旅行でお土産を買うなら、地元の人に親しまれている「スーパーマーケット」がおすすめだ。価格は安いし、コンビニよりも品数は多い。長年、国内外のスーパーでお土産を調達してきた筆者が、今回は【大阪編】を紹介する。
大阪のローカルなスーパーといえば、まずここを挙げねばならない。圧倒的な存在感を誇る「スーパー玉出」である。日中でもこの外観、夜になるとギラギラ光る。大阪の派手さを象徴するようなスーパーと言える。
その店内も、商品が山積みで、美しくディスプレイされているとは言い難い。しかし、大阪人は「激安」が大好きである。整然さより、とにかく安ければよい。
スーパー玉出で売られているのは、大阪のローカル品ばかり、というわけでは実はない。普通のスーパーとそう変わりない。ただ、スーパー玉出のプライベートブランドもある。その1つが「スーパー玉出 なめらか絹とうふ」であり、3個88円。まぁまぁ安いと言えるだろう。お土産には不向きだが。
食パンもあった。「スーパー玉出 熟工房」だ。兵庫県伊丹市に本社がある製パンや製麺などでおなじみ「オイシス」製である。
1袋98円だった。特売でなくこの価格だと安いと言えるだろう。
大阪らしい商品がないかと探して見つけたのがこちら。「たこ焼粉」である。横には「お好み焼粉」も。
そう、「大阪では自宅に、一家に一台『タコ焼き器』がある」と言われる。これは実のところ都市伝説に近く、今はない家庭もけっこうある。それでも、たこ焼きはともかく、大阪ではお好み焼きは通常、自宅で作るものだ。
粉だけではなく、「たこ焼ソース」「お好み焼ソース」なども、ちゃんとある。しかも大阪では、たこ焼き用、お好み焼き用、焼きそば用、とんかつ用・・・などと、用途別にしっかり分かれているのが特徴。
これらとは別に、ウスターソースももちろんある。さすが「粉もん」文化がある大阪だ。
大阪人でもなかなか知らないかもしれない。金龍の「焼肉のたれ」である。「大阪で愛されて半世紀」のキンリューフーズは、「肉と言えば牛」が定番の関西にある焼肉店で生まれたという。焼肉店からタレだけ分けてほしいというニーズにこたえて誕生したタレ商品。ドレッシングやポン酢などもある。お土産にもおすすめ。
大阪のかまぼこでおなじみ「別寅」の商品も多く見かけた。大阪・泉州に本社がある。かまぼこ、ちくわ、あつやき、ごぼう天、ひら天、きくら揚げ・・・
冷蔵商品なので持ち帰るのは難しいかもしれないが、スーパーで手に入る練り商品では、別寅はコスパ大で美味しい。滞在先のホテルで酒のつまみにもおすすめ。
ミックスジュースも、大阪発祥だ。サンガリアが商品化した「みっくちゅじゅーちゅ」は、手軽に味わえる缶ジュース。生でその場で絞るミックスジュースの味にはとうてい敵わないが、よく再現されているとつくづく思う。小さな缶もあるので、ぜひお試しを。
大阪にはなぜか、カレーのお店が多い。「旧ヤム鉄道」「旧ヤム邸 空堀店」などが有名だが、それ以外にも人気店はたくさんある。
自宅で楽しめるレトルトカレーでは、S&B食品の「噂の名店」シリーズで、大阪・本町の白銀亭の「大阪あまからビーフカレー」、大阪・北浜の「大阪スパイスキーマカレー」ががある。他のスーパーでも見かけたら、ぜひ。
大阪・難波にある「自由軒」のカレーパウダーを見つけた。自由軒といえば、混ぜた後のカレーに生卵がのっている名物カレーが有名。作家・織田作之助の小説『夫婦善哉』にも登場した。そのカレーパウダーである。
同じような名前で全国展開もするお店がもう1つあるが、こちらの自由軒は大阪・難波の本店と、直営の天保山店のみの展開である。どちらが美味しいとは大阪人としても甲乙つけがたいが、スーパー玉出で売られていた中で最も大阪らしい商品はこれだった。秘伝の味、ぜひお試しあれ。
食の都・大阪には、ほかにも大阪らしいローカルフードがある。機会あればまた、他のスーパーも巡って紹介していきたい。
【大阪府にある主なご当地スーパー】
(Written by トラコ)