「統一球」「飛ぶボール」への変遷から見るNPB「ホームラン史」


2011年(平成23年)と2012年(平成24年)、プロ野球は「統一球」を採用した。これは12球団で同じミズノ製の反発係数の低いボールを使うこと。これは「飛ばないボール」とも呼ばれ、2011年、各チームは本塁打数を軒並み前年(2010年)から大幅に下落させた。
阪神173本→80本
ヤクルト124本→85本
巨人226本→108本
広島104本→52本
中日119本→82本
横浜117本→78本
ロッテ126本→46本
日本ハム91本→86本
西武150本→103本
オリックス146本→76本
ソフトバンク134本→90本
楽天95本→53本
全体では1605本→939本という大幅減だったがこの時話題になったのがパリーグの本塁打王・中村剛也が48本打ったことだ。なんと、ロッテがチーム全体で打った46本よりも多いのである。そのため、当時、5ちゃんねる等では中村とロッテの数字を並べて「千葉ロッテという選手は46本も打つとはすごいな」といった冗談が流行っていた。
この年のパリーグ2位は松田宣浩の25本、3位はバルディリスと中田翔の18本。セリーグの本塁打王は31本のバレンティン、2位は23本のラミレスと畠山和洋だった。さすがに本塁打の数が少な過ぎる試合は面白くないということで、「統一球」は2011年と2012年だけの使用となった。2012年はさらに本塁打は減り、全体で881本。
2013年シーズンが開始すると再び本塁打が出るようになり「飛ぶボール疑惑」が出てきたが、NPBは否定。しかし過去2年とは別のボールを使っており、NPBが変更を公表せず混乱をもたらしたことから加藤良三コミッショナーが辞任。この年の本塁打数は1311本となった。
プロ野球の世界では「ドームラン」(巨人の攻撃の時のみ東京ドームの空調を外野方向に風を流すことにより生まれるホームラン)のように、真偽不明の噂はあるが、この2013年は明らかにNPBが隠蔽したわけだ。
今年のプロ野球は阪神の投手陣が防御率2.62(6月1日現在)を記録するなど、投高打低の傾向があるが、統一球の2011年、田中将大は防御率1.27、ダルビッシュ有は1.44を記録していた。
元々統一球は、WBCやMLBの使用球に近い反発係数にすることを狙っていたのだが、実際はそれらよりも低く、ただ本塁打が少なくなるという効果になってしまい、「千葉ロッテマリーンズというすごい選手」をネット上に生み出してしまったわけだ。
それにしてもプロ野球も随分と変わったものだ。昭和の時代は酔っ払ったまま先発する投手がいたり、川崎球場では流しそうめんをする観客がいたりした。ヤジも苛烈なものが多かった。平成になっても山本モナと不倫をした二岡智宏が「モナ岡」とヤジられるなどヤジる風潮はあった。
しかし、令和に入り、球団がスキャンダルを起こした選手へのヤジを自重するよう申し入れを行うなど、確実に空気感は変わった。まぁ、新型コロナ騒動の際「無観客」「観客は収容人数の半分以下」「ジェット風船禁止」「声出し禁止」「マスク着用」「トランペット等禁止」といった通達にファンは素直に従っただけに、「お願い」には忠実になったのだろう。
これからも次々と主催者権限で要求が通るプロ野球になるだろう。「ビジターチームへの応援禁止」を猛烈に弱いチームがやり出したらどんな影響が発生するか、球場の雰囲気も左右するスポーツなだけに一度見てみたい気もする。(文@中川淳一郎 連載「俺の平成史」)
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