大阪メトロ、VRを使ったアイトラッキング実験を実施。広告媒体の視認性を調査
株式会社 大阪メトロ アドエラ(以下、大阪メトロ アドエラ)は、VR(実空間メタバース)でのアイトラッキング調査を実施しました。同調査は、交通広告媒体の視認性を確認することを目的としたものです。
アイトラッキングをリアルタイムで記録
今回実施されたVRでのアイトラッキング調査は、AIが生み出す現実環境にありそうなクリエイティブを基に、任意の広告コンテンツが掲載されたときのオーディエンスの視認測定を行うというもの。仮想の駅空間を移動する被験者のアイトラッキングをリアルタイムで記録し、データ分析することで、設置環境に反応した調査結果をより正確に得ることができたそうです。
VR調査のメリット
大阪メトロ アドエラは、VRでのアイトラッキング調査には以下のようなメリットがあると説明しています。環境のコントロールができる:
VRは、現実環境のシミュレーションとして、被験者の周囲の環境をコントロールすることができます。これにより、被験者が看板やデジタルサイネージなどのOOH媒体を認識するまでの時間や、視線移動の情報を、現実環境のアイトラッキング調査よりも正確に測定することができます。安全性とプライバシー保護が高い:
実際の駅中でOOH媒体の調査を行う場合、被験者の安全性と周囲の人々のプライバシーについて懸念があります。しかし、VRの調査では、被験者が安全であることが保証され、且つ実際に駅中にいる周囲の人々を見ることがありません。取得できる情報が多い:
VRのアイトラッキング調査はデジタルデータの分析によって、視線移動のパターン、視線停留時間、視認距離、注視場所などを把握することができます。これにより、OOH媒体の視認性のみならず、広告クリエイティブの視認性に関する改善点や広告のインパクトや興味を持たれる要素を把握することができます。調査対象の広告クリエイティブをコントロールできる:
VRでは、看板やデジタルサイネージに対する”視認性”を、ある特定の一広告に関する調査ではなく、任意の広告コンテンツが掲出されたときのオーディエンスの視認測定が可能になります。
視認調整済みコンタクトを算出可能
VRによるアイトラッキング調査を行うと、グローバルOOH業界団体WOO(World Out Of Home Organization) が定義するメディアカレンシー(媒体取引標準価値指標)の「視認調整済みコンタクト:Visibility Adjusted Contact(以下、VAC)」を算出できます。VACは、広告を見る可能性に視認性を考慮した指標で、OOH広告の効果測定において重要な役割を果たしています。
OOH広告とは、交通広告や大型ビジョンなどの屋外広告、チラシといった家庭以外の場所で展開するメディアの総称です。同広告は、多くの人々にアピールすることができる一方、これまで広告が実際に見られるかどうかを測定することは困難でした。
そんな中、行われたのが今回のVRでのアイトラッキング調査です。
広告主のROI最大化を目指す
大阪メトロ アドエラは、今回のVR環境でのアイトラッキング調査を、交通広告の駅媒体のVAC値をグローバル基準で客観的に算出することを目指して実施しました。
同社は、データに基づく効果的な交通広告の提供に向けて最新の技術を活用し、今後も広告主のROI(Return On Investment:投資利益率)を最大化することを目指します。
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000077456.html
(文・S.Inosita)
ウェブサイト: https://techable.jp/
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