「無理に笑うと逆効果」ストレス軽減の意外な真実

「無理に笑うと逆効果」ストレス軽減の意外な真実

「笑うのは健康にいい」と言われる。

笑顔には、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールを軽減させる効果があり、落ち込んだとき、笑顔でいるとストレス軽減につながるとされる。しかし、実は悲しいときに無理して笑うのは逆効果であるという実験結果もある。

香港科技大学のムコパディヤイらの研究では「自分の気持ちに反して笑顔を作ると、気分がより落ち込む」と判明したという。このようにストレス解消法のための常識の中には、必ずしもそうでない事例も多い。

■ストレス軽減は「クッションを抱きしめる」だけでいい

『「不安」があなたを強くする 逆説のストレス対処法』(堀田秀吾著、講談社刊)では、言語学者の堀田秀吾氏が、ストレス解消法の通説の間違いを世界の研究機関の最先端研究をもとに解き明かし、医学、心理学、脳科学、社会学など、学術的エビデンスに基づく本当に信用できるストレス解消法を紹介する。

どうすれば、ストレスを解消できるのか。本書では、誰でも簡単な行動を起こすことで不安やイライラを解消できる方法を挙げている。

たとえば、「手浴」だ。北海道大学の矢野らの脳血管障害の患者を対象にした研究によると、38度の温水に10~15分ほど手首をつけて温めると、患者の痛みが緩和されたり、爽快感が増加したり、ポジティブな言葉を発するようになったと報告されている。

人間の体では、手のひら、前腕に温かさを感じる「温点」がもっとも集中している。手の血管には、交感神経支配が集中しているため、手を温めるとこれらの神経に作用し、さまざまな効果を生むのだ。

また、クッションを抱きしめるだけでも幸せホルモンは増加する。抱きしめるという行為には、幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンを増加する効果がある。不安なときは、クッションや大きなぬいぐるみをぎゅっとハグすることで、オキシトシンが増加し、ストレスの軽減に役立つ。

日常的に簡単にできるストレス解消法をどれだけ知っているか。そして、それを実践しているかによって、ストレスの蓄積度や気持ちの浮き沈みは変わってくる。気持ちが落ち込んだり、ストレスが溜まった際、自分に合う対処法を実践することで、日頃のストレスも解消されるはずだ。

(T・N/新刊JP編集部)

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