『セマンティックエラー・ザ・ムービー』感想戦してみた! 「観ていて気持ちの良い人間ドラマ」「モノローグに頼らない演出が良い」

社会現象を巻き起こし、韓国BL の歴史を塗り替えた、全てが正反対な二人の予測不能な恋を描いた青春BLドラマ「セマンティックエラー」の劇場版『セマンティックエラー・ザ・ムービー』が前編・後編の2部作で【前編】が公開中、【後編】が1月26 日(金)より公開となる。

原作は、韓国電子書籍プラットフォームRIDIBOOKS で、2018 年BL 小説大賞を受賞した「セマンティックエラー」(すばる舎刊)。韓国動画配信サービスWATCHA で実写オリジナルドラマが制作され、配信されるやいなや爆発的な人気でハマる人が続出、一大シンドロームを巻き起こし、世界中のBLファンの間で熱狂を呼んだ。“セマエラ”の勢いはとどまることなく、短編アニメ、ウェブコミック、オーディオドラマが展開され超絶人気コンテンツへと成長。

本作の魅力は、なんといっても、主人公二人<秀才で変わり者な完璧主義者の大学3年生チュ・サンウと学校イチのカリスマで自由奔放なイケメン・モテ男のチャン・ジェヨン>のキャラクターと、主演の二人がシンクロすることでうまれる最高のケミストリー。最低最悪の出会いから、ぶつかり合って惹かれ合い、お互いへの気持ちに気づいて恋が一気に走り出す――。

前後編を鑑賞したライター陣4名による感想座談会を実施。「BLに全然詳しくないライター」「BLにちょっとだけ詳しいライター」「BL作品の取材をよくするライター」が“セマエラ”をどう観たか?お届けします!

Aさん:BLに全然詳しくないライター
Kさん:BLに全然詳しくないライター
Mさん:BLにちょっとだけ詳しいライター
Nさん:BL作品の取材をよくするライター

可愛いくて優しい気持ちになれるストーリー

Aさん:私はBL作品をあまり観たことが無かったのですが、まず「とても爽やか!」と思いました。恋愛映画として楽しめた。

Kさん:正反対の2人のやりとりが可愛いくて、BL作品に詳しい・詳しくない関係なく楽しめる作品です。

Mさん:他の登場人物たちもすごく良いキャラクターで!悪人がいないから気持ちが良いですね。

Kさん:優しい気持ちになりますよね。ちょっと昔の韓国ドラマって、絶対妨害とか嫌がらせするキャラクターが出てくる。

Aさん:サンウに片想いをしているジヘというキャラクターが出てきますが、彼女が邪魔をしてきたら、私的にはその展開いらないなと思ったら、綺麗に身をひいて応援してくれて感動的でしたね。

Nさん:かつてのBL作品って好意を向けられた時に「気持ち悪いからやめろ」という展開に一回はなることが多かったじゃないですか。その後仲良くなったとしてもそういう場面が組み込まれることが苦手だったので、セマエラはそういう面が無くてすごく良かったです。最初は純粋に相手が嫌いだったというだけで(笑)。

Mさん:韓国BLってあまり知らなかったのですが、人気なんですか?

――韓国にはもともとBL文化は根付いていなくて、日本とタイがすごくて、その間に台湾があると言われているそうです。その中でこのセマエラが社会現象的な人気となって大旋風を巻き起こしたと!

Nさん:もう文化を変えるくらいの作品ですね! 最近よく思うのが、「登場人物の男性全員が、男性好き」という設定が多すぎて、リアリティの無い世界だなって。

Mさん:心の機微が無いというか、いきなりそれ?!というのが多いですよね。

Nさん:セマエラは男性もいて女性もいて、みんながその個人のことを好きになるという所が良かったです。

Aさん:すごくフラットな描き方をしている所が好感でした。

壁になって2人の様子を見守りたい!(笑)

Kさん:皆さんはどのシーンにキュンキュンしましたか?

Nさん:予告!予告システムがやばかったです。キスを予告するとは…。

Aさん:その予告から、すぐキスするのかな…と思いきや、なかなかしないのもキュンとする!

Mさん:私は前半より後半の、もうラブが完全発生している状態の方が好きなんですが、もう一度見直した時に前半の駆け引きもたまらないなと思って。

Kさん:迷いますね!どちらも捨てがたい。前半は“ケンカップル”どころではなく、本気で嫌いすぎて、ここからどうなるの?!と思って面白かったですね。

Aさん:
サンウじゃなくて“サンチュ”ってあだ名でおちょくるところも良いですね。

Kさん:韓国作品らしいあだ名いじりだなあって。サンチュ可愛い(笑)。

Aさん:ジェヨンがサンウが赤色を嫌いだからという理由で全身真っ赤な服で現れるじゃないですか。その行為自体も可愛いのですが、何よりもジェヨン役のパク・ソハムさんが赤が似合いすぎていて…!

Nさん:分かる!!私は黒スーツとか黒ライダースが好きなのですが、ジェヨンに関しては赤の方が似合っていたと思うほどの(笑)。

Mさん:あのファッションを着こなせる人はそうそういないです(笑)。

――ジェヨンとサンウどっち派ですか?

Aさん:2人ともカッコ良いけど、ジェヨンが本当に素敵で!

Mさん:ジェヨンです!カッコ良すぎる。

Kさん:性格きつそうな、いじわるそうな顔がタイプなのでサンウです!

Aさん:ジェヨンは、見た目は本当にモテモテのイケイケのイケメンなのですが、健気で優しくて。そのギャップが良いですね。

Mさん:サンウがどんなにワガママいってもあたたかく見守っている感じがたまらないですね。

Nさん:私は……。壁になって2人の仲良くなっている姿を見ていたいです(笑)。

Aさん:面白い(笑)。

Mさん:でも分かります、ただただ眺めていたい2人の可愛さがありますね。

ドラマより大人なアニメも見どころの一つ!

――アニメは原作の小説の世界観に近く、ドラマの方がライト層が観やすい様に作られているようです。

Nさん:ドラマは可愛いしキュンキュンして、アニメはラブシーンもあって。そのギャップがすごかったですね。

Aさん:アニメは大人な内容になっていて、ビックリしました。

Kさん:この2つの違いが楽しめる劇場版、めちゃめちゃ豪華ですよね。

Mさん:SNSで本作を観た人の感想を見ていたら、アニメでビックリした人多かったみたいですね!

Nさん:榎木さんも増田さんも、お芝居がすごく好きなので、この2人が声優ってやばい!!

Kさん:公式サイトのコメントで、榎木さんが「なぜ、ジェヨンに抜擢されたんだろう、意外だった」とおっしゃっていましたけれど、作品を観た後だと、やっぱり榎木さんがジェヨンで増田さんがサンウなんですよね!ナイスなキャスティングだなと唸りました。

――原作小説は、劇場版で描いていないその後も描かれていたり、ジェヨンがサンウの首筋に惹かれていた…なんていう描写もあったりするので、劇場版でハマった方はぜひ原作もチェックしていただきたいです!

さすが韓国エンタメ!という演出が素晴らしい

Nさん:この作品の好きなところが、モノローグが無いところです。最近の日本の作品、特にBL作品でモノローグが多すぎて、主人公の気持ちがそれで全部分かってしまうのは残念だなと思う時があって。セマエラは脚本が丁寧だし、演技や表情の力で、モノローグ無しの演出でもお互いの気持ちが分かるから。

Mさん:恋愛作品、BL作品でモノローグばかり聴かされると恥ずかしくなりますよね。

Nさん:「俺はどうしたらいいんだ…?!」みたいな心の声が多すぎると恥ずかしい(笑)。

Aさん:昔は少女漫画とかでよく見た気がしますね。確かにセマエラには無かった。

Kさん:さすが韓国エンタメという感じで、ほどよく分かりやすく、ほどよく余白を残した演出が良いですよね。

Mさん:とにかく2人が男前で綺麗、女性陣のファッションも可愛くて大好きでした!気が早いですが、劇場で観た後は、配信でも仕事に疲れた日の癒しに観たいなと思いました(笑)。たまに好きな作品だけれど人間関係のドロドロが嫌だからそこだけ飛ばして観ることもあったりして、序盤の方でも話が出ましたけれども、セマエラはそれが無くて本当に気持ち良い可愛い作品なので本当にツボでした!

Kさん:疲れている時に疲れる描写観たくないの、めっちゃ分かる……。

Aさん:キュンもありつつ、人間ドラマとしてよく出来ているので、ぜひたくさんの方の感想を聞いてみたいですね!

Kさん:ワガママをいうならば、続編も観たい!!!!(笑)

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作品情報

『セマンティックエラー・ザ・ムービー』


全てが正反対な二人。
最低最悪の出会いから、予測不能な感情と行動が起動、完璧だった日常がバグりはじめる―。

【STORY】
コンピューター工学科の大学 3 年生チュ・サンウ(パク・ジェチャン)は、学科イチの秀才で変わり者。規則通りの毎日を過ごし、自分のルーティンを乱されることを何よりも嫌う完璧主義者。一方、デザイン科の4年生チャン・ジェヨン(パク・ソハム)は、学校イチのカリスマでモデル並みのイケメン・モテ男。自由奔放で感性のままに生き、卒業後は、留学を控えている。ある日、サンウは、グループ課題の講義を一人で発表する羽目になり、不参加メンバーを教授に通報。サンウと同じグループだったジェヨンは、講義をさぼったことで卒業が取消しになってしまう。将来を台無しにされたジェヨンは、サンウに恨みを抱き、彼を探し出して、完璧に計算されたサンウの日常を崩そうと嫌がらせを始める。そんなジェヨンを自業自得とばかりに毛嫌いするサンウだったが…。

2022 年/韓国/前編:95 分 後編:106 分/カラー/2K ビスタサイズ/5.1ch/原題:시맨틱 에러: 더 무비/英題:Semantic
Error: The Movie ╱翻訳:小西朋子
原作:J.Soori 「セマンティックエラー」(すばる舎)
監督:キム・スジョン
出演:パク・ソハム、パク・ジェチャン
提供:トムス・エンタテインメント
配給:ブシロードムーブ/トムス・エンタテインメント
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公式 HP: semaera.jp /X:@semaera_jp

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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