【オフィシャルレポ】「私たちの覚悟と決意を見ていて」いぎなり東北産、最大キャパでの大一番ライブでファンに誓い

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【オフィシャルレポ】「私たちの覚悟と決意を見ていて」いぎなり東北産、最大キャパでの大一番ライブでファンに誓い

いぎなり東北産が12月29日に〈いぎなり東北産 2023年大一番ライブ 〜いぎなり伝説への幕開け〜〉をパシフィコ横浜国立大ホールにて開催。約2時間30分に渡って全25曲を披露した公演のオフィシャルレポートが到着した。

【以下、オフィシャルレポート】

彼女たちが1曲目として会場に撃ち込んできたのは、オーディエンスの熱量が限界突破するような楽曲。無数の光の束が暗闇を切り裂き、耳馴染みのある歪んだギターの攻撃的なイントロが響き渡る「天下一品 〜みちのく革命〜2020ver」だ。脊髄反射的に客席からは絶叫のような声が上がれば、激しく振られるペンライトの向こう側に浮かぶステージに向け、彼女たちの歌声をかき消すかのような激しいコールが浴びせられる。一方、メンバーも冒頭から全身全霊、全力での歌唱を見せる。リハーサル前に「私たちは精一杯やることしかできないので、皆産ひとりひとりが“伝説だった”って思ってもらえるようなライブになったら。」と意気込みを語っていたリーダー・橘花怜も、「剣はどこだー!」と客席に向けてシャウト。しかしながら、メンバーカラーをチラ見せするマントを翻し、ステージの上で躍動する彼女たちの姿は、惚れ惚れするほどにスーパーヒーローそのものだ。

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パシフィコ横浜に導かれし者たち9人の自己紹介では、アルティメット魔法戦士・律月ひかるが厨二病なポーズをキメたり、ギャル戦士・安杜羽加が気だるさを見せたりと、物語の世界観と普段のいぎなり東北産が絶妙なブレンドを見せて、客席からは笑いが起こる。一方、ここ最近、体調不良が伝えられていた伊達花彩がこの日完全復活し、いつも通り会場を煽る姿はオーディエンスを安心させた。

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客席参加型の展開になることが多い、みんな大好き「青春修学旅行」では、早くもステージの上手と下手にクレイモアのような大剣が岩に刺さった状態で出現する。剣を見つけたメンバーたちは二手に分かれて、桜ひなのと藤谷美海がグリップに手をかけて一気に引き抜こうとする。だがしかし、どれだけふたりが力を入れてもなぜか抜けない。葉月結菜が困りながら「みんなの力が足りないみたい。みんなの声援とヘドバンが必要なの!」とステージ上から観客に応援要請を行なう。するとこれに応えるように、曲に合わせてパシフィコ全体がヘドバンを開始。なかなか目にすることができなさそうな稀有な光景を描き出しながら、桜と藤谷は、会場のすべての人たちの協力によって無事に最初の2本の剣を引き抜くことに成功したのだった。

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ライブ序盤が物語の導入部分だとすると、中盤は物語が大きく動く部分であり、かつ観客に大一番ライブの特別感を楽しんでもらうゾーンとなっていた。怪しげな紫色の照明に染め上げられたステージで披露された「HiGHER,HiGHER!!」で、北美梨寧が悩ましくマントを宙に踊らせると、次の瞬間、メンバーはメインステージを降りて客席へとなだれ込む。そしてメンバーは近くの観客に手を振ったり笑顔を振りまきながら後方まで伸びた通路をくまなく移動して「Chim Chim Chim Knee」を妖艶にパフォーマンス。さらに9人は客席の中に設置されたセンターステージに上がり、四方を観客に囲まれながら「re;star」を披露する。ホールという大きな会場でも皆産の近くに行きたいという彼女たちの要望と、大きな会場だからこそ実現した舞台演出は、本公演の印象的な光景のひとつを作り出していた。

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さらにこの中盤では、彼女たちが求める剣も客席に設置される。通路上、不自然に置かれた岩と、そこに刺さる剣を見つけたのは桜ひなの。「あー、こんなところに伝説の剣! ラッキー!」と、不用意に手を伸ばすと、次の瞬間、電撃音とともに電気ショックが彼女の体を貫く。そして、ステージ上のLEDパネルには、剣を引き抜くために試練を与えるという謎のキノコからの映像が流されて、メンバーがお題に挑戦するミニコーナーがスタートする。「試練!? 勉強はできないよ……。」と、メンバー誰も拾わない桜のボケをマイクがしっかりと拾いつつ、最初の試練はラップ。「年末に一言言わせてくれ!」というお題に対し、指名された葉月結菜は、「毎年やるよ大一番 東北産がナンバーワン 今日はみんなオンリーワン」と上手く韻を踏んでいくもののOKは出ない。続く橘花怜は「最強のアイドルとは?」というお題に対して、「ドルドルー ドルドルー ドルドルドルフィンキック」と、ラップというよりもサイドステップでネタを披露する芸人のような雰囲気を出してしまい、これもNG。「東北をプレゼンせよ」というお題を与えられた桜ひなのは、ラップを忘れて東北のいいところをまくしたてるようにプレゼンする。いぎなり東北産の姿勢としては合格なのかもしれないが、コーナーの趣旨としては当然不合格だ。

ここで安杜羽加が割って入ってくる。そして「あのね、みんな全然ダメなんだよね。……使いにくいお札は二千円。にせんえん、みぃせんいぇん……『未成年』!」との曲振りから、ラップで構成された年上組“とうほくちゃん”楽曲「未成年」へ。ステージ上のLEDパネルに映像を出しているカメラにアピールしながら、周りの観客も巻き込んで客席通路でパフォーマンスする5人。そして、3本目の剣は律月ひかるが引き抜いた。

メンバーがメインステージに戻ると、再び試練のコーナー。今度の試練はお題に沿った表現ダンス。最初は安杜羽加が「年末」をダンスで表現。安杜は、寝て起きて、寝て起きてを繰り返して、そして年越しジャンプ。“もういくつ寝るとお正月”という表現だったのかもしれないが、これではダメという判定。続く吉瀬真珠には「最強アイドル」というテーマが与えられる。これに対して吉瀬は、事務所の先輩・ももいろクローバーZを彷彿とさせるエビ反りと狙い撃ちを披露。「めっちゃいい!」「最高!」とメンバーも盛り上がるものの、これも不合格。ラストに指名されたのは伊達花彩。「やりたくない……」とつぶやきながらも、与えられた「情熱」というお題に火起こしのジェスチャーで応える。当然これも不合格ながら、次の瞬間に流れてきたイントロは、まさにそんな情熱的なサンバで会場が一体となる「伊達サンバ」。「みなさん! ここからは踊る時間です! お前ら、踊りまくれ!」と、伊達は客席に火をつけると、それを合図に観客は一斉に踊りだす。そして、興奮の坩堝と化したパシフィコ横浜の客席にメンバーは再突入。客席の間を駆け抜けて、伊達は通路に設置された剣を引き抜くのだった。

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この日一番の番狂わせが起きたのは、センターステージで行なわれた「甘い一言をカメラ目線で」という試練コーナーだった。いぎなり東北産の中でも得意とするメンバーと苦手とするメンバー、もしくはイメージ通りのメンバーとイメージにないメンバーで分かれるのが、この手の甘い台詞の披露だろう。最初の挑戦となった北美梨寧は、イメージ通り「あのね、りねね。」と電話しているシチュエーションで、韓国語で愛を伝える。観客は盛り上がったものの、いまいちという判定で不合格。続いての挑戦は、序盤の自己紹介で“爆笑戦士”と自ら名乗っていた藤谷美海。彼女に対しては、一体どんな面白ネタで返してくるのだろう、と、会場中の誰もが思っていた。しかし、ここで藤谷が投げ込んできたのは、「たまには美海のことも、可愛いって言ってほしい……な。」という、まさかの直球ど真ん中なフレーズ。あまりに想定外過ぎる事態と本気で照れている藤谷に、メンバーも観客も全員が悲鳴のような黄色い声を上げて騒然。そしてギャップ萌えという表現では表現しきれないほどの、大興奮の狂喜乱舞が巻き起こっていた。

そして最後に挑戦したのは律月ひかる。「あのね、私ね、あなたの全部が知りたいの。だから、あなたの解体新書を書くことにしたの。だから、解剖してもいい?」と、投げキッス。会場中から「いいよー!」の声が返ってくるなかなか狂気的な展開もありつつ、これも不合格で3人ともチャレンジ失敗。すると「なんかさー、みんなの聞いてたら、私もやりたくなっちゃった。」と、吉瀬真珠がカメラを呼び寄せる。そして「カメラマンさん、カメラマンさん、『君の瞳に乾杯』的な?」と、画面いっぱいにあざといキス顔を披露。この可愛さに、会場の至るところで思わず座り込んだり失神する観客も出たとか出ないとかは定かではないが、会場大興奮のコーナーは「テキーナ」で、無事に吉瀬が剣をゲットすることに成功した。

続いてバラエティー力が試される試練では、安杜羽加と橘花怜、さらに藤谷美海が変顔を披露。そして「うぢらとおめだづ」で大騒ぎのステージを展開すると、最後には計算されたカメラワークとともにメンバー全員が順番に変顔をキメて、安杜羽加が剣を引く抜く。そして1F客席全体を巻き込んで行なわれた一連のコーナーを締めくくる「深夜特急」。ステージを立体的に使い、フォーメーションを次々に変えて、面白いだけの東北産ではないステージングを魅せた。

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さらにここから、いぎなり東北産はまさかの2F席にも登場。1F席で盛り上がっている様子を眺めるだけだった2Fの観客はこれに大喜び。「Fly Out」「シャチョサン」を立て続けに披露すると、ずっと足元に転がっていたという棺の中から北美梨寧が剣を見つけて、いよいよ残す剣は2本に。

メインステージに戻ってきた9人が「結び」そして「メタハンマー」をパフォーマンスして、いよいよ最後の試練へ。最後は「観客の歓声でボルテージのレベルメーターをMAXにさせろ」というお題が出される。歓声に反応するレベルメーターを前に、ひときわ大きな声援を寄せる観客。そして彼女たちは、2023年のいぎなり東北産を代表する「わざとあざとエキスパート」など4曲を立て続けに披露。ラストの「服を着て、恋したい」で無事にレベルメーターがMAXに到達すると、ステージ上に設置された2本の剣を葉月結菜と橘花怜が勢いよく引き抜いた。

9本の剣を集めることに成功した彼女たちは、それぞれの剣を手にしたまま「ワンダフル東北 ~New ver.~」で観客に感謝を伝える。そして剣の儀式を経て伝説の羽根を蘇らせることにも成功したのだった。

暗転するステージと短い沈黙。スポットライトに照らされて、伊達花彩が静かに、しかし力強く歌い始める。この物語を締めくくる楽曲は「Whatever」。それは、たとえ叶わない夢だったとしても、それでも手を伸ばし、希望を捨てずに未来に歩いていくという決意。声を震わせて、手を伸ばし、宙を仰いた9人。この瞬間、彼女たちの胸に去来していたものは何だったのか。もしかしたらそれは物語を超えて、橘花怜の最後のMCの中に答えがあったのかもしれない。

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「はい。ありがとうございました! 戦士のみなさんお疲れ様でした!」

コンセプトライブのパートが終了し、葉月結菜の合図とともに、ステージ上に倒れ込みながら、いつものいぎなり東北産に戻る彼女たち。そして全員でこれまで演じてきた物語の世界観や衣装のポイントなどを説明し、年末のライブということで2023年の活動を振り返る。2023年、彼女たちは『スタプラアイドルフェス』でシンデレラグループになるところから始まり、TikTokの月間ランキング1位も獲得して大きなムーブメントとなった「わざとあざとエキスパート」をリリース。さらに全国ツアーを展開と精力的な活動を行なってきた。「じゃあ2024年は何をする?」と葉月が話を振ると、「パシフィコ横浜の3F席から流しそうめん!」という桜に「3ヶ月間ハワイ滞在」というセレブ生活を希望する安杜。橘は「みんなで制服を着てお寺に修行に行きたいのと、みんなで制服着て選挙に行きたい。」と、独創的な青春の謳歌の仕方を提案していた。

そして最近初披露したばかりの「ゾンビソサエティー」と「恋愛フィルター」の2曲を歌唱。2024年以降のいぎなり東北産にもつながっていく、彼女たちの最新型スタイルをパシフィコ横浜のステージで提示して、集まった観客から大きな歓声を浴びていた。

ライブ最終盤。再びステージ上で、9人が横一列に並ぶ。最後のMCは代表して、リーダー・橘花怜が口を開く。

「本日は、『いぎなり東北産 2023年大一番ライブ 〜いぎなり伝説への幕開け〜』にお越しいただき、本当にありがとうございます。私たちには、目標のひとつとして、日本武道館でのライブというものがあります。その目標を叶えるために、年末には『大一番ライブ』として、一昨年は宮城県民会館。去年は中野と仙台のサンプラザ。そして今日はパシフィコ横浜と、だんだんキャパを増やして活動を続けてきました。今までのワンマンライブで、今日は1番たくさんの皆産が集まってくれて、パシフィコ横浜に東北産のことが大好きな人だけが集まって。そんな素敵な景色を見られたのがとても嬉しいです。今日は会いに来てくれて本当にありがとうございます。」

観客に向けて感謝の言葉を口にする橘。しかしここから彼女は言葉に詰まり、澄んだ瞳を潤ませ、昂ぶる感情に声を震わせて、今の素直な気持ちを語り始める。

「本来であれば、今日、パシフィコ横浜を満員にして……来年は武道館と考えていました。ですが、パシフィコ横浜を満員の皆産で埋め尽くす事はできませんでした。今日、パシフィコ横浜で、『私たち、満員のパシフィコ横浜に立てたよ。こんなに大きくなれたよ。』って、みんなに胸を張って言いたかったけど、それができないのが、すごく悔しいです。……でも、私たちはここでは終わりません。来年は、この思いと、私たちをたくさん支えてくれているみんなの笑顔と、この景色を胸に活動を頑張っていきます。そしてちょうど1年後の2024年12月29日。ここ、パシフィコ横浜を満員の皆産で埋め尽くします。なので、今日からの私たちの覚悟と決意を見ていてくれたら嬉しいです。」

9本の剣を手に入れて伝説の羽根を蘇らせ、そして伝説のアイドルになる。本公演で彼女たちが演じてきた物語のように、実際の物事は上手く進まない。2023年、彼女たちはそのチャンスを掴み取るために必死にもがき、手を伸ばし続けてきた。だけど結局、それを手にすることは叶わなかった。間違いなく誰よりも悔しいのは彼女たち自身だ。でもこの9人は、だからといって諦めることなく顔を上げ、それでもやっぱり必死に手を伸ばし続けるだろう。

なぜならそれは、彼女たちが多くの人たちに希望を与えるという使命を受けたアイドルだから。そして彼女たち自身の物語はこんなところでは終わらない。終わるわけにはいかないから。

「私たちの今の気持ちを詰め込んだ曲」として最後に披露された「旅の途中」で、9人は光が溢れ出すステージに立ち、お互いに顔を見合わせながら歌声と想いを重ねる。ひとつ言えることは、雪のように羽根が舞ったステージから彼女たちが見た景色は、紛れもない現実だということ。確かに満員にはできなかった。だけどそれは同時に、彼女たちはあと少しで、ずっと思い描いてきた夢に手がかかるところまで来ている、という事実でもある。

だからこそ2024年12月29日。この日、我々はいぎなり東北産が伝説を生む瞬間を目にしなければならない。絶対に。

「今年もみなさんがいてくれたから、私たちはステージでキラキラすることができました。来年もみなさんと一緒に、嬉しいこと、楽しいことたくさんできるように頑張ります。今日も本当にありがとうございました!」

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