米オンライン学習Outschool、家庭教師市場に参入。AI活用で講師負担の軽減策も
子ども向けオンライン学習プラットフォームを提供するOutschoolは、新たに家庭教師市場へ進出すると公表。また、家庭教師が生徒の進捗レポートを作成できる「AI Teaching Assistant」を導入することも発表した。
Outschoolは、2015年に設立された教育プラットフォーム。生徒の興味に沿った授業をオンライン上で提供しており、語学や数学といった科目だけでなく、楽器やイラストなどクリエイティブに関するレッスンも多い。累計学習者は100万人を超えており、4,000人以上の講師が在籍中だ。
1回のみのレッスンもあれば、毎週継続するもの、1学年にわたるものまで、種類も幅広い。対象者は3歳から18歳まで。
同社ではこれまでは少人数のグループ授業に注力していたが、今回から1対1のオンライン家庭教師サービスを始めるという。
OutschoolのCEO、Amir Nathoo氏は「代数学や幾何学も、適切なアプローチをすれば楽しくなる。個別指導は、親が子どもたちに必要な学習サポートをするための強力なツールだ」と、今回のサービス開始に際して語った。
AIで家庭教師の事務業務を効率化
Outschoolが新たに導入するAI Teaching Assistantは、講師が進捗レポートを迅速に作成するサポートとなる。毎回の学習セッションの後、講師はAIに学習者の成績を箇条書きで入力。その後、AIが文章化し、その日の学習内容や成績のレポートとして保護者に提出する。
教育業界において、保護者に生徒の様子を伝えるレポートは、講師陣の負担にもなっているようだ。そのため日本でも、「レンラクル」や「ルクミー」といったレポート業務の効率化をはかるアプリやサービスが複数登場している。
AI Teaching Assistantを実際に使用したOutschoolの講師Melanie Pauli氏は、レポート段落の作成に5分もかからなかったと述べた。
事務業務にかかる負担が減り、その分の時間や労力を生徒や保護者との関係強化に使える。これにより、レッスンの継続や入会者増加などの効果が期待できるだろう。
成長するオンライン個別指導の市場
コロナ禍以降、アメリカでのオンライン個別指導の人気は高まっているという。Grand View Researchによると、市場規模は2030年までに237.3億ドルに達するそうだ。
そのような市場だからこそ、競合も多い。PreplyやTutor.com、Varsity Tutorsなども同様のサービスを提供している。今後、Outschoolはどのような展開をするのか注目だ。
(文・山田)
ウェブサイト: https://techable.jp/
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