ミステリー小説の世界に迷い込んだ少女、その先には…? 乃木坂46・5期生総出演のドラマ『古書堂ものがたり』全話レビュー
新しい映像配信サービス「Lemino」(レミノ)にて配信中のオリジナルドラマ『古書堂ものがたり』。全5作品、全10篇が全て公開となりました。
物語の舞台は、とある古書堂「夢猫」。 並んでいるのは…どれもミステリー作品。1人の少女が、店主に勧められ小説を読み始めると…時代を超えタイムスリップ。迷い込んだその世界は…なんと!読み始めたミステリー作品の中。事件から、時には心が温まるようなハートフルな出来事まで、様々なナゾに立ち向かい、大切なメッセージを受け取っていくという5つのストーリーからなるオムニバス・ミステリードラマです。
出演は、五百城茉央さん、池田瑛紗さん、一ノ瀬美空さん、井上和さん、岡本姫奈さん、小川彩さん、奥田いろはさん、川﨑桜さん、菅原咲月さん、冨里奈央さん、中西アルノさん。乃木坂46・5期生総出演!彼女たちのフレッシュでみずみずしいお芝居にも注目です。この記事では、『古書堂ものがたり』の全話あらすじ&プチレビューをお届けします!
全話を通しての見どころ!
「こんな所に本屋なんてあったっけ…?」登場人物たちが迷い込む古書堂「夢猫」のファンタジー感が素敵。現実にもありそうな、でもなさそうな…。あたたかみのあるインテリアに、平泉 成さん演じる店主と、店主が抱える茶トラ猫のナイスコンビネーション。言うならば、ジブリ作品『耳をすませば』で月島雫が訪れる雑貨店「地球屋」の様な、「こんなお店あって欲しいな」感が満載です。
本の背表紙を眺める少女に「何かお探しですか?」と声をかけ、「面白いですよ、あなたにとっては」と一冊の本を薦める店主。ページをめくり、読み進めていくと文字が浮かび上がり、気付いたら本の世界に入り込んでいます。その不思議な状況に戸惑いながらも、周りの人物と交流を持ちながら、事件の真相に近づいていく少女たち。そして、その結末は彼女たち自身の悩みともリンクしており、物語を紐解くことで大切なメッセージを受け取るのです。
登場する本は、「ウサギの天使が読んでいる」 (著:青柳碧人 刊:創元推理文庫)をはじめとする実在の人気ミステリー。原作ファンの方が見ればこの新鮮なアレンジが面白く、ドラマから入った方が原作も読みたくなるという、読書欲をくすぐる演出。5つのストーリーが前編・後編で展開されており、前編で謎を抱え、後編でしっかり解決してくれるのでミステリ初心者にもオススメです。
◆第1話(#1・2)「誰のゾンビ?」 出演:一ノ瀬美空&川﨑桜
<あらすじ>結婚を控える中、絶縁状態の父親との関係に悩むOL・さくらを一ノ瀬が、そんなさくらがタイムスリップした先で出会う女性・滝本茜を川﨑がそれぞれ熱演。人気作家・青柳碧人による「ウサギの天使が呼んでいる」(刊:創元推理文庫)を原作とした小説世界の中で巻き起こる、不可解な殺人事件「ゾンビ事件」に遭遇したさくら。予想だにしない事件の真相が待ち受ける中、果たして彼女は事件を解決できるのか―。
このドラマでは全編をとおして<現実の自分>と<本の中での自分>の2つが描かれる為、1人の主人公の異なる出立ちを楽しむことが出来ます。特にこの「誰のゾンビ?」では、清楚なOLスタイルの一ノ瀬美空さんと、可愛らしいお団子姿の一ノ瀬美空さんの変化が面白いです。また、作品の世界の中で深町百合夫を演じている深町百合夫さんのトリッキーなお芝居も魅力的です。
◆第2話(#3・4)「黒塗り楽譜と転校生」 出演:井上和、五百城茉央、冨里奈央
<あらすじ>ピアノを弾くことに自信を無くしてしまった明日香(井上和)は、ある日、古書堂「夢猫」の店主から渡された小説を読み始めると…見知らぬ学校の教室へとタイムスリップしていた。合唱コンクール優勝を目指す生徒・小笠原に促され、流されるままピアノの伴奏を務めることになった明日香だが、ある日クラス全員の楽譜が黒塗りにされる事件が発生。ミステリー好きのクラスメイト・畠山美咲(五百城茉央)と共に犯人を見つけようと奮闘する中、アリバイがないことから、事件の容疑は転校生・田部まりえ(冨里奈央)へと向けられて…。
井上和さん、五百城茉央さん、冨里奈央さん3名による“青春ミステリー”を味わうことが出来る本作。ピアノを弾くことに悩む井上さんの儚さ、率先して事件の謎を暴いていく五百城さん、前半と後半でガラリと表情を変えていく冨里さんの表現力、それぞれの魅力を堪能して。5つのストーリーの中で一番キラメキを感じるお話でした。
◆第3話(#5・6)「パンダは囁く」 出演:中西アルノ&池田瑛紗
<あらすじ>中西演じる、推し活に奮闘する本好きの杏子は、推しとのサイン会で恥ずかしい思いをした帰り道に偶然古書堂「夢猫」を発見、店主(平泉成)から受け取った小説をめくると、見知らぬ書店にタイムスリップしていた。混乱する杏子だったが、そこで推しにそっくりな書店員・吉川を発見し自身も働くことを決意。吉川と同じ職場を楽しむ杏子だったが、ある日、客の西岡から暗号のようなメモを渡される。アルバイトの女子大生・西巻多絵(池田瑛紗)と共に解読を試みると、そこには文庫の書籍番号からなるSOSのメッセージが隠されており、近所に住む老人・清水が危険な状況にいることを知る。清水を救出するために向かった先では思いもよらぬ事件が起こっていた。また、杏子は吉川に思いを伝えようと奮闘するが…。
5つのストーリーの中で、一番コメディ要素を感じる作品。“推し”の前でカッコつけるも大失態をおかしてしまい、苦悶する中西さんの姿が可愛らしい。書店員仲間の池田さんとのやりとりも微笑ましい。杏子の推し・ミツルを演じる林カラスの好演も必見です。全編と後編でトーンが一気に変わるところも印象的です。
◆第4話(#7・8)「プリン」 出演:菅原咲月、小川彩、岡本姫奈
<あらすじ>ある日、甘い匂いに惹かれて古書堂「夢猫」に辿り着いたプリンが大好きな女子高生・安可里(菅原咲月)は、店主が作るプリンが焼きあがるまで小説「プリン」を読んで待つ事に。現在の自分の心情を表すかのように、「その日、私はいつまでたってもプリンが食べられなかった」から始まる小説を読み進めていると、目の前に安可里の同級生・石倉美嘉(小川彩)が現れ、彼女はタイムスリップしたことに気が付くのだった。美嘉の姉・石倉恵美梨(岡本姫奈)のマンションでプリンを食べることになったが、なぜか恵美梨の部屋でプリンが見当たらず。プリンのありかを探しているうちに、恵美梨の彼氏と思われる人物・緑川義人がたまたま部屋を訪れてきて、事態は急展開!?
演劇コントユニット・大人のカフェの脚本家としても知られる伊達さんが本作のために書き下ろした小説「プリン」が原作となる本作。5つのストーリーの中で唯一の書き下ろしとなり、頭の中がプリンでいっぱいの安可里を演じる菅原さんの姿がとてつもなくキュートです。消えたプリンの謎を解くというほのぼのサスペンスかと思いきや……?な展開をお見逃しなく。
第5話(#9・10)「罪なき咎人」 出演:奥田いろは
<あらすじ>殺人事件で兄を亡くした若泉歩美は、事件の容疑者の男に復讐しようと試みるがなかなか実行できずにいた。そんな中、古書堂「夢猫」の看板が目に入り訪れ、店主から勧められた「花井おばあさんが解決!ワケあり荘の事件簿」を読み進めることに。すると、本の世界へタイムスリップしており、気がつくと60歳以上の訳アリの人が暮らすアパート「ワケあり荘」の管理人になっていた。住人・花井おばあさんこと花井朝美は、元同僚松村が焼身自殺で亡くなっており、死因が本当に焼身自殺なのか疑問に思っていた。ひょんなことから歩美も死因の真相究明に協力することになり、バディを組んで真相究明に挑む。手掛かりを探しに警察署へ向かったり、事件現場の近隣住民へ事件当時の話を聞きに向かうなど、精力的に事件解決の手がかりを探る2人。すると、1ヶ月前に起きた事件「猫の恩返し事件」と今回の事件の繋がりを発見する。事件の関係者を漁っていくと、1人の男性が浮上し、2人はすぐに居場所を探して接触することに。今回の事件を通して「復讐」について考えさせられた歩美は、現実世界に戻り…。
『花井おばあさんが解決!ワケあり荘の事件簿』を原作とし、花井おばあさん役の大島蓉子さんと、奥田さんによる歳の差バディを堪能出来る本作。家族を亡くし復習を胸に抱える奥田さんの表情に感情が動かされ、花井おばあさんの優しさに救われる最終話にふさわしい人間ドラマとなっています。また、最後には、古書堂「夢猫」の謎・5人の主人公の共通点が明らかに。どのストーリーも独立しており、どの話から観ても楽しめますが、“ハブ”となっている古書堂「夢猫」の共通点にほっこりとさせられます。
これからのドラマ、映画での活躍に期待が高まる乃木坂46・5期生たち。『古書堂ものがたり』でその魅力を堪能して。
『古書堂ものがたり』
◇本数 : 全10話
◇製作著作 : NTT ドコモ
■原作
1「ウサギの天使が呼んでいる」 著:青柳碧人 刊:創元推理文庫
2「放課後探偵団2」 著:辻堂ゆめ 刊:創元推理文庫
3「配達あかずきん」 著:大崎梢 刊:創元推理文庫
4「プリン」 著:伊達さん 書き下ろし
5「花井おばあさんが解決!ワケあり荘の事件簿」 著:井上ねこ 刊:宝島文庫
■サービスサイト
◇Lemino:
https://teaser.lemino.docomo.ne.jp
◇Lemino公式Twitter:
https://twitter.com/Lemino_official
◇ひかりTV:
https://www.hikaritv.net/
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