リル・ナズ・X、新曲 「J CHRIST」のビジュアルがキリスト教を侮辱していると批判を受け釈明&謝罪
リル・ナズ・Xが、自身の新曲 「J CHRIST」で気分を害した人々に説明と謝罪をしている。現地時間2024年1月15日にこの24歳のラッパーは、宗教をテーマにしたアートワークと、自身が十字架に架けられたイエス・キリストを演じているこの新曲のミュージック・ビデオが物議を醸したことに対して真摯に語る動画をSNSで公開した。
ポップ界の扇動者として常に最先端をいく表現を追求してきた彼だが、今回ばかりはやり過ぎてしまった部分もあると反省しているようで、「今回は本当に悪いことをしたとわかっている。気にしないふりはいくらでもできるけど、間違いなく精神的なダメージは受けている」とインスタグラムの動画で率直に述べており、「僕はみんなの価値観を破壊しようとする邪悪な悪魔のような男ではない。それは僕じゃない」と続けている。
リル・ナズは4分間のビデオの冒頭で、「J CHRIST」のリリースに至るまでのアートワークとバイラル・マーケティングに触れている。一連のTikTok動画で彼は、新しいゴスペル・ミュージックをインディーズでリリースするとジョークを飛ばした。別のインスタ投稿では、キリスト教系大学であるリバティ大学への偽の合格通知をシェアしていた(大学の担当者は後に、彼に2024年秋学期の入学許可を出していないと述べた)。彼はまた、宗教的図像を使用したことで激しい批判を浴び、彼がキリスト教を“馬鹿にしている”、“軽視している”と多くのコメンテーターが主張した。
彼は、「アートワークを手がけた時、宗教は多くの人々にとって非常にデリケートなトピックであるため、動揺する人々が出ることは分かっていた。でもこれはキリスト教徒を馬鹿にしたかったわけでも、クソ喰らえという意味でもなかった。文字どおり、僕がイエスのように蘇ったと言いたかっただけだ」と述べている。
リル・ナズはまた、聖体拝領をシミュレートしたTikTok動画についても謝罪した。この動画では、彼が宗教的な雰囲気の中でクラッカーをほおばりながら紫色のジュースを飲んでいる姿が映っている。「“Montero (Call Me by Your Name)”のビデオでの過去を考えれば、僕が宗教に関連することをすれば、嘲笑しているとみなされる可能性があることは分かっている。ただ、今回はそうではなかった。でも僕がクラッカーとジュースを食べているあの聖体拝領のビデオに関して言うならば、あの動画は深刻なムードを和らげるようなものなるかなと思っていた。子どもの頃にみんなやりたかったことだと思ったけど、それが実際に何を意味するかという考えが理解できていなかった」と彼は謝罪した。
そして、「カニバリズムとか、そういう意味でやったわけじゃない。でも謝るよ。やり過ぎた。キリスト教のルールの全てに賛成しているわけではないけどね、みんなが100%杓子定規にキリスト教に従っているわけではないことだって知っている。だって(そうだとしたら)世の中はもっとクレイジーだろうからね」と続けた。
1月12日にリル・ナズは、大きな話題となっていた、聖書的なタイトルを最大限に生かした「J CHRIST」のMVを公開した。この映像では、テイラー・スウィフトからカニエ・ウェストまで、有名人のそっくりさんたちが天国への階段を登っていくところから始まる。リル・ナズが監督したこのMVでは、地獄が描かれていた「Montero (Call Me By Your Name)」のMVを彷彿とさせるイメージが続き、盛んに議論が交わされてきた地獄へと続くポールや、悪魔のようなリル・ナズが大鍋で手足をかき混ぜる様子が映し出される。天国へ舞い戻った彼は、再会した悪魔と1対1のバスケットボールの試合をし、彼がボールをダンクするとチアリーディング・ルーティンでお祝いする。
釈明動画で彼は、「ビデオについてだけど、そこに無礼はない。あのビデオで僕が明らかに悪魔の側にいないのは……よくわからないけど、キリスト教をディスろうとしているのではないという(暗黙の)了解がそこにあると思ったんだ」と述べた。
彼は心のこもった動画の最後を、クリスチャンのファンへの前向きなメッセージで締めくくった。「これでみんながすぐに即座に前に進もうとはならないことは分かっている。でも、クリスチャンのファンには、僕があなたたちに敵対しているわけではないことを知ってほしい。僕は人々をより親密にし、愛を促進するためにこの世に置かれた。それが僕なんだ」と語った。
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