盛岡市民の生きがい「材木町 よ市」がグルメ天国すぎる! 毎週土曜、100店超の美食をその場でも宅飲みでも。現地の楽しみ方をレポート
たべる、あるく、よりみちするのが大好きな岩手県盛岡市在住のスガワラとアベ。
そんな二人が、毎週土曜に楽しみにしているのが、「材木町 よ市(ざいもくちょう よいち)」(4月~11月開催)。今年で50年目を迎えた、盛岡市民おなじみのイベントです。盛岡駅から徒歩7分、材木町商店街に100店舗以上の露店が並び、たくさんの人でにぎわいます。焼きたてあつあつをその場で味わうのもよし、おつまみなどを買い込んで宅飲みとしゃれこむもよし、と、まさに市民の台所的存在なんです。マルシェのようなおしゃれなイベントともひと味違う、アットホームでのんびりとした雰囲気の中、盛岡ならではの旬の味や人気店の味に出合えますよー!
私たちの土曜日午後のお楽しみを、おしゃべりしながらご案内していきますね。
よ市の常連! 料理家の橋本玲奈さんをゲストに迎えて「よ市」をぶらぶら
今回は兵庫県神戸市出身、盛岡在住の料理家、橋本玲奈(はしもと・れな)さんもご一緒に、材木町よ市をみちくさしながらぶらぶらと。秋の味覚をどっさり買ったあとは、玲奈さんのご自宅におじゃまして夕ご飯にする予定です。
4月~11月の毎週土曜に開催。季節の収穫物などの食材や、市内のお店のお惣菜、屋台、雑貨などのお店が並びます。
玲奈さん)秋刀魚(サンマ)! 一番小さいサイズのは100円、これはお買い得! 三陸海岸が近い盛岡市は新鮮な海の幸が手に入る街。それでも今年は秋刀魚、あんまり見かけないんだよね。「よ市」ぐるっと見てから、帰りに買いましょ!
スガワラ)あ!これ!こないだ来たときに気になったお豆腐だ。もめん豆腐よりもずっしり重たい。いつも「よ市」に来ると、ここの豆腐田楽が食べたくなっちゃうんだよね。田楽を焼いている、おばあちゃんとのおしゃべりにも癒やされるんです。
玲奈さん)毎週楽しみにしてるサランさんのキムチ。我が家はキャベツキムチの大ファンなの。冷蔵庫にキムチがある!って、テンションあがるよね。
スガワラ)キムチでメンタルマネジメントだ(笑)私は今回はタコキムチに決めたっ。
アベ)大根にしよっかなー、いや、キャベツ? まって白菜? 迷うー!
玲奈さん)材木町商店街を旭橋側から歩き始めて夕顔瀬橋の方へ。つきあたりまで歩いていくと甘いいにおいが漂ってくるよ。「赤澤タニさんのわたあめ屋さん」は、子ども達に大人気なのはもちろんだけど、大人が食べてもおいしい、ふわっふわのわたあめが100円で買えるの。
玲奈さん)お、右側にある栗、立派だね。600円であの量!
アベ)おばあちゃんのお野菜、ほかのも美味しそう。ゴーヤとか茗荷(ミョウガ)もある。夏の野菜から秋の野菜に変わっていく時期なんだね。季節の畑の様子が見えるようだよ……。これも「材木町よ市」ならでは。
スガワラ)たまに見たことのない野菜を発見することもあって、「どうやって食べたらいいですか?」って聞いてるよ。やっぱり生産者の方に教わるお料理は、簡単で美味しいのが多い。料理苦手な私でもばっちり!
あつあつグルメと冷たいビールを、音楽と一緒に
玲奈さん)「よ市」の名物、焼き牡蠣は今日も大人気だ……諦めよう……。
スガワラ)うん……。
アベ)絶対食べたい!っていうときは、「よ市」のスタートと同時に並ぶくらいの気合いが必要ね。
玲奈さん)「ベアレン」のビールと焼き牡蠣、最高なんだよね。あ、ビール……飲みたくなってきた……。
玲奈さん)よ市に来たら、絶対飲みたい、ベアレンビール。いただきまーす!
スガワラ)わぁ!いい飲みっぷり!
玲奈さん)このプラスチックのリユースカップは、最初に「ビール+カップ」の料金を払って、飲み終わったカップを返すと、カップの代金も返金される仕組み。例えば、小サイズのビールだと最初に500円(ビール+カップ分)を支払い、おかわりは1回ごとに300円。最後にカップを返却すると200円が返金されるんだよ。
アベ)マイジョッキを持って並んでる人もいるね。
玲奈さん)あ!あれは「ジョッキ倶楽部」の人だねえ。ビアパブベアレン材木町の店舗の2階が「部室」なんだって。自分の名前が刻印された世界に一つだけのオリジナルジョッキ。800人以上の部員がいて、ベアレンのお店で登録したらすぐ部員になれるみたい。10枚綴りのチケットもあって、それを使うとジョッキ1杯390円! お値段も嬉しいよねー!わたしもいつかマイジョッキつくりたいなあ。
スガワラ)ベンチや椅子もあちこちに用意してあるし。食べて、飲んで、食べて、飲んで。お祭りほどハイテンションではないんだけど、みんなにこにこ幸せそうに過ごしてるのが、材木町よ市の好きなところだなあ。
玲奈さん)ここ!「百萬堂(ひゃくまんどう)」さん、材木町に来て時間があったらいつものぞくんだ。
スガワラ)わかる! お皿や絵画、雑貨以外にもいろいろなものがぎゅうぎゅうに詰まった店内。びっくりするような掘り出しものがあるのよね……。「よ市」の日以外でも入れるから、ぜひふらりと入ってみてほしい。
玲奈さん)「よ市」でもお店を出している、「プラッサッジョ」さん。切り立ての生ハムとワインでまったりしてしまうの~。今日は店内でフリマもやってて嬉しい。このお皿、グラタンにピッタリのサイズ。買おうーっと。
アベ)私、初めて入るお店だったよ。素敵な雰囲気。今度はランチかディナーで来てみたいなあ。
お惣菜や旬のお野菜で、飲んで食べての夕ご飯
たくさんの戦利品と一緒に、玲奈さんの家へ移動。さあさあ!夕ご飯ですよ!
玲奈さん)並べると圧巻!お惣菜とかも買ってきてるからね。食べられるものをつまみながら、飲みながら夕ご飯つくっていきますよ。
スガワラ・アベ)よろしくおねがいしますー!
玲奈さん)ここ、クチバシみたいに黄色いでしょ。新鮮で美味しい秋刀魚の証拠だよ。シンプルにグリルで塩焼きにしましょ。
スガワラ)ほんとだ! 言われてみれば、鳥のクチバシみたい。全然気づかなかった。焼いちゃうの申し訳ないほどかわいい顔してるね。私、今年、初秋刀魚だよ、やったー!
玲奈さん)大きい立派なナスは、輪切りと角切り二つの切り方で切っていくよ。輪切りの方にトマトソースとチーズ、そして角切りのナスも乗せてオーブンへ。
アベ)岩豆腐とサランのキムチ……だけでも最高なのに、ごま油をたらりなんて!!
玲奈さん)ふふふ!あっというまにできる、「よ市」のごちそうだよ。キムチは期間限定のもあるからいろいろ試してみてね。
玲奈さん)さあ、できたよー!
アベ・スガワラ)ごちそう!!!いただきまーす!
玲奈さん)田楽茶屋さんの商品でもう一つおすすめなのが、納豆フライ。めっちゃうまい。「よ市」から帰ってきて、すぐご飯にしたい!っていうときに、ちょっとあっためたらすぐ食べられるから重宝するの。お酒にも合うよ。
スガワラ)こんな土曜日の夕ご飯。幸せ。ちょっとずつ美味しいものが並んで、みんなでおしゃべりしながら。
玲奈さん)そうそう、つくる方もゆるゆるーっと。晩酌もスタートしながら、ね。
アベ)玲奈さんがつくってくれたお料理みてると、盛岡で食べる日々のごはんっていいなあって思う。
玲奈さん)わたしも神戸から引越してきてすぐはびっくりしたよ。産直もいっぱいあるし生産者さんとの距離が近いから、朝に畑で収穫した野菜が夕ご飯には食卓に、っていうことも日常。四季がはっきりしてるから、冬の寒さは堪えるけどね(笑)
でも冬が寒いからこそ保存食をつくる文化があったり、食卓も季節ごとにがらりと並ぶ食材が変わって、旬、っていうのを感じられるよね。
旅行の人も住んでいる人も。毎週土曜は、美味しく楽しく
私たちの土曜日のお楽しみ、「材木町よ市」。いかがでしたか?
期間限定の出店者さんも多く、毎週行っても新しい発見がたくさんあるのです。お酒好きな方は、北上川沿いの木伏緑地や、ノスタルジックな雰囲気の桜山界隈までお散歩して、ゆっくりと飲み直すのもいいですね◎
材木町商店街は「いーはとーぶアベニュー」とも呼ばれており、大きな宮沢賢治の像のほかにも、賢治にちなんだモニュメントが点在しているんです。石座(いしざ)、音座(おんざ)、星座(ほしざ)、絹座(きぬざ)、花座(はなざ)、詩座(うたざ)。探しながら歩いたあとは、注文の多い料理店の出版元「光源社」へ。宮沢賢治の世界に思いを馳せる”みちくさ”もおすすめですよ!
写真・テキスト/菅原茉莉
イラスト/阿部夏希
デザイン/伊瀬谷美貴
●関連サイト
材木町よ市
※2023年は11月25日が最終開催
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