考え方や習慣を少し変えるだけ! アスリートも実践する、メンタルを上手に整える方法
厳しい練習に耐え、数々のプレッシャーや挫折を乗り越えて活躍するアスリートたち。彼らを見て、「ああ、生まれつき強靭なメンタルを持った特別な人たちなんだな」と思っている人は少なくないのではないでしょうか。
けれど、これまでアスリート向けの研修を数多く請け負ってきたプロフェッショナルコーチの坂井伸一郎さんは「アスリートも私たちと同じ普通の人間」だと言います。彼らはもともとメンタルが強いわけではなく、「意識的な思考や行動によって、受けるダメージを最小限にしたり、受けたダメージを上手に扱うことで、メンタル不調に陥らないようにすることができる」と著書『メンタルトレーニング大全』に記します。同書には、アスリートたちが日々行っている、さまざまな「メンタルのトレーニング法」が紹介されています。私たちもその方法を身につけることができれば、メンタルをうまく整えて前向きに進むことができるはずです。
そもそも、不安になったり落ち着かない気分になったりするのはどういうときでしょうか。それは「わからない」ことが多いときだと坂井さんは言います。アスリートの場合、不安な気持ちを抱えていては力を十分に発揮できないため、彼らは少しでも「わからない」を減らして試合に臨むのだそうです。この「わからない」は自分・他者・思考・行動という4つに分類することができ、それぞれにアプローチすることで、自分の中に「わかる」を増やしていけるそうです。そこで同書では、1章ずつ使ってこの4分類それぞれに対する「わからないを減らすためのトレーニング法」を解説しています。
特殊だったり難しかったりするトレーニングはありません。たとえば自分を知るためには「客観視する」のが効果的であり、アスリートがおこなっている工夫として「データの数値で自分を見る」「コーチやカウンセラーを支えにする」という方法が挙げられています。これらはかなり具体的で取り入れやすく、参考になる人も多いことでしょう。
同書は一見、アスリートやスポーツをする人に向けた本に思えますが、けっしてそうではありません。先ほど紹介した事例のように、仕事や受験など日常生活のあらゆる場面に共通するメンタルトレーニング法が満載です。新年度となり新しいことにチャレンジする機会も増える時期。同書でメンタルの鍛え方を学び、日々に活かしてみてはいかがでしょうか。
[文・鷺ノ宮やよい]
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