【オフィシャルレポ】ノンストップの前衛舞台で会場を巻き込む、スクイッド初の単独来日公演

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【オフィシャルレポ】ノンストップの前衛舞台で会場を巻き込む、スクイッド初の単独来日公演

スクイッドが、初の日本単独公演となる〈SQUID Japan Tour 2023〉を開催。2023年11月27日(月)に東京〈WWW X〉にて開催された東京公演の模様を記録したオフィシャルレポートが届いた。

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イングランド、ブライトンで結成されたバンド、スクイッド(個人的には、UKのインディシーンのバンドを数多く手がけるプロデューサー、ダン・キャリーと一番相性が良いのはこのスクイッドなのではないかと思っている)。彼らは2022年のサマーソニック以来の来日で、今回のライヴが初めての単独公演となる。

会場となった渋谷のWWW Xは 様々な年齢の人たちが詰めかけていて、開演前の空気も心地が良かった。会場内に静かに流れるWater From Your Eyesに耳を傾け、時折手に持ったグラスを口に運び、談笑する人たち。同じ日にアレックス・Gのライブがあるというさながらフェスのタイムテーブルのような状況の中でここにいるのはスクイッドを選んだ人たちだ。サマーソニックでスクイッドを見た人も、そうでない人も、等しく今年リリースされた2ndアルバム『O Monolith』以降のスクイッドの登場をワクワクしながら待っている。

会場全体に漂う静かな高揚感に包まれながらスクイッドを待つ。そうしてまるで近所に散歩に行くみたいな気楽さでラフな格好の5人が現れる。登場曲はなし。あたりも暗くはならない。だけども彼らは観客に大歓声で迎え入れられる。

暖かさと期待感が入り混じったわずかに緩やかな空気の中、ドラマーでメイン・ボーカルのオリー・ジャッジが袋から取り出したスティックを1本、左利きのギタリスト、ルイ・ボレアスに渡す。まるでウォーミングアップのように静かにドラムとカウベルが叩かれてそこにアントン・ピアソンのギターが入ってくる。

徐々に緊張感が高まる中、ステージの端に立ったアサー?レッドベターがシンセサイザーで「Swing (In A Dream)」の始まりを告げると緩さが完全に消えて、そこからほとんどノンストップでスクイッドは最後まで大きな流れを作り続けた。ドラムセットが前に出され、ほぼ真一列に5人が並ぶという他のバンドでは中々見られないような編成の中で幾度となくアイコンタクトが交わされる。

基本の楽器の他にパーカッションやシンセ、トランペットと一曲の中で何度も楽器を持ち替えジャムのような展開を繰り広げながらスクイッドは観客をこの流れの中へといざなう。

ポストパンクとジャズと電子音楽が混ざったような音楽は頭の中に過去と未来を行き来する断片的な出来事を浮かばせる。音源よりももっと咆哮に近いようなマントラを唱えるオリーのボーカルは意識に輪郭を与えて、そうしてまた次の場所へと運んでいくのだ。

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「Swing (In A Dream)」に続いて2ndアルバムから「Undergrowth」が演奏されるとスクィッドはエクスペリメンタルな空間に突入する。薄いドローンノイズが流れる中で曲の最初にトランペットを持っていたローリー・ナンカイヴェルが身をかがめ足元のつまみをいじり続ける。

そうこうしているうちにその曲は電子音が荒れ狂うダンスミュージックへと姿を変える(セットリストによるとこの曲はLECCY JAMというらしい)。万事がこの調子でスクィッドはアルバムの曲をアレンジしMCなしの曲間をアンビエントなサウンドで繋ぎ1時間20分の会場全体を巻き込んだ一幕ものの前衛舞台に変えていく。1stアルバムから「G.S.K.」「Narrator」が演奏されて2ndの「After The Flash」を挟み再び1st「Peel St.」へと帰っていく。

もともとスクィッドのエクスペリメンタル的な側面が強く出ていた「DFM」はドーロンが接続されてさらに深化を遂げる。「Paddling」「Pamphlets」そして「The Blades」、最後まで心をつかんで離さない。

アンコールはなし。でもそれが当然に思える得も言われぬ満足感があった。終演後明かりのついた会場で皆は笑顔でスクィッドの話をする。興奮の渦に巻き込まれたというよりも、スクィッドの作り出した流れの中に身を委ねていたようなそんな感覚だった。

Text by Casanova.S

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ツアーグッズは、会場で販売されるほか、 Beatinkオフィシャル・ウェブサイトではオンライン予約も数量限定で受付スタートしている。(12月中旬より発送予定)

ツアーグッズ情報

・Squid Tour 2023 Tee (Black)
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13809
・Squid Tour 2023 Tee (Orange)
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13810
・Squid Tour 2023 Big Hoodie
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13811

アーティスト情報

・スクイッド オフィシャル・ウェブサイト
https://www.squidband.uk/
・X(Twitter)
https://twitter.com/squidbanduk

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