改正道交法施行の7月1日、旭川市の歩行者専用道路で近距離モビリティ「WHILL」活用の実験実施
2023年7月1日(土)、一部の電動モビリティの利用条件が変更となった改正道交法が施行され、新たなモビリティが歩行空間に参入することが予想されています。
この改正道交法の施行と同日、WHILL株式会社は、北海道旭川市の旭川平和通買物公園において、近距離モビリティ「WHILL」を活用した社会実験を実施しました。
同実験には、「WHILL」を取り扱う株式会社ホンダカーズ旭川と、「WHILL」専用の保険を含めたサポートサービスなどを共同開発する東京海上日動火災保険株式会社も協力しています。
「WHILL」シリーズ紹介
WHILL株式会社は、2012年の創業以来、免許不要で歩行領域を走行できる近距離モビリティ「WHILL」シリーズの開発・販売、および「WHILL」を活用したモビリティサービスを展開してきました。
「WHILL」シリーズのひとつ「Model C2」は、高いデザイン性と5cmの段差を乗り越える走破性が魅力。後輪を軸に半径76cmで回転できる小回り性能、リアサスペンションによる快適な乗り心地、軽い力で操作できるコントローラーなども特徴です。このほか、軽量かつ折りたたみ可能な「Model F」、ハンドルがついたスクータータイプ「Model S」を展開しています。
法人向けのモビリティサービスとしては、スタンダードモデルや自動運転モデルを機体管理システムなどとセットで提供中。自動運転モデルは、空港や病院などの施設内で利用者を目的地まで乗せて自動で移動します。なお、2021年6月に羽田空港に24台導入されました。
歩行者との共存性やエリアの回遊性向上を検証
今回の社会実験では、歩行領域における歩行者と小型モビリティとの安心・安全な共存性や社会受容性などを調査。併せて、周辺の回遊性を向上させることで、特に歩きづらさを抱える人やシニア世代の外出機会を創出することを目指しました。
実施エリアの旭川平和通買物公園は、多くの店舗や見どころがある歩行者専用道路。一方、歩きづらさを抱える人やシニア世代の回遊性や、旭川駅からの距離に課題があり、歩行領域を走行できる移動手段の活用可能性について検討が進められてきました。同実験では、「Model C2」「Model F」「 Model S」計8台の無料試乗会を実施。30名以上が参加し、公園内を1時間程度散策したり、園内体験コースを15分程度走行したりしたようです。
参加者からはポジティブな意見
検証方法として、参加者および通行者へのアンケートを実施。
参加した60代女性は、電動三輪車や他社製品の電動カートも比較検討している中で「自転車は不慣れだが、これ(WHILL)なら4輪だし安心する。目立ちすぎないのもいい」とコメント。また、最近運転免許を返納したという別の女性は、「Model S」が特に運転している楽しさを感じられるとコメントし、次のクルマとして期待を寄せていたようです。
参加者の声から、近距離モビリティがシニア世代の移動手段として評価されていることがうかがえます。なお、7月半ばには、福島県会津若山市でも社会実験を実施予定とのことです。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000133.000011151.html
公式サイト:https://whill.inc/jp/
(文・Higuchi)
ウェブサイト: https://techable.jp/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。