2023年のNHK大河ドラマ「どうする家康」の放送が始まった。
NHK大河ドラマで登場回数が特に多いキャラクターは織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の三英傑の中で最も大河ドラマに登場している。その中でも1位なのが徳川家康。家康は大河ドラマ最多登場キャラクターなのである。現在放送中の「どうする家康」を含んで大河ドラマは全62作品。そのうち、26作品(「鎌倉殿の13人」の最終回ゲスト出演も含む)に家康は登場している。
初登場は1965年の「太閤記」 様々なキャラクターや演出で登場
家康が大河ドラマに初登場したのは1965年、3作目の緒形拳さんが演じた豊臣秀吉が主人公の「太閤記」。家康役は歌舞伎役者の尾上菊蔵(六代目)さんだった。
2回目は1969年、上杉謙信、武田信玄を描いた7作目の「天と地と」。名脇役として知られる松山省二さんが、当時22歳で家康を演じた。
家康が初めて主人公として描かれたのは21作目。1983年の「徳川家康」だった。多くの歴史小説を残した山岡荘八さんの作品を原作とし、家康役には従来の“狸親父”という家康のイメージを一新するため、長身イケメン俳優の滝田栄さんが選ばれた。
2回目の主人公作品は39作目、2000年の「葵 徳川三代」。徳川家康、秀忠、家光を主人公に三代にわたる徳川家の物語をリレー形式で描いた大河ドラマで、家康役は2回目となる津川雅彦さん。津川さんはこの作品が大河ドラマ初主演だった。
このとき徳川秀忠役を演じた西田敏行さんは、「葵 徳川三代」の前に大河ドラマで徳川吉宗を演じており、吉宗、秀忠を演じた後の2006年、45作品目で家康役を務めている。西田さんは実は大河ドラマ出演回数2位タイ。1972年、10作目の「新・平家物語」から2022年の「鎌倉殿の13人」まで、14作品(2作品が主演)に出演している(ちなみに最多出演俳優は江守徹さんで19回)。
家康役を複数回演じたのは、津川さんの他に寺尾聰さんと北大路欣也さん。寺尾さんは1973年11作目の「国盗り物語」と2014年53作目「軍師官兵衛」で家康を演じた。北大路さんは大河ドラマでの初家康は遅めの2011年、50作目の「江~姫たちの戦国~」。それから10年後、2021年の60作目「青天を衝け」でナビゲーターという立ち位置で家康を演じた。
その他、郷ひろみさん、阿部サダヲさん、風間俊介さん、松方弘樹さん、丹波哲郎さんなど様々な年齢層の俳優たちが家康を大河ドラマで演じてきた。
そして2023年、新たに家康を演じるのは松本潤さん。家康を主人公にする大河ドラマは3回目。有名な人物であり、視聴者それぞれがイメージを持っている人物を演じるのは大変難しいことだと思うが、どんな家康を描いていくのか、1年間楽しみに視聴していきたいと思う。
(Written by 大井川鉄朗)