藤岡みなみ|最近のDIYライフについて【思い立ったがDIY吉日】vol.72
文筆家・ラジオパーソナリティの藤岡みなみさんが、モノづくりに対してのあれこれをつづるコラム連載!題字ももちろん本人。可愛くも愉快な世界観には、思わず引き込まれちゃいます。今回は最近のDIYライフについて!
藤岡みなみ
文筆家、タイムトラベル専門書店utouto店主。縄文時代と四川料理が好き。やってみたがり。
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最近のDIYライフについて
母からもらった手作りのスワッグ。
グッとくる贈り物をもらった。母から誕生日プレゼントは何がいいかと聞かれて、スワッグを作ってほしいと頼んだのだ。家族で毎年プレゼントを送りあっていると、なかなかもうほしいものもなくなってくる。特に私たちは誕生日が数日違いなので、同じような値段のものを同時に交換するような形になり、「自分で買ってもいいんだけどね……」という思いがよぎる。だったら、母にしか作れないものを贈ってもらえたら最高だろうなと思った。
母は私が子どもの頃からフラワーアレンジメントを習っていて、今も毎週末、作ったブーケの写真を送ってくれる。写真が香るような、心地よい季節の便り。ドライフラワーならかなり長持ちするだろう。部屋に合うあまりカラフルでないものが欲しいと伝えると、白い草花を集めてゴージャスにまとめてくれた。パンパスグラスがしっぽみたいで、見るたびに実家の長毛種の猫を思い出す。アイボリーのカーテンにもばっちり馴染んだ。来年もお願いしようかな。スワッグはいくつあってもうれしい。
布でワックスを塗り込みます。
先日、ようやくキッチン台を作った。今の家に引っ越してきて3ヵ月。台のない台所は不便で、肩をすぼめてたまねぎを切るような日々だった。いつでも簡単に作れるから、と先延ばしにしていたのだ。仕事机を作った時の無垢ボードの余りをやすりがけし、蜜蝋ワックスを塗り込む。油や食べ物の汚れに耐えられますように。やすりがけやワックス塗りは祈る気持ちと相性がいい。丁寧にこするって、かなり祈りに集中できる動作なのだ。ちょっと長めの90センチのアイアン脚を取り付けると、サイズはぴったりだが若干ぐらぐらする仕上がりになった。まあいい。揺れながら料理するのも楽しいでしょう。
ゴミ箱の横幅にジャストフィット。
今年の夏はだめだったかと諦めていたプランター栽培のスイカが、8月の終わり頃に実をつけた。それも、5つもある。どんどん大きくなっている。いまさら本気出してどうするの。積算温度は大丈夫なの。日数よりも気温の累積が重要って聞いています。さすがにこの苗に5つも大きくする体力は残っていない気がして、形の悪いものを摘果した。収穫は10月ごろだろうか。ビニールで包んだり、保温するしくみを用意したりした方がいいのか。あわあわ。秋よ、ちょっと待ってくれ。図らずも残暑を願う人間になってしまった。
大器晩成型のスイカでした。
絵本の帯を作ると楽しい!
4歳が書いた絵本の帯たち。
いま、絵本屋さんごっこが熱い。4歳の書店員さんが絵本にオリジナルの帯をつけ、棚に並べる。お客さんの私がおすすめを聞いて、気に入った絵本を買う。これを飽きずに毎日繰り返している。
きっかけは大人の本の帯だった。自分の絵本はむしろ、買って来た瞬間に自分でカバーも帯も外してしまう。「こんな本ですよ、ということが書いてあるんだよ」と伝えるとすぐにやってみたがった。紙を切り、本に巻きつけるところまで手伝う。
帯のコメントを読むと、子どもがどこにグッと来ているのかを知ることができて面白い。主人公じゃなくてしまうまに注目しているのかとか、おにぎりをにぎる「にぎにぎ」って音が好きなのかとか、毎日読んでいるのに気がつかなかった発見もある。主題や内容をばっちり押さえていなくても全然構わないと思う。偏っていていいし、自分だけのお気に入りポイントがあることがうれしい。
文字が多くて内容をよく把握していない本には「かしこい」という帯がついた。まだ難しかったらしい。せっかくだから私の新刊にも何かコメントをもらおうと思ったら、他の本と違ってあまり気乗りしない様子で「おすすめ」と書いてくれた。中身がわからないからそう書くしかないよね、すみませんでした。
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