B級フード研究家・野島慎一郎が選ぶ「カップ麺オブ・ザ・イヤー2022」はどれだ? これだ!
カップ麺やスナック菓子、ファストフードなどのアレンジレシピを研究する“B級フード研究家”としても活動している、ノジーマこと野島慎一郎です。
普段から研究がてらカップ麺を食べる機会が多いため、せっかくなのでガジェット通信で毎月「美味しかったカップ麺ベスト5」というあくまでも個人的なランキングを発表しています。
今回は2022年に発表したランキングの中から、特に美味しかったものを思い出しながら「カップ麺オブ・ザ・イヤー2022」として年間ベスト5を選んでみました。
本当に美味しかったものはどれも鮮明に覚えてますし、5つに絞るのは非常に難しかったですが、胃袋をギュルギュルと鳴らしながらどうにか絞り込んだ今年のベスト5は以下のとおりです!
2022年 第5位:マルちゃん 珍々亭 濃厚油そば
2022年5月の1位。珍々亭は東京・武蔵境にある油そばの有名店で、その店主が監修した一品。油そばを食べたことがない人に「これが油そばだよ」と教えられるような、油そばの答えのような味だなと感じました。
特に麺の完成度は素晴らしく、もっちりと弾力があり、もはや茹でたての生麺と比べても遜色なし。具材のメンマや豚肉もちゃんと柔らかく戻るので、丼にきれいに盛り付けたらカップ麺と気づけなくてもおかしくないレベルです。
タレは醤油がベースで力強さがあり、そこにラードの風味が加わり、仕上げに卓上のラー油と酢を一周回し入れたかのような濃厚かつ王道の味。これをベースにマヨネーズを入れたり、チーズを入れたり、どんなトッピングやカスタマイズをしても受け入れてくれるような仕上がりでした。
2022年 第4位:明星 麺神 濃香ちゃんぽん
2022年11月の2位。麺神は極太でムニッとした食感のノンフライ麺が特徴で個人的には大好きなんですが、スープのインパクトが薄いと麺の存在感ばかりが際立ってしまいがち。セブンイレブン限定で発売された「濃香ちゃんぽん」はスープと麺の相性がいいどころか、大量に入っている具材もひとつひとつがしっかり美味しく、満足度抜群でした。
特に秀逸だったのは調味油で、これを垂らすと具材の野菜をちゃんと炒めたような風味が出てきます。これによって魚介ベースのスープの中でも野菜の旨味が一層引き立ちます。
美味しい野菜をたくさん食べている気になれることで、カップ麺を食べるという罪悪感が薄れるのもまた嬉しい。シリーズ最高傑作ではないでしょうか。
2022年 第3位:ニュータッチ 極麺処 札幌濃厚味噌
2022年11月の1位。こちらもセブンイレブン限定で発売されていました。2022年はニュータッチのカップ麺をコンビニで見かけることが増えてきた気がしましたが、ニュータッチのオリジナル商品をドーンと開発するあたりさすがはセブンイレブンといったところ。
こちらは税込386円とかなりの高額でしたが、その価格も納得せざるを得ないほど本格的な札幌味噌ラーメンに仕上がっていました。
ラードたっぷりで札幌ラーメンの雰囲気がバッチリ出ているんですけど、それ以上に特徴的なのはレトルトパウチで封入されている肉味噌。濃厚な味噌スープに少しずつ溶け込み、食べているうちに味にどんどん奥行きが生まれていきます。
麺もとんでもない完成度で、ツルツルとした喉越しやモチッとした食感だけでなく、縮れ具合もまた絶妙。濃厚なスープをたっぷりと口まで運び、スープの美味しさを余すところなく伝えてくれる麺なのです。それでいてちゃんと小麦の風味まで感じさせてくれるところが実にニクい。
値段が高いうえにチャーシューなど主役級の具が入っていないので賛否はわかれるかもしれませんが、カップ味噌ラーメンはここまで来たのかと感動する一杯です。
2022年 第2位:明星 The淡麗 麺や金時 塩わんたん麺
2022年2月の1位。透明度が高い塩スープは芳醇な鶏油の香りが広がり、そこに焦がしネギや鶏の旨味もプラス。麺は細麺で繊細で喉ごしがよく、これだけで十分最高なのですが、なんといってもこのカップ麺はワンタンが素晴らしすぎました。
ワンタンはサイズが大ぶりで、皮がつるんとしてふわふわ。餡も肉感がちゃんと感じられるうえ、味付けもいい感じ。贅沢な塩スープをたっぷりと吸収した状態で口に運ばれてくると、その瞬間に高揚感でいっぱいに。めちゃくちゃ幸せな味!
ほかの具材は細かいネギくらいしか入っていないのですが、その分このわんたんが6個も入っているという贅沢仕様。このカップラーメンに関しては完璧に主役がワンタンでした。瓶ビールが飲みたくなるカップラーメンです。
2022年 第1位:ニュータッチ 凄麺 肉汁うどんの逸品
カップ麺オブ・ザ・イヤー2022は9月の1位「ニュータッチ 凄麺 肉汁うどんの逸品」に大決定しました!!
ニュータッチ凄麺シリーズは総じて麺の完成度が高いのですが、こちらはなんと10年の歳月をかけて開発したというノンフライ麺のうどんが最大の特徴となっています。カップうどんといえばどん兵衛も赤いきつねもフライ麺を採用していて、本物志向というよりも独自路線の麺を使用することがスタンダード。そこに一石を投じた革命的なカップうどんなのです。
さすがに麺の厚みこそないものの、平打ちの茹でたてうどんのような食感は完璧に再現。お湯を注いで5分待つだけでこんなにも美味しいうどんを食べられるようになるとは……!
肉汁うどんという割には豚バラ肉が1枚しか入っていないことは不満に思う人もいそうですが、肉自体はバッチリ柔らかく、おつゆにもしっかり豚肉の旨味が溶け込んでいます。これがスーパーで200円くらいで買えるのですから文句のつけようがありません。
きっと「肉汁うどんの逸品」を足がかりにニュータッチは違う味のうどんもリリースしてくるでしょうし、赤いきつねのマルちゃんやどん兵衛の日清も黙っていないでしょう。近い未来にどん兵衛と赤いきつねの二強時代が終焉を迎え、カップうどんの新時代が到来するのではないでしょうか。
そんな期待を抱かせてくれた「ニュータッチ 凄麺 肉汁うどんの逸品」を2022年のカップ麺オブ・ザ・イヤーに選びます。おめでとうございました!!
総評
残念ながらカップ麺の限定商品は販売サイクルが早く、ベスト5に選んだ商品のうち2023年1月現在も確実に発売されているものは1位の「ニュータッチ凄麺 肉汁うどんの逸品」しかありません。
紹介したものが買えないなんて申し訳ない気持ちでいっぱいのランキングだったりするのですが、人気があるものは1年後くらいに再発売されることも多いのが最近のカップ麺業界。ぜひ気になるものは覚えておいていただければ、もしかしたら食べるチャンスがあるかもしれません。
また今年も毎月ベスト5の記事を発表し続けると思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いします!
本当に美味しかったラーメン&カップ麺(ゲスト:井手隊長、ノジーマ) / ガジェット通信LIVE #96
https://youtu.be/UOk1FCTitZ4
(執筆者: ノジーマ)
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