばらくは、職場において会社の一員として認められるようにがんばるもの。所属に対する不安を解消するために必要な言葉が「ありがとう」だ。「ありがとう」は所属の欲求を満たす言葉であり、自分が貢献したことがわかる。褒めたり励ますことより、「ありがとう」と言うほうが難しくない。まずはたくさんの「ありがとう」を言うところからはじめると良い。
働きやすい場所、チームは自分たちでつくる。そのために一人ひとりがどんな行動をとり、コツコツと積み重ねていけばいいのか。リーダーもチームのメンバーも、心理的安全性が高いチーム・職場をつくるために本書から何を実践すればいいのか学んでみてはどうだろう。
(T・N/新刊JP編集部)
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