難病患者さんと医療従事者のコミュニケーションと連携に関する意識調査
アストラゼネカグループの希少疾患部門アレクシオン・アストラゼネカ・レアディジーズの日本法人であるアレクシオンファーマ合同会社は、指定難病の患者さん500名および指定難病患者さんの看護をしたことがある看護師464名を対象に、「難病患者さんと医療従事者のコミュニケーションと連携に関する意識調査」を実施。
指定難病患者さんの看護をしたことがある看護師の過半数が「看護師、医師、患者の三者で直接コミュニケーションをできる場が少ない」と回答。
看護師が「医師と難病患者さんとのコミュニケーションサポートに課題を感じている」ことが明らかになりました。
「医師と難病患者さんとのコミュニケーションサポートができているか」の問いに対し、「できている」および「おそらくできている」と回答した看護師は3割にとどまり、7割以上が「できていない」「おそらくできていない」または「どちらともいえない」と回答。その理由として、看護師の過半数が「看護師、医師、患者の三者で直接コミュニケーションをできる場が少ない」と回答するなど、医療現場において、難病患者さんをサポートするためのコミュニケーションや連携体制に課題があることが示唆されました。
また、難病患者さんの看護の困難さにおいては「専門的な知識やスキルの高さが求められる」「心理的なサポートとカウンセリングが難しい」ことが挙げられました。一方、難病患者さんは看護師に対して「精神面についての支え」を求めており、嬉しかったこととして「親身に接してくれた」という回答も多く見られました。
看護師に対する調査結果
▼難病患者さんの看護において、看護師が感じる困りごとや大変さ
看護師は、症状や治療に関することだけでなく、日常生活や就労、結婚・出産など、難病患者さんのさまざまな相談対応を行なっている一方で、相談を受けている看護師の約6割が、病気に関すること以外の相談について、対応が難しいと感じている。
「医師と難病患者さんとのコミュニケーションサポートができているか」の問いに対し、看護師の7割以上が「できていない」「おそらくできていない」または「どちらともいえない」と回答。
▼看護師が「医師と難病患者さんとのコミュニケーションサポート」をするための課題
難病患者さんに対する調査結果
難病患者さんの約6割が「医師とコミュニケーションがとれている」、同じく約4割が「看護師とコミュニケーションがとれている」と回答。
難病患者さんの約4割が「医師と看護師の連携はできていない」と回答。
難病患者さんが、これまで看護師の看護で嬉しかったこと/助かったこと、4人に1人が「親身に接してくれた」と回答し、もっとも多い結果になりました。
難病患者さんが望む“理想の看護師”は「ごく普通の人」
今回の調査で、難病患者さんだけでなく、指定難病に関わる看護師も難病患者さんの看護において、難しさやさまざまな悩みを抱えていることがわかりました。また、難病患者さんが望む“理想の看護師”のタイプを探るために一般に広く使われているアーキタイプ※に基づいて回答を求めたところ、およそ3人に1人が「ごく普通の人」と答え、もっとも多い結果となりました。その理由として、「身の回りのことを専門分野の知識を持った人に相談できると安心感が得られる」「普通の感覚の人の方が気持ちをわかってもらえる」「気兼ねなく話せる方が良い」などが挙げられました。難病患者さんが、看護師に対して、医師とはまた異なる、より自分自身に近い存在として、看護だけでなく、精神的な支えやサポートを求めていると推察されました。
※アーキタイプ:似たような性格の人々が共通して持つ思考や目標、欲求の一般的なパターン。人間心理学によると、12種類のアーキタイプがあると言われ「ごく普通の人」のほかには、「世話好き」「純粋な人」「愛にあふれた人」「ムードメーカー」「賢者・賢人」などがある。
この調査を監修した、東京都医学総合研究所 社会健康医学研究センター 難病ケア看護ユニットユニットリーダー中山優季先生は、調査結果について「本調査を通じて、難病患者さんが、看護師に対して専門的な知識やスキルだけでなく、治療における精神面での支えや情報提供など、多岐にわたるサポートを求めていることがわかりました。一方で、医療従事者間の連携が必要とされながらも、看護師の方々が「十分な時間を割くことが難しい」「医師・看護師・難病患者さんの三者で直接コミュニケーションできる場が少ない」などの課題を感じており、医療現場の仕組みや体制面からも、難病患者さんのサポートを考える必要があることがわかりました。」と話しています。
アレクシオンファーマ合同会社
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