インドで日本人女性が襲われる動画が拡散 / 海外ニュースでも報じられる「女性は隣国脱出」

インドやネパールで毎年開催されているホーリー祭は、春の訪れを祝うのヒンドゥー教のお祭りで、色がついた粉や水を顔や体に塗ったりかけたりしあう。タイのソンクラーン(水掛け祭り)にも似ているが別物だ。

日本人女性がホーリー祭で暴行うける

そんなホーリー祭が2023年3月に開催されたのだが、そこに参加した日本人女性ユーチューバー「インド女子ひとり旅・めぐみこ」さんが複数の男性たちに抱き疲れたり、触られたりされ、頭を叩かれたり、髪を引っ張られたり、生卵を頭にぶつけられたりしている動画が拡散。インドのテレビメディア『NDTV』が大々的に報じている。

報道によると、事件が発生したのはインド・ニューデリーとのこと。めぐみこさんはパハルガンジという地区に滞在していたという。


動画を見た多くの人たちが怒り

動画はインドや日本のTwitterをメインに拡散しており、多くの人たちがショックを受けている。動画から目視で確認しただけではあるが、尻を触る者や、胸を触る者もいたように見えた。めぐみこさんは暴漢たちを振り切って逃げ、どうにかそれ以上の被害は受けなかったようだが、容疑者の男性3人が特定されたという。うち1人は未成年とのこと。

ホーリーハラスメント

『NDTV』は「セクシャルハラスメント」「ホーリーハラスメント」という言葉を使用して報道し、インターネット上で怒りの声と厳しい処罰を求める声が上がっているそうだ。確かに、たとえ無礼講なお祭りだとしても、それを盾にしたセクハラや暴行は決して許されるものではない。

めぐみこさんはご無事なのか?

いま現在、めぐみこさんはご無事なのだろうか。めぐみこさんのTwitterによると、インドで暴行を受けたのち、すみやかに隣国のバングラデシュへと移動したようである。以下は、めぐみこさんのTwitterコメントである。

<めぐみこさんのTwitterアカウント>

「この度、参加したホーリーというインドのお祭りは無礼講に盛り上がるため、日中でも女性1人での外出がとても危険だと聞いていたので、他の友人ら総勢35名ほどでイベントに参加していましたが、不本意ながらこのような事態となってしまいました」

「今回炎上のきっかけとなりました動画は専属のカメラマンが襲われている場面を故意に撮影した物ではなく、他の日本人イベント参加者が祭りの風景を撮っていたところたまたま撮影した動画であり、インドのホーリー祭の異常さや被害の様子を伝えようとしたものではない事をご理解いただけますと嬉しいです」

「動画内ではわかりずらいのですが、途中でそのカメラマンと他の人が助けに入ってくれております。動画を撮影した場所は、インドの中でも治安があまり良くないとされている場所でお祭りに参加してしまったため、盛り上がり、善し悪しを理解していない集団に囲まれやすくなったのだと思います」

「今回の件をきっかけに、警察は取り締まりを強化する事を約束してくれており、来年以降のホーリー祭で、女性に対してハラスメントが大幅に減少することを期待しております」








めぐみこさんか無事でよかった

とにかく、めぐみこさんか無事でよかったと思うばかりだ。現在は、バングラデシュに滞在していると考えられる。

一部から「炎上狙いでは?」との声

この動画が拡散したことにより、一部の人から「注目集めのためでは?」「炎上狙いでは?」との声が多数出ているのも事実だが、おそらくそれは、過去にめぐみこさんが炎上したことがあるからだろう。ガンジス川で沐浴した際、危険とされる川の水で顔面を洗っていたのだ。鼻から水を吸ってしまったようで、味は「しょっぱかった」という。その後、彼女は体調の異変をツイートしている。

<めぐみこさんのTwitterコメント>

「顔ゴシゴシしてはいけない水だった。鼻からガンジス川の水吸っちゃって、1時間後には鼻が痛くなって、だんだんのどの奥の方に痛みが移動してきてる。今のどの奥にガンジスがある」


<ロンリープラネット・インドによるガンジス川の汚染について>

「バラナシを流れるガンジス川はひどく汚染されていて、水は腐敗している。水は完全な酸欠状態で、その数値は悪くなる一方だ。川から採取したサンプルは100mlの水の中に150万の大腸菌がいることを示している。安全に沐浴するためには、大腸菌の数は500未満でなくてはならない」

セクハラも暴行も「100%するほうが悪い」

治安が悪いとされる地域に行き、しかもお祭りに参加するというのであれば、男女関係なく自衛策をとり、警戒しつつ路上を歩く必要があるのは当然だ。もしかすると、めぐみこさんの考えが甘かった部分もあるかもしれない。だがしかし、セクハラも暴行も「100%するほうが悪い」ということを忘れてはならない。また、インターネット上で彼女に誹謗中傷をするのも大きな間違いだろう。

多くのインド人から謝罪と励ましの声

いま、めぐみこさんのTwitterには、多くのインド人から謝罪と励ましの声が寄せられている。同じインド人として恥ずかしい気持ちなのかもしれない。めぐみこさんの公式YouTubeには「インドひとり旅」の動画が多数掲載されている。チャンネル説明には「過酷な旅が好きです!」とも書かれているが、安全に旅をしてほしいと願うばかりだ。

本来ホーリー祭は楽しいもの

ちなみに、インドやネパールで開催されているホーリー祭だが、今回のような猛烈なトラブルは稀だと思われる。筆者も実際にネパールで参加したことがあるが、人に塗るにしても、人にかけるにしても、ある程度の「他人同士の距離感」を読みつつアクションしていたように思える。


ネパールのホーリー祭は穏やかかも?

インドよりもネパールで参加すると、過激な色塗りに合う確率は低いかもしれない。ネパールはネパールでも、カトマンズではなくポカラやチトワンなどの田舎のほうが穏やかかもしれない。

ただし、インド人も、ネパール人も、観光客も、商店のオッサンも、牛も、すべての生命に色を塗られる。その覚悟が必要だ。

観光局や大使館に頑張ってもらいたい

今回の出来事で、ホーリー祭が恐ろしいものであるというイメージが日本に広まらなければよいのだが、そのあたり、観光局や大使館に頑張ってもらいたいものである。もちろん、最低限の自衛策と注意力は必要だが。


※記事のホーリー祭画像は当記者撮影のもの

(執筆者: クドウ@地球食べ歩き)

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