ジョブチューン出演シェフがロイホのパンケーキ騒動で謝罪「同業者の料理をジャッジすること自体が間違い」「批判誇張する演出残念」

TBSの人気番組『ジョブチューン』にて、ファミリーレストランチェーン『ロイヤルホスト』のパンケーキをシェフらが酷評。あまりにも批判内容が酷かったため、多くの人たちが不快な気持ちになったようだ。

パンケーキをレビューしたシェフが謝罪文

ももとも『ロイヤルホスト』のパンケーキは絶大な人気を誇るフードであり、多くのパンケーキ好きが悲しい気持ちになったようである。そんななか、『ロイヤルホスト』のパンケーキをレビューしたシェフが謝罪文を公開し、注目を集めている。

前田元氏「批判を誇張する演出は残念」

謝罪したシェフは『MOTOI』の前田元氏で、自身の公式Facebookで長文の謝罪文を掲載。「同業者の料理をジャッジすると言うこと自体が間違っていた」「批判を誇張する演出は残念」など、番組に出演したこと自体が間違いだったともとれる反省の気持ちも吐露している。

<Restaurant MOTOI Chef 前田元氏のFacebookコメント>

「シェフの前田です。
先日出演させていただいた番組が話題になっております。
出演者の一人として、出演に至った経緯などをお話しさせていただきたいと思います。
当該番組の出演オファーがいただいた時に、スタッフや家族からも賛否両論ありました。
ただ、私が出演した理由として、当該番組のホームページを拝見して、
「職業」には、それぞれに際立った技能や知識、能力があり、
その裏側にはそこにしかない“魅力”や“面白さ”がたくさんある。
しかし、関わりがなければ、その具体的な内容は知らないことが多い。
この番組ではその職業の知られざる一面をトークやVTRで紹介し、
さらにネプチューン、バナナマン、土田晃之ほか豪華ゲストが
素朴な疑問から普段は聞けないことまで、プロフェッショナルのヒミツに迫る。
と解説がありました。
今飲食業界は慢性的な人材不足に陥っております。
そんな飲食業界に何かできる事があるのでは?
ファミリーレストランも我々も同じ飲食業です。
忌憚のない意見を言い合う事で、商品開発の大変さや、苦労する部分を見ていただけるんじゃないか?
お客様が喜んでいただくために必死に仕事する、そしてその事でお客様が笑顔になる。
飲食業は本当に素晴らしい業界なんだと知って欲しいと思い出演を決めました。
もちろんノーギャラです。
打ち合わせでも、企業様が求めているのはリアルな意見だとお聞きしました。
ジャッジに関しては値段、コスト、オペレーションなども加味した上での評価をしてくださいと。
事前に誘導や、ヤラセなども一切ありませんでした。
収録は6時間近くでしたが、それぞれのシェフが真剣に料理に向き合い、意見を出しておりました。
全ての料理に全員がコメントし、企業様もそれを真剣に聞き入ってくださっておりました。
ただ食べる前に臭いを嗅いだり、様子を見るアクションは求められました。
私は合格、不合格の基準を、このままで文句無く美味しいか、もう少し改良すればもっと良くなるはず、というところで判断しました。
話題のパンケーキに関しては、焼き色、ビジュアルにかなりこだわっておられ、確かに見た目美しさは素晴らしかったです。ただ私が感じたのは、香料の強さでした。小麦粉と砂糖が合わさって生まれる香りは、何とも言えない良い香りがします。そういった素材の持つ良さをもっと出した方がいい、香料がマスキングしていると。
ケミカルと言う言葉を使ったのは、香料や膨張剤の持つ香りが不自然に感じたからです。
もちろん低価格であのクオリティは凄いです。
長年愛されている事も素晴らしいです。
ただ、あえて改善点があるとすれば、この部分だと思いました。
そのために価格が上がっても、それ以上に美味しい商品になればお客様も納得していただけるんじゃないですか?とのコメントも致しました。
その他の料理も、私では絶対にこの価格では作れませんと、何度もコメントしました。
本当に美味しい料理は皆さん大絶賛でしたし、不合格の料理でもそれぞれのシェフがアドレスされており、商品開発会議のような雰囲気でした。
収録が終わり、今回はいい回になったんじゃないかと私自身確信しておりました。
ですので、オンエアされて批判を誇張する演出は残念であり、飲食業が魅力的な業界だとは感じることができませんでした。
番組の趣旨を誤って捉えてしまったと思います。
企業様が求められるのは、忌憚のない意見であり、それが少しでもお客様の満足に繋がれば、との考えはほとんど伝わりませんでした。
よく良く考えれば、同業者の料理をジャッジすると言うこと自体が間違っていたと思います。
同じ飲食業に携わる者として、開発から、オペレーション構築の苦労は計り知れません。ましてや全国何百店舗に同じクオリティで提供することなど、私には到底できません。
それなのにその想いが詰まった料理に合否をつけることなど、完全に思い上がりだったと痛感致しました。
皆さまのご批判も、全て真摯に受け止めます。
今後は違う形で、飲食業がより魅力的な業界となるように、努力していきたいと思います。
この度は大変ご迷惑をおかけして、申し訳ございませんでした。

Restaurant MOTOI
Chef 前田 元」

※facebook公開投稿より引用

パンケーキのファンがシェフらの酷評レビューに対して憤慨

『ロイヤルホスト』のパンケーキは看板メニューといっても良いほど人気のあるフードだ。それゆえ、パンケーキのファンがシェフらの酷評レビューに対して憤慨したという面もあるようだ。好きなものを酷評で否定されたのだから不快になるのも理解できる。

酷評であろうと発展的なものである必要

料理をジャッジすること自体、それは自由だと思われる。誰もが「あそこはおいしい」「ここはイマイチ」と思うことはあるだろうし、場合によっては「二度と食べたくない」と不快に思うこともあるだろう。

しかし、自身や番組の影響力を考えれば、たとえ酷評だとしても「言い方」「言葉選び」などを考えることも大切だろう。なにより、レビューが酷評であろうと発展的なものである必要があるのではないだろうか。皆さんは今回の騒動、どのようにお思いだろうか。



※冒頭画像は前田シェフの公開facebook投稿より引用

(執筆者: クドウ@地球食べ歩き)

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