リテールメディア広告市場の成長加速、米Moloco社が機械学習を活用したプラットフォームを日本にも拡大

米国カリフォルニア州に本社を構えるMoloco, Inc.(以下、Moloco)は、モバイルビジネスの支援に取り組み、実用型機械学習を通じて、あらゆる規模の企業が成長できるよう支援することをミッションに掲げている。

同社が、リテールメディア*1向けソリューションの提供を日本市場にも拡大すると決定。同部門の日本事業責任者に藤中太郎氏を迎えたことを9月に発表した。

リテールメディア*1…企業が消費者の購買データを活用して広告を配信する仕組み

日本におけるリテールメディア市場の成長

アメリカの調査会社Insider Intelligenceは、2024年にはリテールメディア広告がアメリカの全デジタル広告費のおよそ19%(総額約610億ドル)におよぶとし、メディアエージェンシーGroupMは2027年までに同市場が1,600億ドル規模に拡大すると予測している。

日本でも同様にリテールメディア市場は著しく成長しているという。電通グループの調査によると、日本でのオンライン・リテールメディア広告の市場規模は2022年に1,908億円に達している。

なかでもスマートフォン経由での物販のECシェアが50%を越え、流通総額は2019年から2021年の2年間で63%増を遂げている。スマートフォンが日常生活の基盤ともいえる昨今、今後もこの傾向は続くだろう。

企業の売上拡大をもたらすリテールメディア

Amazonをはじめとする大規模なオンライン小売業者で実証されている通り、リテールメディアはマーケットプレイスにとっての収益性、商品やサービスを提供する企業(マーチャント)の売上拡大、顧客満足度の向上をもたらすものである。

しかし大半の企業では、パフォーマンスと拡張性に優れたリテールメディア広告ソリューションを自社で開発するために必要となるリソース・時間・専門知識が不足しているとのこと。

そんななか「リテールメデイアプラットフォーム(以下、RMP)」ソリューションをリリースし、Eコマースを中心とするBtoBtoCプラットフォームが独自のパフォーマンス広告ビジネスを確立できるよう支援するのが、Moloco社である。

スポンサー広告を自動化するRMP

Molocoは、機械学習エンジニアのチームによって2013年に設立された企業。米国、英国、韓国、中国、日本、シンガポールの各地にオフィスを構えている。

同社が提供するRMPは、高度な機械学習機能を活用し、スポンサー広告を自動化するプラットフォームだ。リアルタイムの顧客行動に基づいて関連性の高い商品を推奨することで、収益を拡大する。

顧客が新しい商品を発見・購入することで、マーチャントがより高い広告費用対効果(ROAS)を達成できるようサポートしていく。

リテールメディア市場で長年の経験を持つ藤中氏

Molocoは、2022年10月に元The Trade Deskの役員で広告・ 検索分野の豊富な経験を有するBill Michelsをリテールメディア部門のゼネラルマネージャーに、2023年6月にはWalmart WMX(Connect)の初期から小売メディアの分野で12年間の実績を備えるNikhil Rajらを迎え、ますますリテールメディアビジネスへの投資を加速させている。

そして今回、デジタル広告・アドテクおよびリテールメディア市場で長年の経験を持つ藤中太郎氏を同部門の日本事業責任者に迎え、日本市場に向けたリテールメディア事業の進出・展開を加速させる方針だ。

参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000076497.html

「リテールメデイアプラットフォーム」サービスサイト:https://www.moloco.com/ja/retail-media-ecommerce-advertising-platform-moloco-japan

(文・Haruka Isobe)

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