磐梯熱海温泉・四季彩一力に宿泊。周辺のおすすめ観光スポットも紹介

磐梯熱海温泉・四季彩一力に宿泊。周辺のおすすめ観光スポットも紹介

みなさん、こんにちは! 現役アナウンサーで温泉専門家/温泉ジャーナリストの植竹深雪です。温泉は大地の恵み。温泉で美肌が手に入ることを体感して以来、すっかり温泉のとりこに。これまで国内外3300以上の温泉に入ってきました。

今回は、湯に浸かるだけで美肌に近づくといわれる、福島県にある磐梯熱海温泉を味わい尽くしたいと、老舗旅館「四季彩一力」に泊まる1泊2日の温泉旅に出かけました。温泉街にあるおすすめの観光スポットもご紹介します。

※編集部注:入浴中の写真は、撮影のため、許可を得て湯浴み着を着用しています。

東京駅を出発

東京駅から「やまびこ」で郡山駅へ

美肌温泉旅のはじまりはJR東京駅から。新幹線が並ぶ東京駅のホームに立つと、これから旅が始まるという期待感や高揚感が高まってきます。

まずは、東北新幹線「やまびこ」で約1時間15分、JR郡山駅へ向かいます。

東北新幹線 やまびこ

郡山駅で磐越西線に乗り換えて、4駅20分ほどでJR磐梯熱海駅に到着です。

磐梯熱海温泉を散策

磐梯熱海駅前の足湯でひとやすみ

東京から2時間弱で、あっという間。列車でアクセスしやすいので、サクッと温泉でリフレッシュがしたい時にピッタリかもしれません。「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」を利用すると、新幹線と宿のセットがお得に予約できますよ。

JR磐梯熱海駅

磐梯熱海駅があるのは、福島県郡山市熱海町。ところで、福島なのになぜ「熱海」と付いているのだろう?

由来は、源頼朝の家臣で安積郡(現:郡山市)を治めた伊東祐長がふるさとをしのんで、伊豆と同じ地名を領内の各地に名付けるなかで、温泉の湧くこの地を「熱海」としたといわれています。

磐梯熱海駅前足湯

磐梯熱海駅の改札を出てすぐのロータリー内に「磐梯熱海駅前足湯」があります。すぐ近くの看板には、磐梯熱海温泉に伝わる「萩姫伝説」について記されていました。

南北朝の時代、不治の病に苦しむ 萩姫という美しい姫がいました。不動明王より「都より東北方、500本目の川岸にある霊泉に浸かれば、病は全快する」とのお告げを受けた姫は、京の鴨川から数えて500本目の川にある磐梯熱海温泉にたどり着き、湯に浸かって病を完治させました。以来、磐梯熱海温泉は、美人をつくる湯としても広く認知されるようになったそうです。

磐梯熱海駅前足湯

足湯は、午前9時から日没まで。誰でも気軽に無料で楽しむことができます。

磐梯熱海には、この磐梯熱海駅前足湯のほか、旅館「栄楽館」が無料開放している「お美あしの湯」、さらに駅から1.5kmほど離れた場所に「ケヤキの森足湯」があります。列車旅なら駅前にあるこの足湯が便利です。

日本きもの美術館

日本きもの美術館で着物と歴史文化に触れる

まずは、2022年にオープンした、磐梯熱海駅から徒歩10分ほどのところにある「日本きもの美術館」へ向かいました。

日本きもの美術館

こちらでは江戸時代から昭和初期までの貴重な着物を収蔵していて、その数は約4600点。国内有数の規模なのだとか。その中から季節やテーマに合わせて厳選された着物が展示されています。

花魁道中着

美しい花魁道中着。取材時は25点を展示

3階の展示は、美しい花魁道中着(※)がメイン。歴史的な背景が浮かぶかのような絵柄のデザインについ見入ってしまいました。

※編集部注:江戸時代、位の高い遊女が茶屋などに、なじみ客を迎えに行く行事で着用した華やかな衣装

銘仙着物

2階は50点の銘仙着物を展示

銘仙着物が並ぶ2階へ。銘仙着物とは、平織りの絹織物の一種。他の着物に比べてカジュアルな普段着向けで、大正時代から昭和初期にかけて流行したそう。着物の絵柄から、当時をイメージしながら鑑賞しました。

筆者 カフェ

見応えがある着物を鑑賞したら、あっという間に2時間くらい経過。1階のカフェでほっとひと息、ブレンドコーヒーをいただいて小休憩を。

ミュージアムショップ

日本きもの美術館 ミュージアムショップ

ミュージアムショップには、銘仙着物を羽織って記念撮影ができるブースもありました。

四季彩一力 1日目

磐梯熱海温泉 創業百余年の老舗旅館へ

美しい着物を鑑賞したあとは、ゆっくりと温泉街を探索しつつ、この日お世話になる「四季彩一力」へと向かいました。

ちなみに、磐梯熱海駅から旅館までは徒歩5分ほどの距離ですが、送迎サービス(事前予約制)もあります。

四季彩一力

老舗の風格漂うエントランス

四季彩一力は、1918年(大正7年)創業の老舗旅館で、皇族方や海外の要人などセレブリティーも宿泊したという、磐梯熱海温泉随一の格式を誇る名旅館です。

自家製季節の羊かんと抹茶

自家製季節の羊かんと抹茶

宿帳に記入したあと、日本庭園を見渡せるロビーでウェルカムサービスのお抹茶と自家製羊かんをいただきます。

少しロビーでくつろいでから、お部屋へ。

四季彩一力

大階段壁面の装飾

館内に飾られた斬新なアートの数々に、つい目を奪われます。大階段の壁面の装飾で、赤い色は「命のあか」を表したもの。命の自由さと力強さをイメージしたものなのだとか。

萩の倉 客室

萩の倉 客室

お部屋には「萩の倉」「湯の倉」の2タイプがあり、総部屋数は67室。今回は和風情緒溢れる萩の倉のお部屋です。

四季彩一力の温泉

萩姫伝説で知られる名湯と自家源泉の湯

お部屋で休憩をしたら、大浴場へ向かいましょう。男女別の大浴場は、男女の入れ替えはありません。

女性大浴場「山ぼうし」

女性大浴場「山ぼうし」

天井が高くて開放感がある造りの内湯。奥には時間によって稼働するジャグジーもあります。

露天風呂

じわじわ温まる露天風呂

内湯を堪能したあとは、露天風呂へ。

15人くらい同時に入ってもゆったり湯浴みができそうなサイズの湯船には、熱すぎず、ぬるすぎず、50度の源泉を39〜42度くらいの適温に調整された温泉がとうとうと注がれています。

無色透明の湯はアルカリ性単純泉。とろりとした浴感が気持ちよく、湯上がり後はしっとり。すべすべの美肌に近づいたと実感できましたよ。

自家源泉のぬる湯温泉

自家源泉のぬる湯温泉

せっかく四季彩一力に宿泊をしたのなら、内湯にあるこぢんまりサイズの湯船はマスト!

内湯や露天風呂とは別の源泉、「敷地内で湧出した源泉」が使われた30度ほどのぬる湯温泉。このぬる湯が超絶気持ちいいのです。

はじめはひんやりと感じますが、露天風呂や併設されているサウナでからだを温めてから浸かると、真綿に包み込まれたかのようなやわらかさと、からだがほどけたかのような感覚がやみつきに。心地よくて、何度もこのぬる湯を堪能しました。

ぬるいとはいえ、尊い自家源泉の湯、湯上がり後はしばらくするとポカポカに。

日本庭園 水月園

宿には総面積5000坪もの広さを誇り、五百川の清流が引き込まれた日本庭園「水月園」があります。薄暮の時間に湯上がり後のクールダウンで散策。ライトアップされた素敵な景色を楽しみました。

四季彩一力の夕食

夕食。愉悦のひととき

さて、夕食の時間になりました。料理長こだわりの「四季彩会席」です。

夕食

地酒の「天明 槽しぼり」をお食事と合わせました。穏やかでやさしい口当たりの食中酒は、季節の旬菜とピッタリマッチ!

メインは福島牛を使ったしゃぶしゃぶ。

福島牛

サシのバランスが美しい福島牛

福島牛のしゃぶしゃぶ(豆乳)

この日は豆乳だしのスープでした

味噌と塩麹がほんのり効いた、豆乳とだしのバランスが絶妙なスープは、料理長オリジナル。しゃぶしゃぶした牛肉が五臓六腑に沁み渡るおいしさでした。

四季彩一力 2日目

からだ思いでこだわりの朝食

一夜明けました。おはようございます。

客室からの眺め

窓を開けると、朝陽が差した日本庭園の絶景が。本当に美しくて、しばらく見入ってしまいました。

朝風呂を堪能したら、お腹も空いてきたので朝食会場へ。

朝食

こだわりの食材を使ったメニューがずらり。郡山産のきのこの煮付けや、長沼の名水を使用した二瓶食品の手づくり豆腐を使った湯豆腐、地元産の卵を使った梅干し入りの創作茶碗蒸しなど、どれもかなり絶品!

コシヒカリ あさか舞

郡山産のコシヒカリ「あさか舞」は、つややかで、もっちりとした粘りのある食感と口の中に広がるほのかな甘みが絶妙でした。

日本庭園 水月園

朝食後は日本庭園の散策へ。明るい時間の水月園は、夕方〜夜とは表情が全く異なります。見応えがある美しさでした。

気が付けば、あっという間にチェックアウトの11時。こころもからだもリフレッシュでき、美肌も叶えて。幸せな気持ちでお宿をあとにしました。

萩姫ふれあい通り沿いのミューラルアート

ミューラルアートで写真撮影

チェックアウトしたあとは、最近SNSでも話題になっているフォトジェニックなスポットへと向かいました。

お宿からすぐの「萩姫ふれあい通り」を歩いていると目に入るのが、新進気鋭のアーティストが描いたミューラルアート(壁画)の数々。

共同浴場 宝の湯

共同浴場「宝の湯」

現在は地元の方のみに開放しているという共同浴場「宝の湯」には、銭湯を水槽に見立て描かれた白熊が。

ギャラリーカフェ杢

ギャラリーカフェ杢のミューラルアート

「ギャラリーカフェ杢」に描かれたトーチジンジャーの花が目を惹くミューラルアートは、華やかなデザインで特に人気を集めているようでした。ミューラルアートがある5箇所は離れていないので、歩いて回ることができます。

湯泉神社

温泉の鎮守 湯泉神社

旅の最後は、磐梯熱海温泉街にある「湯泉神社」へ。

湯泉神社

境内には1819年(文政2年)建立の温泉碑があり、昔からこの地に温泉があったことを伝えています。

温泉がとにかく大好きな私は「泉」とつくと反応しがち……。

湯泉神社 筆者

自然の恵みによって地下より湧出する、温泉への祈願と謝恩。

磐梯熱海温泉との縁があり、この地を訪れることができた感謝の気持ちもこめて参拝しました。

磐越西線

老舗旅館ならではの雰囲気やおもてなし、美肌温泉、温泉街散策など、あますことなく堪能した磐梯熱海温泉。リフレッシュすることができて、萩姫にあやかり美肌にもだいぶ近づいたと実感した、大満足の1泊2日温泉旅でした。

帰りの列車は、やはりお名残惜しい気持ちになりますが……、また来ますね。

東京駅に到着

掲載情報は2024年1月25日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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びゅうたび

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