「京都五社めぐり」の旅。平安京ゆかりの地を巡るおすすめルート
御朱印旅や御神酒、参道グルメなどの本を書いている、社寺旅作家の大浦春堂です。今回の目的は、平安京にゆかりの深い5つの神社(賀茂別雷神社、松尾大社、平安神宮、八坂神社、城南宮)で御朱印をいただく「京都五社めぐり」。
京都はその昔、北の玄武、東の蒼龍、南の朱雀、西の白虎の方位を司る神が守る四神相応の地として平安京が遷都されました。そんな吉相の地に建つ神社を参拝して、2024年(令和6年)の招福を祈ってきました。
東京駅を出発
東京駅から東海道新幹線で京都へ
京都の社寺は、夕方には社務所を閉じてしまいます。そのため、御朱印をいただくなら、出発時間は早めに設定するのがベター。JR京都駅に午前9時過ぎくらいに到着するようにJR東京駅を出ると、1日の活動時間を多くとれておすすめです。
東京駅から京都駅までの所要時間は約2時間10分。新幹線の車中で、旅の行程を再度確認していきます。「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」であれば、新幹線と宿のセットがお得に予約できますよ。
京都五社めぐり/松尾大社
1か所目:西の白虎の方位にある松尾大社へ
京都駅に到着後、市バスに乗って約40分。「松尾大社前」バス停で下車し、徒歩3分ほどで「松尾大社」に到着です。
松尾大社は、室町時代末期から「日本第一酒造神」と崇敬され、現在でも全国の酒造家や酒造メーカーから「酒造の神様」として信仰されています。
社殿の背後にあるのが霊泉「亀の井」です。松尾山から流れるこの水を酒造りに使用すると酒が腐らないといわれ、古くから、醸造家が水を持ち帰って元水として使用する風習があります。
松尾大社の見どころのひとつ、亀の手水舎です。
松尾大社では亀が神様のお使いとして崇められており、境内には手水舎だけでなく、撫で亀などもみることができます。
お参りをしたら、授与所で「京都五社めぐり」(※)で使う、朱印を押印してもらう台紙をいただきます。押印はどこの神社から始めてもOKで、対象となる5社のいずれでも台紙が用意されています。
※編集部注:「五社めぐり四神色紙」初穂料 1000円、朱印料 各300円
松尾大社は西の方位を守る白虎にあたるため、方位にちなんだトラのかわいいおみくじや御朱印帳もありました。ほかにも、お酒にまつわるお守りなど、ここだけにしかない授与品も多くあり、お酒が好きな人への贈り物にもよさそうです。
団ぷ鈴
参道のお休み処「団ぷ鈴」でランチ
お昼ごはんは、松尾大社の参道にあるお休み処「団ぷ鈴(だんぷりん)」でいただきます。
お酒の神様を祀る神社の参道らしく、神社ゆかりの日本酒もありました。亀の井を仕込み水に使用した「酒公杯」は、きりっとした口当たりとほのかな木香が楽しめる吟醸酒。京都でも一部の地域でしか出回らない貴重なお酒なのだとか。
八坂神社
2か所目:列車を乗り継ぎ蒼龍の八坂神社へ
松尾大社駅から阪急嵐山線で桂駅へ、桂駅で阪急京都線に乗り換えて京都河原町駅まで。駅から徒歩10分ほどの、祇園にある「八坂神社」へ向かいます。
地元の人から「祇園さん」と親しまれ、7月から1か月にわたって行われる神事「祇園祭」は特に有名です。
アイコニックな西楼門の屋根には、ハート形に見える箇所があるとして、若い世代を中心にフォトスポットになっているとか。
ほかにも、縁結びの神様である大国主命を祀る境内社など、見どころも多くあります。
八坂神社の社務所には御朱印専用の窓口があり、先に朱印代を納めて番号札をもらってレーンに並び、色紙や御朱印帳をあずけて記帳いただきます。
平安神宮
3か所目:1日目のラストとなる平安神宮へ
「祇園」バス停から市バスに乗って「岡崎公園 美術館・平安神宮前」バス停で下車、5分ほど歩くと「平安神宮」に到着です。
平安遷都1100年目にあたる1895年(明治28年)に創建された神社で、平安京に遷都した桓武天皇を御祭神としてお祀りしています。
独特の外観をもつ社殿は、平安京の正庁だった朝堂院を8分の5のスケールで再現しています。
平安時代にタイムトリップしたような朱塗りの回廊には、蒼龍・白虎・朱雀・玄武の四神をあしらった吊灯籠のほか、境内には蒼龍と白虎の手水舎など、四神にちなんだものを見つけることができます。
御朱印は應天門をくぐって左手にある窓口で受付しています。四神を描いた御朱印帳もあるので、ぜひチェックしてみてください。
初日はこれにて終了。京都駅近辺のホテルに向かいます。
賀茂別雷神社
4か所目:玄武に位置する賀茂別雷神社へ
2日目は、京都駅から烏丸線で北山駅、「北山駅前」バス停から市バスに乗って「上賀茂神社前」バス停で下車。世界遺産に登録されている「賀茂別雷神社」へ向かいます。
平安京の守護神として崇敬された京都最古の神社で、平安時代から続く例祭「賀茂祭(葵祭)」でも知られています。
御祭神である賀茂別雷大神は、玉依姫命が賀茂川で禊をしていた際に流れてきた丹塗りの矢との御神縁により懐妊し生まれた神様で、境内には母神である玉依姫命を祀る摂社「片山御子神社」があります。
2024年(令和6年)に放送される大河ドラマの主人公であり、源氏物語の作者である紫式部が、恋愛成就を願って参拝したと伝えられています。
京野菜の賀茂なすを模したおみくじなど、ユニークな授与品も。
神山湧水珈琲|煎
境内カフェ「神山湧水珈琲|煎」でひと休み
お参り後、社務所の隣にある「神山湧水珈琲|煎」に立ち寄って、コーヒーをいただきました。
賀茂別雷神社の御神水を使って淹れたコーヒーのほか、参道の名物の和菓子をいただけるスポットです。季節ごとに変わる敷地内の草木を眺めながら、とっておきの一服ができます。
城南宮
5か所目:ラストは朱雀に位置する城南宮へ
「上賀茂御薗橋」バス停から市バスに乗って「北大路バスターミナル」バス停で下車、さらに北大路駅から烏丸線で竹田駅へ。駅から20分ほど歩き、「城南宮」に到着です。
遷都の際、平安京を守る神社として創建されたことから、方位除・厄除の神様として信仰されている神社です。引っ越しや家の新築、増改築をはじめ、旅行安全、交通安全を祈願する人が多く参拝します。
春には雅な王朝文化の歌会を今に伝える曲水の宴が催されるほか、流鏑馬発祥の神社ということもあり、こんなキュートな神馬みくじもあります。
城南宮の印を貰って、「京都五社めぐり」は満願です。最後の神社の社務所や朱印所、授与所などにて記念品となるしおりをいただきます。
これにて1泊2日の旅は終わり。京都の東西南北にある平安京ゆかりの神社をめぐり、千年にわたって栄える街を体感することができました。
四神の守護にあやかり、2024年もつつがなく過ごせますように。
東京駅に到着
掲載情報は2024年1月26日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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