ARグラス「Rokid Max」&ストリーミング端末「Rokid Station」レビュー 携帯できるAndroid TV環境でスマホからキャストも可能に

Rokidが8月3日に発売したARグラスの新製品「Rokid Max」と、同日に予約販売を開始したストリーミング端末「Rokid Station」のレビューをお届けします。

視度調整機能を備えたハイエンドARグラス

Rokid Maxは、Rokidの最上位モデルとなるARグラス。USB-C端子のDP Alt(Display Port Alternate mode)出力に対応するスマートフォンやPCと、付属のUSB-Cケーブルで接続して使用します。電源を内蔵しないため本体は75gと軽量で、付属のケースにケーブルと一緒に入れて手軽に持ち運びが可能。

内側にハーフミラーを搭載し、フレームから下向きに投射する映像をメガネから見る現実世界に重ねて表示できる仕組み。光学系は非常にコンパクトで、通常のサングラスとほとんど変わらない装着感で使えます。視野角50°で、仮想空間の6メートル先に215インチの画面を表示できる仕様。600nitsと輝度が高く、120Hzの高リフレッシュレートを実現しています。解像度は2Dで1920×1080。

フレームの左右上部にダイヤルがあり、左右の視度調整ができるのが大きな特徴。軽度の近視に対応し、0.00D~-6.00Dの範囲で調整することができます。筆者は視力が左右とも0.1程度で、ふだんはコンタクトレンズを使用しているのですが、裸眼の状態でも視度を調整してクッキリ見ることができました。

左右のテンプル(つる)にスピーカーを搭載。音の指向性と音響構造を改善したとのことで、音漏れが少なく高音質なサウンドが楽しめます。右側のテンプルには6段階の輝度調整ボタンと音量調節ボタンを搭載。音量プラスキーを長押しするとリフレッシュレートを120Hzと60Hzで切り替えられる他、音量マイナスキーを長押しするとより音漏れの少ないプライバシーモードとクリアサウンドモードを切り替えられます。

左側のテンプルの端はUSB Type-Cポート。付属のUSBケーブルでスマートフォンに接続し、専用アプリ「Rokid AR」を起動することで利用できます。

Rokid ARアプリでは画面の輝度や音量、IPD(瞳孔間距離)などが調整できる他、ブラウザや動画アプリを起動したり、仮想空間に画面を固定して表示する3DoFモードへの切り替えができる「ARモード」が利用できます。

通常時はスマートフォンの画面をミラーリングして、「Netflix」「Amazon Prime Video」「Disney+」といった映像配信サービスが視聴できます。これまでレビューした他社製品と比べて画面が明るく鮮明で、音質の良さも印象に残りました。

より集中して視聴したい場合には、付属の遮光カバーを取り付けることで没入感のある体験が可能になります。

携帯ゲーム機「Steam Deck」との相性も良好。USB-Cケーブル1本でつないで大画面のゲームプレイが可能になります。仕様上、携帯Windowsゲーム機「ROG Ally」も画面出力は可能とみてよいでしょう。

Lightning端子搭載のiOSデバイスは、別途変換アダプターを介して接続します。「XREAL Adapter」を使うことで接続できることが確認できました。XREAL AdapterのiOSデバイス接続には、HDMI端子にApple純正の「Lightning-Digital AVアダプタ」を別途用意して装着する必要があります。

ゲーム機などHDMI出力するデバイスとの接続は、市販のHDMI o USB-C変換ケーブルなどを使って接続します。

Nintendo Switchの場合、別売りアクセサリーの「Rokid Hub」を本体のUSB-Cポートに装着すれば、Rokid MaxのUSB-Cケーブルをグラス用USB-CポートにつないでTVモードで利用可能。使用の際には、もう一方のUSB-Cポートに給電が必要です。こちらのRokid Hub、デバイスを充電しながらARグラスを使う用途がメインなので、スマホやSteam Deckを長時間ARグラスにつないで使いたい場合にも重宝します。

Rokid Maxの価格は6万8800円(税込)、Rokid Hubは6049円(税込)。公式サイトで販売を開始している他、Amazonでも取り扱いを開始しています。

Android TVが持ち運べるストリーミングデバイス

Rokid Stationは、OSにAndroid TV 12を搭載するストリーミング端末。本体をWi-Fiに接続してRokid MaxとUSB-Cケーブルでつなぐことにより、スマホなしでストリーミングコンテンツやAndroid TV向けアプリを利用できます。

microHDMIポートを搭載し、付属するmicroHDMI to USB-CケーブルでRokid Maxと接続して使用します。2GB RAMを搭載し、ストレージ容量は32GB。

5000mAhのバッテリーを内蔵し、外部電源につながなくても単体で動作します。USB-Cポートで最大18Wの急速充電ができ、最大5時間の使用が可能。使用中にUSB-Cポートに給電することで、連続して使用することができます。充電用にUSB-A to USB-Cケーブルも付属。

本体正面には方向キーと決定キー、ホームキーと戻るキー、アプリキー、設定キーを搭載。リモコンのように本体だけで操作ができます。右側面には電源キー、左側面には音量キーを搭載。設定キーは独自の設定メニューを呼び出し、画面の解像度やズーム比率、画質などの設定ができます。

Rokid Stationを起動するとAndroid TVのホーム画面が表示され、対応ストリーミングサービスやアプリがスマホなしで利用可能に。Amazon Prime Video、Disney+、Abema、TVerといったストリーミングサービスが楽しめます。レビューした時点で、NetflixはGoogle Playストアからインストールできませんでした。ただし、スマホと有線で接続したRokid Maxでは、問題なくNetflixが利用できます。

スマホからARグラスへキャスト可能に

Rokid Stationで最も注目したい仕様が、Googleから認定を受けたChromecast built-inを搭載していること。DP Altに非対応なことから有線でARグラスに接続できなかった「Google Pixel」などのスマートフォンやiOSデバイスが、画面をキャストすることでミラーリング可能になります。

著作権保護された映像コンテンツは表示できませんが、たとえばPixel 7aで起動した「Xbox GamePass」アプリをRokid Maxにキャストして、目の前の大画面でクラウドゲーミング「Xbox Cloud Gaming」を遊ぶことができました。

Rokid Max自体は有線でPCに接続できますが、Rokid Stationを使うことでPCのワイヤレスディスプレイとしても活用が可能に。ブラウザからも使える「Microsoft 365」なら、タブをキャストして「Word」「Excel」「PowerPoint」の作業環境が目の前の大画面で実現します。

Android TV対応のリモコンも付属。Rokid Station本体を机の上に置いたまま手元で操作できる他、Googleアシスタントに「明日の天気は?」と尋ねたり、音声操作でアプリを起動することもできて、なかなか便利です。

Android TVの環境を手軽に持ち運んで、スマホがなくてもWi-Fiがつながる好きな場所でストリーミングコンテンツやアプリを楽しめるだけでなく、これまでARグラスが使えなかったスマホでミラーリングが可能になるRokid Station。価格は2万1990円(税込)で、公式サイトで予約販売を受付中。9月以降に順次発送を予定しています。予約販売期間中にRokid StationとRokid Maxをセットで注文すると、3800円引きの8万6990円(税込)で購入できるキャンペーンを実施しています。

Rokid Max
https://jp.rokid.com/products/rokid-max[リンク]

Rokid Station
https://jp.rokid.com/products/rokid-station[リンク]

Rokid Max+Rokid Station
https://jp.rokid.com/products/rokid-station-streaming-box[リンク]

2023年11月22日追記:
ドコモで販売することが決定しました。

ドコモがARグラス「Rokid Max」とAndroid TV搭載ストリーミング端末「Rokid Station」を12月下旬以降発売へ
https://getnews.jp/archives/3462526

  1. HOME
  2. デジタル・IT
  3. ARグラス「Rokid Max」&ストリーミング端末「Rokid Station」レビュー 携帯できるAndroid TV環境でスマホからキャストも可能に

shnsk

宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

ウェブサイト: http://mogera.jp/

TwitterID: shnskm

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。