ソフトバンクが支援するインド不動産テック「OYO」、Wework破綻の二の舞を避けられるか
Weworkはシェアオフィスを全世界に展開し一世を風靡していたが、先日経営破綻となった。ソフトバンクグループは同社にこれまでおよそ118億ドルを出資しており、60%の株式を保有していたため大きな損失を被ったといえるだろう。
同じくソフトバンクが大部分の株式を保有し、Weworkと比較されることも多いのがインドの「OYO」だ。OYO社はWeworkと同じく不動産テックにカテゴライズされ、若きカリスマ経営者Ritesh Agarwal氏によって2013年に設立。格安ホテル、別荘、カジノホテル、コワーキングスペースなどといった幅広い宿泊施設・サービスを、インド、マレーシア、アラブ首長国連邦、ネパール、中国、インドネシアなど多くの国に展開。2019年には客室数で世界第3位のホテルチェーンとなった。 急速に成長するインドを代表するユニコーン企業の1社であり、ソフトバンクの他にマイクロソフト、セコイア・キャピタル、Airbnb、Grabなどの企業からも出資を受けている。
苦戦が続くOYOに改善の兆し
OYOは設立当初、Booking.comやExpediaのようなオンライントラベルエージェントのサービスを展開していたが、2018年にフランチャイズ方式に方針転換し、OYOはブランディングやプロモーションだけではなくAIを活用した価格設定を行い、提携ホテルはオペレーションのみを行うかたちとなっている。
現在は収益の90%がホテルのフランチャイズ経営からもたらされ、近年まで大幅な赤字が続いていたOYOだが、フランチャイズ化の方針転換が功を奏したのか改善の兆しが見えてきた。
2022-23年度の決算では、前年度の売上478億インドルピーからおよそ14%増加し、546億インドルピーに拡大。また純損失が前年度194億インドルピーから34%減少し、128億インドルピーに縮小したことを発表した。
改革が続くOYO、Weworkとは違う未来を築けるか。今後の動きにも注目したいところだ。
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